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[ 本格/新本格 ]
退職刑事3
都筑道夫 出版月: 1982年09月 平均: 6.50点 書評数: 4件

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徳間書店
1982年09月

東京創元社
2003年01月

No.4 5点 nukkam 2021/03/24 20:55
(ネタバレなしです) 1978年から1982年にかけて発表された退職刑事シリーズの7作の本格派推理小説を収めて1982年に出版された第3短編集です。前半の4作品が楽しめました。現代では珍しくなったガラス張りの電話ボックスの中でガラスに傷も穴もないのに射殺された死体、人形に殺されたかのような死体、殺人犯人は自白して事件は解決したはずなのに被害者の顔に仮面をかぶせたのは誰、死後に歩き回ったとしか思えない死体と、トリックはそれほどのインパクトはありませんが魅力的な謎と論理的推理による解決を堪能できました。しかし後半の3作品は論理的推理とは相性の悪そうなダイイング・メッセージ系です。「乾いた死体」で「ひとつの解釈をしてみただけなんだ」と言い訳させてますが、唯一の真相だという説得力がありません。しかし作者はこの種の謎解きに挑戦意欲が湧いたのでしょうか、第4短編集の「退職刑事4」(別題「退職刑事健在なり」)(1986年)ではメッセージの謎解き路線を更に推し進めることになります。

No.3 7点 E-BANKER 2011/02/25 23:11
国産の安楽椅子型探偵シリーズ第3弾。
相変わらず親父(元刑事)の鋭いロジックが決まってます。
①「大魔術の死体」=電話ボックス内で射殺されたのに、ガラスに銃弾の跡が全くないという謎。まぁ、これしかないという解決。お手本のようなミステリー。
②「仮面の死体」=死体がなぜ般若の面をかぶっていたかという謎。これも「見せ方」が老練。
③「人形の死体」=殺された人形家の作品(人形)までもが殺される(壊される)という謎。ダミーの容疑者が多いので騙されやすい。
④「散歩する死体」=殺されたはずの男が散歩する姿を見られたという謎。結構無理やり感のある真相。
⑤「乾いた死体」=ダイイング・メッセージもの。「雨さえ降っていればなぁー」と言い残して死んだ男の謎。真相は小粒。
⑥「筆まめな死体」=これはちょっと変わった「ダイイング・メッセージ」或いは「暗号」もの。推理クイズのようで面白い。
⑦「料金不足の死体」=これもダイイング・メッセージもの。死体の額になぜか切手が貼られている謎。死ぬ前にこんなこと考えますかねぇ?
以上、7編。
タイトルはすべて「・・・の死体」となっていて、ダイイング・メッセージものが3編連続で続いてます。現実性というよりは、パズル的な面白さを追求した作品集という位置づけでしょう。
まぁ、これはこれで面白いし、ありだと思います。ロジックをこね回しているだけという感想がなくもないですが・・・
(個人的ベストは①。④はちょっと分かりにくいけど、発想そのものは奇抜で面白い)

No.2 6点 kanamori 2010/06/28 18:08
安楽椅子探偵シリーズの第3弾。
この設定からマンネリは当初から作者も自覚的なものなので、読む方も心地よいマンネリ感に浸って読むのが正解です。
7編ともタイトルが「・・・死体」で統一されているのは海渡英祐の吉田警部補シリーズを連想してしまう。
「大魔術の死体」は珍しく正統派の不可能犯罪もので印象に残りました。

No.1 8点 VOLKS 2009/01/25 20:25
第三弾にして、はじめてタイトルに統一性のある短編集となっている。
快刀乱麻の腕をふるう定年退職刑事に惚れ惚れ。


