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[ 本格 ]
Xの悲劇
悲劇四部作
エラリイ・クイーン 出版月: 1958年10月 平均: 8.02点 書評数: 56件

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早川書房
1958年10月

新潮社
1958年11月

東京創元社
1960年01月

東京創元社
1960年02月

早川書房
1988年05月

KADOKAWA
2009年01月

グーテンベルク21
2012年12月

東京創元社
2019年04月

No.56 10点 愚か者 2024/09/19 13:15
無差別殺人と思われる連続殺人に、動機の見えない殺人に、手掛かりの少ない状況にドルリー・レーンが推理を披露すると真相が浮かび上がる。
もう完璧。クイーンで最も好き。文句なしの5点満点。

10点満点で採点し直しました。5点→10点

No.55 4点 hsiyehmeipo 2024/05/04 07:47
ネタバレあり


トロリーの車掌と、船乗り場の犯人と、電車の車掌が同一人物である必要はあるのでしょうか…?短編三つとかだとサクサク読めてよかった気がします。

登場人物がみんなビジネスマンで登場人物が誰が誰だかわからなくなってしまう。

ドロリーレーンの秘密主義のせいで第二第三の被害者が出てくるのもモヤモヤするし、よくわからないドロリーレーンの屋敷の説明が長すぎてテンポもよくなかった。

親指のかさぶたの件は面白かったが、
コルクを扱うには手袋必要→捨てるタイミングが合った車掌が犯人
左手にダイイングメッセージ→右手は切符→切符をもぎる車掌が犯人
はちょっとインパクトが弱いように感じた。

Yの悲劇とともに名作と聞いていただけに残念。

No.54 5点 みりん 2023/03/05 23:25
展開の冗長さが気になり、Yの悲劇の方が好みかなあ

No.53 7点 ALFA 2023/01/26 18:50
半世紀ぶりに再読。
初読のときと同様に精緻なロジックを楽しめたが、新たな印象も…

印象その1 路面電車やフェリーなど、ニューヨークの街の雰囲気が活写されていて楽しい。以前はプロットを追うのに必死でそんな雰囲気を味わう余裕はなかったのだろう。

印象その2 さっそうとした名探偵だったはずのドルリー・レーンが、今回はすっかりもったいぶった嫌味なジジイになってしまった。いやこれはもちろん当方が変わったのであって、おそらくは年齢的同類嫌悪なんだろうな。とにかくあまりお近づきにはなりたくない人物像になった。ハムレット荘もなんだかキッチュで芝居の書割みたいな印象に。生き生きとした街の雰囲気とはアンマッチ。

印象その3 スレッカラシ読者となった今では、ロジックの精緻さだけでは満足できない。名探偵ならぬ名犯人が欲しいところだが、この犯人では物足りない。明かされた段階では、「ダレやそれ?」的。過去の因縁話が明かされてもリアルタイムでの犯人の存在感は薄すぎ。因縁話そのものもホームズ以来使い倒されてすっかり手垢がついてしまっているし。

とまあ、むしろ当方の経年変化を実感する再読となった。50年前なら10点満点にしたところだが。

No.52 9点 じきる 2021/04/19 14:38
やや中弛みする部分はあったが、緻密なプロット・ロジックと意外性のある犯人は流石名作といったところか。

No.51 8点 人並由真 2021/01/03 07:12
(ネタバレなし)
 評者の<こんなものもまだ(マトモに)読んでませんでした>シリーズのひとつ。それも最高クラスの大物の内の一本(笑&汗)。
 そもそも評者の場合、少年時代に近所の新刊書店で、当時売れ残っていたらしい山村正夫のミステリクイズ本『ぼくらの探偵大学』(朝日ソノラマ)を購入。その中で<名作ミステリダイジェスト問題>のひとつとして本作冒頭の殺人の謎が扱われ、大ネタは早くから知っていたのだった。
 結局、くだんの書籍『ぼくらの~』は当時、何十回読み返したかわからないくらい愛読したが、当然ながら本作『X』の犯人は完全にバラされてしまう。それで自然と『X』実作への興味が薄くなったコドモは、そのまま『X』を未読のままウン十年、今のジジイになったわけだった(笑)。
(しかし思えば「悲劇四部作」って『Y』以外、全部、前もってネタバレ食らっていたな~(涙)。なかでも『レーン最後の事件』なんか、中島河太郎のとある文章での暗示だけで、十分に作品の狙いに気がついてしまった)。

