海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 本格/新本格 ]
退職刑事1
都筑道夫 出版月: 1974年01月 平均: 6.70点 書評数: 10件

書評を見る | 採点するジャンル投票


徳間書店
1974年01月

徳間書店
1980年10月

東京創元社
2002年09月

No.10 7点 makomako 2020/07/04 07:04
 日本の安楽椅子探偵のはしりとなった作品ということですが、私は初めて読みました。
 発表年代を見ると私が学生時代の頃。内容は結構古臭いなあ。私の若い頃ってこんなにタバコ吸ったり、戦前の話が話題になったりしたのかなあとも思ったのですが、よく考えると中学時代にバスの中でおじさんたちが「中尉殿」なんて呼びながら話していたのですから、こんなものかもしれません。
 お話の内容はかなり理論的で骨組みがしっかり考えられている。作者が余計なものは削り落としたというが、結構色っぽいところはあってそれはそれでよろしい。
 何冊も出ているようだからもう少し読んでみましょう。

No.9 7点 青い車 2019/07/06 03:20
 安楽椅子探偵ものの代表格で、法月綸太郎&法月警視などの先輩ともいえるシリーズ。白眉は最初の『写真うつりのよい女』で、推理が飛躍するカタルシスと納得度を両立させており、シリーズの方向性を示した快作です。次点は『妻妾同居』『ジャケット背広スーツ』ですが、どの短編も親子のディスカッションのみで飽きずに読ませることに成功しています。短い分量ながら極めて密度の濃い短編集です。

No.8 6点 nukkam 2015/11/29 23:42
(ネタバレなしです) 短編ミステリーに定評ある作者ですがその中でも1973年より書かれた退職刑事シリーズは有名です。1975年出版の第一短編集には1973年から1975年にかけて発表された本格派推理小説のシリーズ短編7作が収められています。作者自身のコメントに拠れば、「ストーリーの起伏や遊びの要素を切り捨てた」作品なので時に味気なく感じられることもありますがどんでん返しが鮮やかに決まった作品もあり、「妻妾同居」や「狂い小町」などはその成功例だと思います。

No.7 4点 斎藤警部 2015/08/19 09:19
こういう、推理小説の形態を取りながらパズルの追及ばかり前面に出すのはどうも好みに合わない。 読んでて気分がカサカサ乾いて来る。 が、作者の稚気は素敵です。 何故か「2」にも手を出したくなっちゃう。何故だ。

No.6 7点 ボナンザ 2014/04/24 17:15
なめくじ長屋と並んで作者の本格作品を代表するもの。
どれも小粒ながら光る作品。

No.5 7点 まさむね 2012/08/22 23:12
 国内の安楽椅子探偵モノの嚆矢とも言える作品ですね。
 ロジックを積み重ねた上での,事実の反転ぶりがなんとも楽しかったですねぇ。まさに安楽椅子探偵モノの醍醐味ですな。
 ちなみに,個人的には前半4作品(写真うつりのよい女,妻妾同居,狂い小町,ジャケット背広スーツ)が粒揃いでオススメです。

No.4 7点 E-BANKER 2010/10/24 00:31
作者の代表的シリーズ第1集。
退職した元刑事の父親が息子(警視庁刑事)の話を聞くだけで事件を解決するという完全アームチェア・ディテクティブ物。
①「写真うつりのよい女」=”なぜ被害者が男物のパンツをはいて死んでいたか”という1つの謎。ここから見事なロジックが展開されます。
②「妻妾同居」=個人的には本作でベスト。これも逆転の発想ですよね。まさに「アッ!」と言わされました。
③「狂い小町」=見事なロジック。ちょっと強引かなぁ・・・とも思いますが。
④「ジャケット背広スーツ」=これも短編らしい切れ味。魅力的な謎。父親の推理というか想像力がスゴイですね。
⑤「昨日の敵」=②に通じるプロット。
⑥「理想的犯人像」=父親が語る「容疑者が犯人ではないというロジック」が見事。真犯人は結構強引に当て嵌めた感じ。(短編だし、しょうがないかな)
⑦「壜づめの密室」=面白いんですが、ボトルシップについてのくだりは動機がよく理解できませんでした。(そんなことするかな?)
以上、全7編。
どれも「さすが」というべき粒ぞろいの作品集でしょう。
本編以外にも、作者のあとがきや法月氏の解説も一読の価値十分です。

No.3 7点 kanamori 2010/06/28 17:40
「なめくじ長屋」と並ぶ著者の看板シリーズ全6冊中の第1弾。
国内の安楽椅子探偵ものの代表格の連作ミステリで、ロジック重視の姿勢は「三番館」シリーズなどと比べても突出しています。
「かつての硬骨の刑事が、いまや恍惚の刑事」という繰返し使われるフレーズがなつかしい。
奇抜な謎の割に真相を全く覚えていないのは、推理のプロセスのみ楽しむ作品ゆえでしょうね。

No.2 7点 2009/08/27 20:20
作者自身がマンネリであることを十分自覚して、安楽椅子探偵(実際には和室でこたつにあたってたりしますが)のパターンの中でさまざまな謎の提出と推理を披露してくれる連作短編集の第1集です。
『ジャケット背広スーツ』は作者自身が実際に目撃した出来事からどんなことが推理できるかということで、推理が完結しないうちにとりあえず書き始めて、何とかまとめてしまったものだそうです。推理を少しずつ積み重ねていくところは、ケメルマンの名作『九マイルは遠すぎる』をも思わせるようなところもあります(さすがにそれほど込み入ってはいませんが)。
これも実際の事件をモデルに鮮やかな解決をつけた『写真うつりのよい女』もよくできています。中には設定が無理やりだなあと思える作品もありますが、トリックよりロジック中心の7編、なかなか楽しめます。