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都筑道夫
2013年08月
女泣川ものがたり
1998年03月
死体置場の舞踏会
平均:5.00 / 書評数:1
1997年09月
さかしま砂絵
平均:5.00 / 書評数:1
1996年01月
退職刑事6
平均:5.00 / 書評数:1
1991年07月
探偵は眠らない
平均:6.00 / 書評数:1
1990年10月
南部殺し唄
平均:5.00 / 書評数:1
1990年01月
退職刑事5
平均:3.33 / 書評数:3
1989年09月
前後不覚殺人事件
平均:4.00 / 書評数:1
1988年10月
まだ死んでいる
新 顎十郎捕物帳2
平均:6.00 / 書評数:1
1988年09月
血のスープ
1987年09月
髑髏島殺人事件
平均:5.00 / 書評数:1
1987年04月
毎日が13日の金曜日
平均:5.00 / 書評数:1
1987年02月
いなずま砂絵
平均:4.00 / 書評数:1
1986年12月
泡姫シルビアの探偵あそび
平均:4.00 / 書評数:1
1986年11月
泡姫シルビアの華麗な推理
平均:5.00 / 書評数:1
1986年09月
退職刑事4
平均:4.20 / 書評数:5
1986年08月
殺人現場へ二十八歩
平均:5.00 / 書評数:2
1986年02月
ロスト・エンジェル・シティ
平均:5.00 / 書評数:1
ときめき砂絵
平均:4.00 / 書評数:1
1985年08月
幽鬼伝
平均:6.00 / 書評数:1
1984年10月
捕物帳もどき
平均:6.00 / 書評数:1
1984年05月
新 顎十郎捕物帳
平均:6.00 / 書評数:2
1984年04月
神変武甲伝奇
1984年01月
おもしろ砂絵
平均:5.00 / 書評数:1
1983年07月
キリオン・スレイの敗北と逆襲
平均:4.00 / 書評数:2
1983年05月
暗殺心
平均:6.00 / 書評数:1
1982年12月
まぼろし砂絵
平均:5.00 / 書評数:1
1982年09月
退職刑事3
平均:6.50 / 書評数:4
1981年10月
かげろう砂絵
平均:5.00 / 書評数:1
1981年06月
苦くて甘い心臓
平均:6.00 / 書評数:1
1981年05月
ダウンタウンの通り雨
平均:5.00 / 書評数:1
1981年03月
退職刑事2
平均:6.40 / 書評数:5
1981年01月
銀河盗賊ビリイ・アレグロ
1980年10月
きまぐれ砂絵
平均:5.00 / 書評数:1
1980年09月
七十五羽の烏
平均:6.09 / 書評数:11
1980年08月
夢幻地獄四十八景
平均:5.00 / 書評数:1
名探偵もどき
平均:5.00 / 書評数:2
1980年02月
梅暦なめくじ念仏
平均:6.00 / 書評数:1
1979年07月
脅迫者によろしく
平均:6.00 / 書評数:1
1979年06月
妄想名探偵
平均:6.00 / 書評数:1
1979年04月
未来警察殺人課
平均:6.00 / 書評数:1
1979年01月
翔び去りしものの伝説
平均:5.00 / 書評数:1
1978年12月
東京夢幻図絵
1978年10月
キリオン・スレイの再訪と直感
平均:6.00 / 書評数:1
1978年09月
あやかし砂絵
平均:6.00 / 書評数:3
からくり砂絵
平均:6.75 / 書評数:4
1978年08月
くわえ煙草で死にたい
平均:6.00 / 書評数:1
血みどろ砂絵
平均:7.50 / 書評数:8
1978年03月
全戸冷暖房バス死体つき
平均:5.00 / 書評数:1
1977年12月
朱漆の壁に血がしたたる
平均:6.00 / 書評数:3
1977年10月
キリオン・スレイの復活と死
平均:5.50 / 書評数:2
1977年01月
雪崩連太郎幻視行
平均:7.50 / 書評数:2
1976年06月
悪魔はあくまで悪魔である
平均:6.00 / 書評数:1
1975年11月
蜃気楼博士
平均:6.00 / 書評数:3
1975年01月
酔いどれひとり街を行く
平均:7.00 / 書評数:1
西洋骨牌探偵術
平均:6.00 / 書評数:1
怪奇小説という題名の怪奇小説
平均:6.00 / 書評数:1
1974年01月
宇宙大密室
平均:5.50 / 書評数:2
退職刑事1
平均:6.70 / 書評数:10
1973年01月
あなたも人が殺せる
平均:5.00 / 書評数:1
最長不倒距離
平均:5.43 / 書評数:7
1972年01月
キリオン・スレイの生活と推理
平均:5.67 / 書評数:6
1970年07月
くらやみ砂絵
平均:6.67 / 書評数:6
1968年01月
吸血鬼飼育法
平均:5.00 / 書評数:2
魔海風雲録
平均:6.00 / 書評数:1
1967年01月
暗殺教程
平均:6.00 / 書評数:2
1964年01月
三重露出
平均:5.20 / 書評数:5
1963年01月
悪意銀行
平均:5.00 / 書評数:2
1962年01月
紙の罠
平均:5.67 / 書評数:3
なめくじに聞いてみろ
平均:7.17 / 書評数:6
誘拐作戦
平均:6.75 / 書評数:4
1961年01月
やぶにらみの時計
平均:5.00 / 書評数:6
猫の舌に釘をうて
平均:6.33 / 書評数:9
不明
都筑道夫自選傑作短篇集