 それで一昨日、また自重で本の雪崩を起こした蔵書の山(汗)を積み直していたら、だいぶ前に購入したままだったHM文庫版を発見。それで、あーいい機会だからそろそろ読むか、とページをめくり始めた。そんな流れであった。

 しかし一日かけて読んでみると、犯人がわかっていても、いやわかっているからこそ「あれ?」という感じで楽しめる。
 なにせ途中のミスリードにもスナオに乗っかって、それじゃあ……と、あらぬ方向に頭が動いてしまった(まあこの辺は、あんまり詳しく書けないが)。

 正直、中盤はレーンの強烈なキャラ立てに筆を費やしすぎた感が強く、それゆえやや退屈。しかし第二の事件以降の加速感は、相当に痛快であった。物語後半の流れも前もって聞き及んではいたが、それでもとにもかくにも最後の犯人判明の瞬間にはスリルで体が震える(ただしHM文庫版の宇野訳の叙述は、まだまだ工夫の余地があるような……。続々と出ている昨今の新訳ではこちらの意識した箇所がどうなっているか、ちょっと気になる。)
 終盤の推理ロジックの量感には圧倒。その緻密さよりも、全体に論理の目の付け所の妙で、心に響いた。
 
 あえて本作の弱点をあげれば、tider-tigerさんが<ネタバレ注意>の枠内で指摘されている件かな。自分なんか前述のとおり前もって犯人がわかっているだけに「あれ? その件の追求はそこまで?」と、いささか腑に落ちなかった。
 



【以下、一件だけ犯人やトリックとは別に、ネタバレ?】


 
 ……結局、ジーンって、ドウィットが修道院から引き取って養女にした、ストーブスの実の娘なんだよね?(肌の色とかが伏線なんだろうし。)
 なんでそのことを明確に書かない、あるいは事実の暗示を、レーンやサム&ブルーノの視点でしなかったんだろ? いや、クイーンがわざと明言を避けたというのなら『Y』のラストみたいにもうちょっと意味ありげな演出をすると思うんだ。

No.50 10点 Kingscorss 2020/09/17 10:23
古典にしてミステリー史上最高傑作の一つ。とにかく完成度がすばらしい。プロット、トリック、演出が非の打ち所のない出来で、ダイイングメッセージやどんでん返し等の意外性、エンターテイメント性も優れており、納得の高評価。多くは語らないので未読の人は是非是非読んでみて下さい!エラリー・クイーンのファンになります。

ちなみによくYの悲劇と比べられますが、個人的には断然こちらの方が面白かったです。

No.49 10点 ◇・・ 2020/06/06 20:16
第一の犯行現場も、続いて起こる惨劇の舞台もすべて公共交通機関という乗り物尽くしで、いったんは不特定多数の人間が容疑者となる。そこからたった一人の人物を突き止めるというスタイルをクイーンは完成させた。
またダイイング・メッセージはクイーンの十八番である。判じ物みたいなものだから、ロジカルに解読できるものではないし、間違っても犯人指摘の決め手にしてはならない。よってスマートで節度ある使い方が求められるのだが、本作においては上々の出来上がりだろう。
またこの作品で展開されるレーンの推理は、溜息が出るほどで、「こうだったとも考えられるではないか」という反論の余地がなく真相の意外性も十分。

