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[ 時代・捕物帳/歴史ミステリ ]
あやかし砂絵
なめくじ長屋捕物さわぎ
都筑道夫 出版月: 1978年09月 平均: 6.00点 書評数: 3件

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桃源社
1978年09月

角川書店
1982年06月

光文社
1996年07月

光文社
2010年11月

No.3 6点 レッドキング 2022/05/30 19:36
江戸異形者ミステリ(魅筋点理!)、シリーズ第四弾。
・「張形心中」 江戸のエロ秘具に絡めた偽装心中。殺しの顛末や如何に・・判じ絵解き付き。3点
・「夜鷹ころし」 連続夜鷹殺人・・江戸の切り裂きジャック・・事件の「環」や如何に・・犯人消失付き。7点 
・「不動の滝」 密室状態の寺の滝壺から消失した商家の内儀。事件の顛末や如何に・・7点 
・「首提灯」 別々に棄てられた首と胴。遊び人殺しのホワット顛末や如何に・・6点
・「人食い屏風」 自作の虎画に「喰い殺され」た二人の絵師。見せかけたのは誰? それは、何のために・・6点
・「寝小便小町」 夜の小舟で殺された枕探し女と、餌食の道楽息子。事件顛末は・・犯人消失付き。6点
・「あぶな絵もどき」 江戸の醜聞紙バラマキ事件と容疑者殺しの顛末は・・5点
(3+7+7+6+6+6+5)÷7=5.7142…、で、全体で6点。

No.2 5点 2020/08/06 08:45
 なめくじ長屋捕物さわぎシリーズ第四集。こちらの並びも変則で、発表順に 不動の滝/人食い屏風/張形心中/夜鷹ころし/寝小便小町/あぶな絵もどき/首提灯 となる。掲載誌は「別冊小説現代」「小説推理」および桃園書房の「小説CLUB(半村良『妖星伝』の連載時期とも重なる)」。隔月で二篇書いた後、次の「張形心中」まで半年ほどの間が空き、それからまた安定してきている。
 雑誌「幻影城」掲載の「首提灯」で二年余り飛ぶのを除けば、期間は昭和四十八(1973)年六月から昭和四十九(1974)年十月にかけて、『にぎやかな悪霊たち』を始めとする雪崩連太郎全集や、千葉順一郎名義で『猫の目が変わるように』などを執筆していた頃になる。なお、出来は滝行でずぶ濡れの人間消失を扱った「不動の滝」と「人食い屏風」が良い。
 自分で描いた虎の絵に、二人の絵師がそれぞれ啖い殺される謎を扱う「人食い屏風」が頭一つ抜けているが、他はいずれも微妙。「張形心中」「寝小便小町」などは人情系のオチ。「夜鷹ころし」も事件が派手な割にはパッとしない。娘たちのゴシップ文をばら撒いていた道楽者が殺される「あぶな絵もどき」で多少盛り返すものの、シリーズもここまでくると発端はともかく、ミステリ的な結末部分はかなり落ちてきている。「人食い~」で絵師の心理からくるハウダニットや、絵に携わる者としてのセンセー独自の推察や見識が語られるのが、やや救いか。

No.1 7点 kanamori 2010/05/11 21:44
なめくじ長屋捕物さわぎシリーズ第4弾。
発端の不可解な謎の提示は、過去のシリーズ同様に魅力的ですが、解釈にやや捻りが不足するものが目立つように思いました。
なかでは、絵に描いた虎が人を喰い殺す「人喰い屏風」が謎の突飛な所がずば抜けています。動機の隠蔽もなかなかでホワイダニットの秀作だと思います。


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都筑道夫
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