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[ 本格/新本格 ]
スコッチ・ゲーム
匠千暁シリーズ
西澤保彦 出版月: 1998年03月 平均: 6.53点 書評数: 15件

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角川書店
1998年03月

角川書店
2002年05月

幻冬舎
2009年02月

No.15 5点 E-BANKER 2015/05/13 20:38
2002年発表のタック&タカチシリーズ長編。
前作「仔羊たちの聖夜」に続くシリーズ作品であり、時系列的にも繋がっている(模様)。

~高校三年の冬、学園の女子寮に戻った高瀬千帆は、ルームメイトで同性の恋人・恵の惨死を知る。容疑者は恵と噂があった学園の教師・惟道。だが、彼は「酒の瓶を持って河原へ向かう男を尾行していた」という奇妙なアリバイを主張。二日後、隣室の生徒が殺される。再び惟道は同じアリバイを主張する。二年後、匠千暁が千帆の郷里で事件を鮮やかに解く本格ミステリー~

このシリーズらしい作品。
体裁としては、紹介文のとおり、タカチの体験した過去の事件をタックが安楽椅子で解き明かすというスタイル。
シリーズ初心者ならいいけど、何作か読んでいる読者ならば、明らかに「これ伏線だろ!」っていうポイントがそこかしこにあるのがどうしても気になる。
(断水とか・・・)
そして、メインのロジックが「容疑者がなぜスコッチを半分川に捨てたのか?」という謎。
こうして文字にすると魅力的に見える。
ただ、「麦酒の家の冒険」などでも感じたことだけど(タイトルからして“酒”つながりだな)、ロジックをこね回しているという感覚が拭えないのだ。

一番腑に落ちないのが動機。
他の方も触れているけど、正直理解不能。
そりゃもちろん動機なんて人それぞれで、どんな動機でもあり得ると言えばそれまでなのだが、世間的な「常識」からは大きくはずれている。
これはもう、シリーズ読者にしか理解できないんじゃないか?(特にタカチというキャラが理解できているか・・・という点)

ということで読者を選ぶ作品だろう。
まぁ当たり前だけど、シリーズは最初から読む方がベターということだ。
(真犯人もよくいえばサプライズなんだけど、これって反則ではないか? 何しろ読者には○○さえ示されてなかったのだから・・・)

No.14 5点 メルカトル 2014/08/07 22:17
回りくどすぎて、今の私には荷が重かった。それがこの作者の持ち味なので、ある程度は覚悟していたが、もう少しストレートに表現してもいいんじゃないかと思う。あまりにも迂遠な書きっぷりなので、内容を把握するのに精いっぱい、楽しむ余裕は生まれなかったのが、私の現状である。
それにしても、この連続殺人犯の動機は一般には理解しづらいのではなかろうか。作者自身がなんとなく有耶無耶にしてしまっているようで、どうにも気持ちが悪い。
私はこのシリーズのファンでも何でもないし、況してやタカチに対する思い入れなど全くないので、その意味では、これっぽっちも楽しめなかった。どうにも世界観がディープすぎて、理解不能な部分が多かった気がするなあ。これだけ地味な作品が、高得点を獲得しているのも私には正直不思議である。
わざわざ次の『依存』のために読むほどではなかったのかもしれない。しかし、今から『依存』に対する不安が募るばかりである。どうかそれが杞憂に終わってくれればいいのだが。

No.13 6点 Q-1 2012/05/27 23:38
構成、ストーリー共によくできていました。
酔っぱらいとスコッチの謎も面白かったです。

しかし犯人はこいつかなっていうのは推理とは呼べない素人丸出しの消去法で予想できるのですが、
犯人の動機が常人には理解不能で、想像するのも厳しいと思われます。

論理的に推理して犯人を当てた方は殆どいらっしゃらないのではないでしょうか。

No.12 8点 spam-musubi 2011/04/02 01:33
よくも悪くもこの作者らしい。
この作品のキモはタカチのあの台詞。タカチの性格からして、
これ以上ない愛情表現だよね。このシリーズの結末がどうなるのかは
わからないけど、仮にそれぞれの幸せを掴むのだとしても、心の
どこかでこの2人が永遠に通じ合っていくのだと思うとうれしくなる。

No.11 6点 白い風 2010/11/26 18:15
犯人は意外だったけど、オイラは何故か気になっちゃっていた。
流石に動機は分らないよね(笑)
犯人よりスコッチを川に捨てていた人物の解説の方が面白かった。
全体的に面白かったけど、動機の点で-1点。

No.10 5点 seiryuu 2010/07/16 18:25
ストーリーと構成がよかった。
読みやすかった。
ナルシズム論は勉強になりました。
いつもより若いタカチなので、タカチの暴走もやりすぎもなかったのでよかった。

怪しい人を最後の最後までひっぱったのは流石。
でも 犯人と動機がナルシズム論であまりピンとこなかった。
ひと間違いはガッカリ。
そんな少ないあやふやな情報で人殺しをするかな?
偶然も見越して推理するなんて タックの推理すごすぎない?(笑)

No.9 7点 E 2010/05/22 23:42
タック&タカチシリーズでタカチエピソードの話。
彼女の過去が結構(?)明らかになる。恋人については気になっていたので、自分としてはそのエピソードが語られて良かったかな。
事件そのものはやたら血みどろな印象・・・

No.8 5点 ElderMizuho 2008/04/15 19:48
犯人が突飛過ぎてさすがに引いた
それはないだろう・・・。ここまでくると「伏線」もすべて後付けとしか思えないし感銘も受けない
結局売りはスコッチのくだり?一発ネタですよね。これって。

No.7 6点 VOLKS 2008/01/24 09:36
タカチがなぜ彼女を受け入れたのか、など細かい心理面の部分にもうひとつ理解出来ない部分が幾つかあったが、全体的には楽しむことが出来た。

No.6 7点 shige-tee 2003/03/20 14:35
 匠千暁シリーズですが、タカチが主人公なので全体的にクールに仕上がっています。
 人物の行った行為に対する理由付けがやっぱり少しこじつけっぽいところがありますが。まぁありかなといった印象です。
 骨組みがしっかりした作品ですっきり読めました。

No.5 8点 keisuke 2002/11/17 01:02
特にキャラ重視で読んでいたので、読み終えたあとは、これ以降のシリーズ作品が楽しみになりました。個人的な好みですが、最後がちょっと、ん〜。

No.4 7点 由良小三郎 2002/08/18 16:26
かなり伏線もいきていますし、意外な犯人という観点では評価高いかとも思います。キャラクタ重視の読み方としては犯人にもっと強烈な個性を期待したかった。タカチの相手役としては、役不足だったような気がしますが、これはミステリに対してかなり無理な注文です。

No.3 8点 馨子 2002/06/24 11:11
タカチに、高校時代の同姓の恋人がいたことと、父親との間に確執があることはわかっていたので興味深く読めました。どちらも想像していたのとはちょっと違っていて、良い意味で意外だった。特にお父さんは、そんなに悪人じゃないじゃんという気が。
スコッチの謎は楽しいけど、真犯人は私は納得しきれないものがありました。
「ミステリ」と「シリーズキャラクターもの」どちらとしても楽しめるバランスの良い作品。

No.2 7点 KANNO 2002/04/14 22:23
かなり前になりますが、初めて読んだ西澤作品。タックがタカチの目線で書かれているので、ちょっと格好良く見えます(?)。

No.1 8点 2001/05/15 02:40
スコッチと謎の人物にいたる推理は見事。
このシリーズでは一番の完成度ではないかと思う。


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