No.48 10点 ことは 2019/01/31 18:35
小5のときに、初めて読んだ大人向けの本。
そのときはなんとか読みおえるのが精一杯。読めたことに満足していただけでした。
その後、中1で読み直したとき(ほとんど忘れていたこともあって)、舞台裏解説で、今まで見えていた風景がパタパタと変わっていくことに、とても興奮したものです。
あのときの快感を求めて、今もミステリを読んでいる感じなので、文句なく10点で。

No.47 7点 虫暮部 2018/12/03 14:30
 もう殺人は起こりません、とレーン氏が言ったけど、ウルグアイ領事館訪問より前だし、根拠は何も無いよね。また、死体が上手く潰れるかどうかは確実性に欠けるのでは。全体的にレーン氏のスタンスが中途半端でいたずらに事件を引き伸ばした印象を受ける。まぁ有名作が粗探しの対象になるのは宿命ってことで。

No.46 7点 レッドキング 2018/09/14 13:21
見どころは三点
第一幕で 「凶器それ自体」が「密室」=「使用不可能性」を演じていること
第二幕での「法廷ミステリ」の逆転劇と犯行不可能ロジックの展開 (まあ小柄な人物が 利き腕でない片腕では巨漢は投げられない とは絶対には言えない というツッコミはおいといて)
第三幕での動機解明・・・ホームズ長編物の匂いのする「過去因縁ロマン」の展開

はるか昔 まだ十代のころ 知りもしないくせに「本格もの」は「グリーン家」がその標準を形作り「Yの悲劇」がそれを乗り越え その後はないなんて思いこんでた その後「Y」より「X」のが上だという評価聞いても シェイクスピア最高作は「リア王」でなく「テンペスト」だとか 「カラマーゾフ」と並ぶのは「罪と罰」でなく「白痴」だとか はたまた「ホワイトアルバム」こそがビートルズ最高作だとかいった類の小賢しいマウント言説の一つだろうと感じていた 
でも あらためて読み返すと こんな面白い話だったんだな「Xの悲劇」 

No.45 8点 クリスティ再読 2018/03/11 21:59
今更言うのは本当に気が引けるくらいのものなのだが、本作は面白い。今回ほぼ半日でツルツルと読んでしまった。本作の面白さというのは、モダン都市の面白さであって、市電、渡し船、汽車と交通機関を殺人の舞台としたスピード感を感じさせる舞台設定の妙、都市の交響楽としての都市小説の良さである。
国名だって「オランダ靴」や「エジプト十字架」が、ブルジョア家庭の相克みたいな要素がまったくなくて、クリアな面白さがあったのと、本作は似ている。日本のファンは妙にブルジョア家庭の悲劇ベースの家モノが好きなんだけど、実はそういう要素は、クイーンの中でも退嬰的な部分であって、本当のいい部分はこういう都市小説の良さなのだと思うなぁ。(そういう意味だと後期で都市小説にちゃんと取り組んだのが「九尾の猫」くらいしかない...これは残念なことかも)
評者前から言ってることだが、ドルリー・レーンというキャラは嫌いだ。特に本作とは、合ってない。エラリイでもよかったのでは? まあ評者のレーン嫌いは、どうもキャラとして大げさで、アメリカ人の文化コンプレックスが凝ってできたようなキャラだから..というあたりから。ハムレット荘って「ドルリーランド」だな。
うんこれでクイーン真作長編はコンプ。「新冒険」は絶対やるけど、「恐怖の研究」とか「間違いの悲劇」は気が向いたら、くらいにしたい。あそれでも「国際事件簿」はしたいなあ。

No.44 8点 立野匡人 2017/09/20 21:48
はっきり言ってロジックを主とする推理小説のお手本だと思います!
海外ミステリが苦手な人にしてみれば真相にたどり着くまでが長く単調だと感じるかもしれませんが、最後に一点の無駄もなく謎が解きほぐされる快感を味わうための課題だと思って根気強く読んでください。で、その驚くべき事件の真相と素晴らしい論理に驚嘆し心から打ち震えてください!

