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[ 本格/新本格 ]
仔羊たちの聖夜
匠千暁シリーズ
西澤保彦 出版月: 1997年08月 平均: 6.68点 書評数: 19件

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角川書店
1997年08月

角川書店
2001年08月

幻冬舎
2008年10月

No.19 5点 ミステリ初心者 2023/04/04 19:57
ネタバレをしております。

 なるべく前情報を調べずに買ったので、匠千暁シリーズとは知らずに買いましたw たしか、私は過去に解体諸因は読んだ…はずなのですが、今作の匠千暁という名前には見覚えがある程度であり、ほとんど覚えておりませんw 他のキャラクターはほぼ初見の感覚です。
 本当は、シリーズ物は発行順で読んだ方が良いかもしれませんが、推理小説はよく調べてから買うとなにかしらのネタバレがありそうで怖いのですよねw

 さて本作ですが、こてこての推理小説(例えば犯人当てやアリバイ崩し)というよりかは、自殺と思われる人の背景を追ったり、同じ状況での自殺事件の関連性を調べたりすることが多かったです。ただ、ラストにはやはり驚きがありました。
 第二の事件では、プレゼントを買った者の確認が取れていなかったのですね。最初、物語の始まりのきっかけとなったプレゼントでしたが、それが最後のキーになっているのですね。第一の事件とも関連づけられていて、構成も面白かったです。

 物語全体的に重苦しく、やや盛り上がる場面が少なかったように思えます。個人的な好みの問題ですが。
 ほぼ主人公のタカチですが、その他(第三の事件の関係者のカモさんやエリちゃんらを除き)の登場人物が空気と化していたような…。そのタカチですが、私にはあまりも恐ろしい、怖いキャラクターに感じてしまって、それをまるで神のように崇拝している(と、私が勝手に感じる)タックにもいまいち感情移入できませんでしたw

 総じて、意外性のあるラストが良かったものの、ややイヤミス的な暗さを感じた作品でした。また、主要キャラクターはあまり好みではありませんでした。
 私はやっぱり、犯人当てか、アリバイ崩しが好みなようですw

No.18 3点 E-BANKER 2019/05/07 20:17
タック=タカチシリーズ。
時系列でいうと「彼女が死んだ夜」「麦酒の家の冒険」に続くシリーズ三作目となる本作。
1997年の発表。

~通称タックこと匠千暁、ポアン先輩こと辺見祐輔、タカチこと高瀬千帆。キャンパス三人組が初めて顔を突き合わせた一年前のクリスマスイブ。彼らはその日、女性の転落死を目の当たりにしてしまう。遺書そして動機も見当たらずに自殺と結論づけられたこの事件の一年後、とあるきっかけから転落死した女性の身元をたどることになった彼らが知ったのは、五年前にも同じビルから不可解な転落死があったということ。ふたつの事件には関連があるのか?そして今また、新たな事件が・・・~

いくらなんでも、この動機はあまりにも変で納得しがたい。
五年前の事件はまだ分かる。思春期の少年だし、勢いでということもあるだろう。
けど、二番目そして三番目は・・・ミステリーの動機としてはどうにも理解できない。

あまり書くとネタバレになるんだけど、死亡の動機はもちろん、現場に落ちていたという重要な物証であるプレゼント。
このプレゼントを買った動機。これも変だ。こんなこと考える?
終章、タカチ(本作はタカチが探偵役)が真相を語るんだけど、読みながら、「えーっ!」っていう感情しか湧かなかった。
三番目の事件が起こる背景。これも酷い。
こんなことで結婚までする? 他にいくらでもやり方はあるだろうに・・・

とにかくつじつま合わせがあまりにも酷い。
これはもう、本作はシリーズ、特にタカチファン以外は読む価値なしと断じてもよいくらい。
タカチファンはぜひ読んでください。
彼女の美貌とツンデレキャラが存分に味わえます。(想像の世界で)

まぁ、悪い意味で本シリーズらしい作品と言えなくもないかな・・・

No.17 3点 いいちこ 2016/12/14 15:43
舞台設定の説明があまりにも冗長であるだけに、なおさら拍子抜けの真相と言わざるを得ない。
また、その解明プロセスは、客観的な証拠に乏しい、あまり合理的とも言い難い推論の積み重ねでしかなく、論理性の欠如が決定的。
さらに、人物造形についても、探偵側は過剰なほどよく描けているが、犯人・被害者は掘り下げが非常に不足しており、犯行動機の説得性も乏しい。
以上、ミステリとしての骨格は極めて脆弱であり、キャラ小説の域を脱していない

No.16 7点 yoneppi 2013/08/28 17:54
学園ミステリなのであまり期待せずに読んでみたらラストには結構やられた。

No.15 7点 ayulifeman 2012/06/27 22:02
随意所にちりばめられてる「それは別のお話」とか「今回のお話には関係ないのだが…」的な部分。これが悔しい。
シリーズ物ならまず作者のデビュー作を読む。そしてシリーズ一作目はとりあえず読む。
という段階を経て読書を推し進めたいと思うものであってそこを逸脱してしまったのが悔しいが…面白かった。
この世界観、シリーズにはハマってみたいと思わせる作品でした。余計悔しい!

