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[ 本格/新本格 ]
収穫祭
西澤保彦 出版月: 2007年07月 平均: 6.00点 書評数: 3件

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幻冬舎
2007年07月

幻冬舎
2010年10月

幻冬舎
2010年10月

No.3 6点 パメル 2021/03/02 09:20
ある地方の山間部の村で発生した大量殺人事件をめぐるミステリ。まずはその残虐性と死体の数の多さに驚かされる。
首尾木村の北西区には、9世帯の住民が住んでいた。一九八二年の夏の夜、その大半が殺されるという事件が起きた。しかも十四人中、十一人が鎌で喉をかき切られるという異常な殺人だった。それから九年後、再び同じ手口の殺人が起こっていた...。
本作は、まず中学生の男子生徒の視点で語られていく。冒頭では、田舎の少年の日常や親しい同級生たちとの交流が描かれている。その夜、まさかの猟奇的な殺人が待ち構えているとは予想もつかない。さらに事件から九年後、十三年後、そして二十五年後に起こる復讐劇のサスペンスと暴かれる真相の意外性に戦慄させられるばかり。
煽情的な大量殺人にとどまらず、事件の背後で複雑に絡み合う村人たちの人間関係、夫婦内や家庭内の倒錯した性愛、大量殺人の悪夢と抑圧された心理などが丹念に書き込まれており、ストーリーに厚みを与えている。関係者のねじれた暗い感情が強く迫ってくるのだ。
そして印象に残る奇怪な出来事、巧みな伏線、意外な事実の暴露といった展開が効果的に反復しているため、先を読まずにおれない大作に仕上がっている。しかし文庫版で、上下巻合わせて1000ページ超はあまりにも長すぎる。

No.2 7点 いけお 2012/05/27 02:45
特に前半のリーダビリティは凄い。
後半が丁寧で、ラストの部分の完成度がもう少し高かったらと思うともったいない。

No.1 5点 kanamori 2010/09/12 12:24
単行本二段組みで600ページを超える大作ですが、その分量に見合うほどの満足感は得られなかった。
30年近く前の台風の最中、ある村の一地区で起こった数家族の大量惨殺事件を、発見者である中学生少年の視点で描いた第1部まではよかった。ダークで性的雰囲気も漂うテイストで、作者のもう一つの持ち味が出ていると思う。
しかし、中盤以降失速してしまう。部分的記憶喪失というご都合主義の設定と”信頼のおけない語り手”の物語は、ミステリを読みなれていれば真相が透けて見えてきます。竜頭蛇尾に終わった惜しい作品。


西澤保彦
2022年03月
パラレル・フィクショナル
平均:5.00 / 書評数:2
2020年12月
偶然にして最悪の邂逅
平均:6.00 / 書評数:1
2020年08月
夢魔の牢獄
2019年12月
逢魔が刻 腕貫探偵リブート
平均:5.00 / 書評数:1
2018年09月
幽霊たち
2016年11月
悪魔を憐れむ
平均:7.00 / 書評数:3
2015年06月
回想のぬいぐるみ警部
平均:5.00 / 書評数:1
2015年03月
さよならは明日の約束
2014年05月
下戸は勘定に入れません
2014年03月
探偵が腕貫を外すとき
2013年06月
ぬいぐるみ警部の帰還
平均:5.00 / 書評数:1
2012年10月
モラトリアム・シアター produced by 腕貫探偵
平均:6.00 / 書評数:1
2012年02月
幻想即興曲
平均:5.00 / 書評数:1
2011年10月
彼女はもういない
平均:5.00 / 書評数:1
2011年08月
赤い糸の呻き
平均:6.00 / 書評数:2
2011年05月
必然という名の偶然
平均:5.67 / 書評数:3
2010年10月
幻視時代
平均:6.00 / 書評数:2
2010年08月
からくりがたり
2010年03月
こぼれおちる刻の汀
平均:5.00 / 書評数:1
2009年09月
身代わり
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2009年07月
動機、そして沈黙
平均:6.00 / 書評数:1
2008年10月
スナッチ
2008年08月
夢は枯れ野をかけめぐる
平均:5.50 / 書評数:2
2008年04月
腕貫探偵、残業中
平均:6.00 / 書評数:2
2007年07月
収穫祭
平均:6.00 / 書評数:3
2006年11月
ソフトタッチ・オペレーション
平均:5.00 / 書評数:2
2006年10月
春の魔法のおすそわけ
2006年03月
キス
2005年10月
フェティッシュ
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2005年07月
腕貫探偵
平均:5.50 / 書評数:4
2004年12月
生贄を抱く夜
平均:4.00 / 書評数:1
2004年08月
方舟は冬の国へ
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2004年06月
パズラー 謎と論理のエンタテインメント
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2004年04月
いつか、ふたりは二匹
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2003年11月
黒の貴婦人
平均:5.86 / 書評数:7
2003年06月
笑う怪獣 ミステリ劇場
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2003年05月
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平均:6.36 / 書評数:14
2003年03月
リドル・ロマンス 浪漫迷宮
平均:6.00 / 書評数:1
リドル・ロマンス 迷宮浪漫
平均:6.50 / 書評数:2
2002年12月
ファンタズム
平均:4.22 / 書評数:9
2002年08月
人形幻戯
平均:5.00 / 書評数:3
2002年03月
聯愁殺
平均:6.60 / 書評数:20
2001年12月
両性具有迷宮
平均:5.50 / 書評数:2
2001年10月
異邦人
平均:7.25 / 書評数:4
2001年09月
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平均:5.57 / 書評数:7
2001年03月
謎亭論処
平均:6.18 / 書評数:11
2000年12月
転・送・密・室
平均:5.80 / 書評数:5
2000年10月
なつこ、孤島に囚われ。
平均:3.38 / 書評数:16
2000年06月
依存
平均:7.00 / 書評数:21
1999年09月
夢幻巡礼
平均:6.00 / 書評数:5
1999年03月
黄金色の祈り
平均:6.33 / 書評数:12
1999年01月
念力密室!
平均:6.50 / 書評数:8
1998年10月
ナイフが町に降ってくる
平均:3.86 / 書評数:14
1998年09月
実況中死
平均:6.57 / 書評数:7
1998年06月
猟死の果て
平均:5.38 / 書評数:8
1998年04月
ストレート・チェイサー
平均:6.00 / 書評数:10
1998年03月
スコッチ・ゲーム
平均:6.53 / 書評数:15
1998年01月
幻惑密室
平均:5.87 / 書評数:15
1997年08月
仔羊たちの聖夜
平均:6.78 / 書評数:18
1997年07月
複製症候群
平均:5.44 / 書評数:9
1997年04月
瞬間移動死体
平均:6.08 / 書評数:12
1997年01月
死者は黄泉が得る
平均:6.86 / 書評数:14
1996年11月
麦酒の家の冒険
平均:5.80 / 書評数:30
1996年08月
彼女が死んだ夜
平均:7.00 / 書評数:20
1996年07月
人格転移の殺人
平均:7.25 / 書評数:36
1996年03月
殺意の集う夜
平均:6.35 / 書評数:31
1995年10月
七回死んだ男
平均:7.41 / 書評数:83
1995年06月
完全無欠の名探偵
平均:6.50 / 書評数:16
1995年01月
解体諸因
平均:5.88 / 書評数:24