No.43 8点 メルカトル 2016/09/23 22:06
再読です。
遠い昔、途中まで読んだが「犯人を知っていた」ため頓挫して、そのまま放置されていた一冊。このたび、ふと思い立って再読しようと決意するに至った。結果、名作の名に恥じぬ面白さで最後まで飽きることなく読めた。久しぶりにページを捲ってみて本当によかったと思えた次第である。
第一の殺人の思いもよらぬ凶器から始まり、捜査陣の心理状態やレーンの鮮やかな行動、第二第三と続く殺人など過不足なく描かれており、ラストの謎解きではまさにレーンの鋭すぎる推理が炸裂する。俯瞰的に見てもよくまとまっており、バーナビー・ロス名義でのデビュー作として、また悲劇四部作の第一作として十分に評価できる作品だと思う。
ただ、真犯人の正体がなぜ誰にも気づかれなかったのか、容疑者があまりに個性がなさすぎるなどの点が気になりはしたが。

No.42 9点 ボンボン 2016/07/16 18:59
素晴らしかった。すべての事象を検証して、図表に起こしてみたくなる。究極に整理整頓された論理的思考というものをここまで気持ちよく堪能させていただけるとは。
前半は、ドルリー・レーンという人が強烈すぎて、どう捉えたらいいのか、馴染むのに時間がかかった。しかし、裁判のシーンで興奮し、ブルーノ検事とサム警視のおじさんコンビ同様、レーンを信頼するに至り、以降は怒涛の推理に目を丸くしたままラストまでばく進。
全体の盛りだくさんの事件性も良いのだが、特に、奇をてらうことなく、嘘のように些細な日常的小事を確実に動かせない証拠に変えてしまう部分に魅せられる。
また、ヘンな言い方だが、犯人の光る力量と粘り強い努力がある種感動を呼んでしまう。
これまで読書してきて、最後に事件が落ち着いてからの種明かしの場面(二時間ドラマでいう崖の上)がある場合、大概はただの「説明」になってしまい、それが不自然でなく、わくわくと面白い、ということは少ないと思っている。ところが、本作では、もろにそれが行なわれるのに、最後まで実に見事だった。格が違う。

No.41 7点 いいちこ 2016/05/06 18:48
些細な物的証拠から真相解明に至る、緻密で堅実なロジックが光っており、とりわけ第三の犯行における真相解明のプロセスは評価に値する。
一方、第一の犯行において、個性的すぎる凶器の特性から容易に犯人が特定し得るにもかかわらず、その点に警察が気付かなかったとするのは大いに疑問で、本作の数少ない瑕疵と言えよう。
ただ、新本格を渉猟してきた立場からすれば、プロット全体や個々の仕掛けにやや地味な印象を受けるのは否めない

No.40 10点 青い車 2016/01/20 20:59
 一言で言ってパズラーのひとつの理想形である小説だと思います。第一、第二、第三すべての殺人に鮮やかな推理が用意されており、犯人が判明するさいの劇的な演出、タイトルの意味が明らかになる幕切れと見どころが満載で、純粋な謎解き興味だけで読ませるのは驚異的です。『Y』と並びクイーンに心酔するに至った思い出深い作品。
 余談ですが、第一の事件のロジックはあの推理漫画の短篇でも応用されていました(絶対に原作者は本作が念頭にあったはず)。それだけシンプルかつ魅力的な推理なのだと思います。

No.39 7点 tider-tiger 2015/11/30 21:17
エラリィ・クイーンは大昔に数冊読んで、それらの内容をあまり憶えていないというか、なにを読んだのかも憶えていないありさまでした。
このサイトでいろいろ情報収集させて頂いておりますが、やはり、クイーンはきちんと読んでおかなければとXを購入。
あまり私好みの小説ではありませんでしたが、評価されていることには納得です。
レーンが他の可能性を一つずつ潰していって、真犯人に到達する過程は非常に面白かった。ある種の快感でした。
私の採点ではミステリとしては8点。小説としては5、6点くらい。
みなさんの書評を見て興味の湧いた作品もありますし(災厄の町とか面白そう)、今後はY、Z、最後の事件と読み進めてみようかと考えております。
最後に一つ。とても大きな瑕疵だと思ったものを指摘させて下さい。
(もしかして読み間違え、読み落としをしてるのか?)