No.14 6点 蟷螂の斧 2012/06/21 20:00
シリーズ(前後?)を読んでいないので、タカチとタックの二人の状況は良く解りませんが、本作での二人の関係は、軽いタッチの青春小説のようであり面白く拝読。ミステリーとしては3つの事件の真相は、現実的な動機としてはどうか?・・・とやや納得性に欠けるような気がします。

No.13 8点 Q-1 2012/06/02 03:46
予想だにしていなかったまさかの結末にびっくり。
いや、ビックリというよりもゾッとしました。

カモさんの件が余りにも簡単だったのでガッカリしていたら
最後にやられました。

No.12 7点 白い風 2010/11/12 18:16
「解体諸因」に続き読んでみました。
タック達の出会いも出てきたのが嬉しいかもね。
3つ目の真相は比較的分り易かったね。
ただ、2つ目の此村華苗さんの真相はちょっとビックリだったけど。

No.11 6点 E 2010/05/15 23:36
お馴染みの主要人物達の出会いを見れた。
改めてボアン先輩の偉大さに感嘆(笑)
動機辺りが重いテーマだったのではないかと・・・。

No.10 7点 spam-musubi 2009/09/06 10:18
タカチ過去清算編。ボアン先輩たちとの出会いエピソードもあり、
シリーズものとして非常に興味深かった。タックとの心理的繋がりも
本編から一気にすすむ。

ミステリとしての印象はそれほどでもないというのが正直なところ。
青春若者葛藤群像(?)という印象が強い。

No.9 7点 dei 2007/11/13 20:14
良いんだけど…読後感の悪さから-1

No.8 6点 なの 2004/09/12 21:45
作品としては良く出来ていると思います。
皆さんの高評価も頷けます。
しかし、アマちゃんの私にはちょっとイタ過ぎました。
最後に明かされる真相(推測)が、ボディブローみたいに効いてきます。

No.7 8点 バファックス 2004/07/03 02:42
このシリーズの特徴は痴情のもつれ。いや、みんなバカですね。いい意味で。ミステリー小説で、こういう形で痴情のもつれを、書いている人って少ないんじゃないでしょうか。(「運命の女」とか能書きをたれるばっかりで、まったく)。とりわけ、事件をオオゴトにしたがる風潮の中で、この侮蔑と愛着が混ざった描き方は稀有だと、思った。

No.6 8点 shige-tee 2003/08/09 01:52
 真相もしっかりしていて、読後感は少々良くありませんでしたが十分面白い作品でした。
 西澤氏の匠千暁シリーズは採点者も少なくあまり読まれていないようですがよくできていると思います。個人的にはお勧めです。

No.5 8点 keisuke 2002/11/17 00:50
季節がら、ちょっとワクワク?しながら読みました。登場人物の人間関係に変化があるかも?って感じで。それがどうなのかは読んでのお楽しみ。二番目に飛び降りた女性、彼女の飛び降りた真実が怖いですね。一番印象に残りました。

No.4 8点 由良小三郎 2002/07/29 21:50
このシリーズを、「彼女の死んだ夜」「依存」の順に読んで、これを読みました。タカチというのが魅力的です。シリーズ通して、各登場人物の描写が一貫してるかどうかは疑問ですが、いいシリーズで後に読む作品ほど評価が高くなっていくのかもしれませんが、軽さの度合いが僕にちょうどいいぐらいです。

No.3 8点 KANNO 2002/04/14 22:50
読後感「気持ち悪〜」。なんて言うんだろ、最後のタカチの推理(つまり結末)が、精神的にきました。嫌悪感が残るけど、でも作品の評価を貶めるわけではないです。良いと思いますよ。

No.2 9点 馨子 2001/10/08 10:56
こんな重いテーマを、軽妙に後味悪くなく描けるのって西澤氏くらいでしょう!どんな話か知らずに読んで、すごく感動した。
ミステリとしてはどうかなって気もする(特に3つ目の飛び降りは動機等バレバレ)けど、小説として面白かったので私は満足!

No.1 6点 2001/05/08 04:10
またまた妄想大爆発(笑)。
このシリーズは謎解きメインに読んじゃダメですね。


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西澤保彦
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