No.1 8点 VOLKS 2009/01/25 20:18
すごいなー、この退職刑事・・・と、いうのが素直な感想。
どれもとても面白いが、短編なので1話1話の印象が薄いことが残念。


キーワードから探す
都筑道夫
2013年08月
女泣川ものがたり
1998年03月
死体置場の舞踏会
平均:5.00 / 書評数:1
1997年09月
さかしま砂絵
平均:5.00 / 書評数:1
1996年01月
退職刑事6
平均:5.00 / 書評数:1
1991年07月
探偵は眠らない
平均:6.00 / 書評数:1
1990年10月
南部殺し唄
平均:5.00 / 書評数:1
1990年01月
退職刑事5
平均:3.33 / 書評数:3
1989年09月
前後不覚殺人事件
平均:4.00 / 書評数:1
1988年10月
まだ死んでいる
新 顎十郎捕物帳2
平均:6.00 / 書評数:1
1988年09月
血のスープ
1987年09月
髑髏島殺人事件
平均:5.00 / 書評数:1
1987年04月
毎日が13日の金曜日
平均:5.00 / 書評数:1
1987年02月
いなずま砂絵
平均:4.00 / 書評数:1
1986年12月
泡姫シルビアの探偵あそび
平均:4.00 / 書評数:1
1986年11月
泡姫シルビアの華麗な推理
平均:5.00 / 書評数:1
1986年09月
退職刑事4
平均:4.20 / 書評数:5
1986年08月
殺人現場へ二十八歩
平均:5.00 / 書評数:2
1986年02月
ロスト・エンジェル・シティ
平均:5.00 / 書評数:1
ときめき砂絵
平均:4.00 / 書評数:1
1985年08月
幽鬼伝
平均:6.00 / 書評数:1
1984年10月
捕物帳もどき
平均:6.00 / 書評数:1
1984年05月
新 顎十郎捕物帳
平均:6.00 / 書評数:2
1984年04月
神変武甲伝奇
1984年01月
おもしろ砂絵
平均:5.00 / 書評数:1
1983年07月
キリオン・スレイの敗北と逆襲
平均:4.00 / 書評数:2
1983年05月
暗殺心
平均:6.00 / 書評数:1
1982年12月
まぼろし砂絵
平均:5.00 / 書評数:1
1982年09月
退職刑事3
平均:6.50 / 書評数:4
1981年10月
かげろう砂絵
平均:5.00 / 書評数:1
1981年06月
苦くて甘い心臓
平均:6.00 / 書評数:1
1981年05月
ダウンタウンの通り雨
平均:5.00 / 書評数:1
1981年03月
退職刑事2
平均:6.40 / 書評数:5
1981年01月
銀河盗賊ビリイ・アレグロ
1980年10月
きまぐれ砂絵
平均:5.00 / 書評数:1
1980年09月
七十五羽の烏
平均:6.09 / 書評数:11
1980年08月
夢幻地獄四十八景
平均:5.00 / 書評数:1
名探偵もどき
平均:5.00 / 書評数:2
1980年02月
梅暦なめくじ念仏
平均:6.00 / 書評数:1
1979年07月
脅迫者によろしく
平均:6.00 / 書評数:1
1979年06月
妄想名探偵
平均:6.00 / 書評数:1
1979年04月
未来警察殺人課
平均:6.00 / 書評数:1
1979年01月
翔び去りしものの伝説
平均:5.00 / 書評数:1
1978年12月
東京夢幻図絵
1978年10月
キリオン・スレイの再訪と直感
平均:6.00 / 書評数:1
1978年09月
あやかし砂絵
平均:6.00 / 書評数:3
からくり砂絵
平均:6.75 / 書評数:4
1978年08月
くわえ煙草で死にたい
平均:6.00 / 書評数:1
血みどろ砂絵
平均:7.50 / 書評数:8
1978年03月
全戸冷暖房バス死体つき
平均:5.00 / 書評数:1
1977年12月
朱漆の壁に血がしたたる
平均:6.00 / 書評数:3
1977年10月
キリオン・スレイの復活と死
平均:5.50 / 書評数:2
1977年01月
雪崩連太郎幻視行
平均:7.50 / 書評数:2
1976年06月
悪魔はあくまで悪魔である
平均:6.00 / 書評数:1
1975年11月
蜃気楼博士
平均:6.00 / 書評数:3
1975年01月
酔いどれひとり街を行く
平均:7.00 / 書評数:1
西洋骨牌探偵術
平均:6.00 / 書評数:1
怪奇小説という題名の怪奇小説
平均:6.00 / 書評数:1
1974年01月
宇宙大密室
平均:5.50 / 書評数:2
退職刑事1
平均:6.70 / 書評数:10
1973年01月
あなたも人が殺せる
平均:5.00 / 書評数:1
最長不倒距離
平均:5.43 / 書評数:7
1972年01月
キリオン・スレイの生活と推理
平均:5.67 / 書評数:6
1970年07月
くらやみ砂絵
平均:6.67 / 書評数:6
1968年01月
吸血鬼飼育法
平均:5.00 / 書評数:2
魔海風雲録
平均:6.00 / 書評数:1
1967年01月
暗殺教程
平均:6.00 / 書評数:2
1964年01月
三重露出
平均:5.20 / 書評数:5
1963年01月
悪意銀行
平均:5.00 / 書評数:2
1962年01月
紙の罠
平均:5.67 / 書評数:3
なめくじに聞いてみろ
平均:7.17 / 書評数:6
誘拐作戦
平均:6.75 / 書評数:4
1961年01月
やぶにらみの時計
平均:5.00 / 書評数:6
猫の舌に釘をうて
平均:6.33 / 書評数:9
不明
都筑道夫自選傑作短篇集