皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 法廷・リーガル ] エイレングラフ弁護士の事件簿 弁護士マーティン・H・エイレングラフ |
|||
---|---|---|---|
ローレンス・ブロック | 出版月: 2024年09月 | 平均: 8.00点 | 書評数: 1件 |
文藝春秋 2024年09月 |
No.1 | 8点 | 人並由真 | 2024/12/01 04:44 |
---|---|---|---|
(ネタバレなし)
・依頼人は絶対に無実である (無実の依頼人からしか依頼を受けない)。 ・ゆえに依頼人は絶対に無実の判決を勝ち取る。 この二条を鉄則とし、多額の報酬は常に依頼人が無罪を勝ち取った場合にのみ戴くことを約束する、成功報酬制を貫徹する弁護士マーティン・H・エイレングラフの事件簿。全12編。 どういう方向のシリーズなのか、いきなり第1話から強烈なインパクトで見せつける連作短編ミステリ集で、その背徳感いっぱいなブラックな味わいは、あの喪黒福造辺りに通じる。 午前中の病院の診察の待合中と、夕方のクラス会への往路&帰りの電車の車中であっという間にイッキ読みしてしまった。 これほど地の文を省略し、スタッカートなリズム風の会話の連続で綴られ、それが効果を上げた連作シリーズってそう無いんじゃないだろうか。 ローレンス・ブロックの短編作品はさほどまとめて読んだことがなかったこともあって、コレは存外に面白かった。 2024年の海外翻訳ミステリのなかで、ひそかなダークホースになるんでないの? |