以下、少しネタバレです

最初の殺人が起きてからずっと凶器のことが気になっていました。ドルリー・レーンが手袋とかなんとか言うだけで、誰もそのことについてはっきり言及しないのでどうなってんだと思っていたら、最後の方でレーンがおもむろにそれを指摘。なんと警部も検事もそれを聞いて感心しています。正直、ズコーッとなりました。これはちょっと考えにくい。
凶器を文字でしか見ていない読者が気に留めずに流してしまうのはまあ仕方がない。実感がないわけですから。
ですが、作中の警察関係者は目の前で禍々しい凶器そのものを見ているんですよ。どうやってこれを持ち運んだ? どうやって被害者のポケットに入れた? そうした疑問が湧かないはずはない。これだけはちょっと許せませんでした。

No.38 6点 mini 2015/11/25 09:54
先日に原書房からクイーン「摩天楼のクローズドサークル」が刊行された、ええ!そんな未訳作があったっけ?という方も居られるかもだが、少し前に同じ原書房から出た「チェスプレイヤーの密室」と同様、”クイーン外典コレクション”の一環で今回は第2弾である
クイーンが晩年に合作の片割れリーの監修の元、ペイパーバックオリジナルを一応クイーン名義で大量発行した事は特にクイーンファンでなくとも概要は御存知と思う、何故そんな事をしたのかはリー不調説とか謎めいているが
しかしその殆どは紹介されず、ラジオドラマまで訳されている割には数少ない残った未訳分野である
その理由は?、もちろんクイーン本人ではなくその全てが代作者の手によるというのが嫌われたのだろう、ラジオドラマでも基本クイーン本人が創作しているのもあるみたいだからね
大体クイーンのような作風を理想と崇め特別に好むような読者ってのはさ、ハードボイルドなどは全然読みませんってタイプの読者ばかりなんだろうしさ
代作者の顔触れは今日殆ど判明しているが、全体としてSF作家とハードボイルド作家が多い印象である
例えば「チェスプレイヤーの密室」の代作者はSF作家ジャック・ヴァンス、そして今回出た「摩天楼のクローズドサークル」の代作者はハードボイルド作家リチャード・デミングだ
第3弾として予定されている「熱く冷たいアリバイ」の代作者フレッチャー・フローラは知られていないが、雑誌掲載短編として断片的にかなり翻訳されており、『ヒチコック・マガジン』や『マンハント』誌に短編を大量寄稿していた情報からするとやはりハードボイルド系の作家じゃないかな
ただし、”クイーン外典コレクション”という企画は、ペイパーバックオリジナルの中から本格派として評価出来るものだけを厳選したものである

「摩天楼のクローズドサークル」の代作者リチャード・デミングは、『マンハント』誌を本拠にした典型的な通俗ハードボイルド作家で、良い意味でその通俗っぽさが魅力だ
今読めるのはポケミスの『クランシー・ロス無頼控』位だが、今年がデミング生誕100周年に当たるので私も当サイトに書評書いたので御参考までに、この短編集メチャ面白いので是非皆様読んで欲しいものである

え!「Xの悲劇」の書評は?って、そんなんどうでもええわい、リチャード・デミング『クランシー・ロス無頼控』の宣伝の方がメインで・・・、てなわけにもいかんか、少し書くか(苦笑)
「Y」と比べての「X」の方が私は好き、何故なら理由は大きく2つ有る
1つ目はまず舞台設定
いわゆる”館もの”という舞台設定が大嫌いな私の性分からすると、「X」の公共交通機関にこだわった舞台設定の方が性に合うのである
2つ目は犯人設定
「Y」がいわゆる”属性”一本やりで、あとはいかにその属性である事が不自然でないかを多角的に側面補強しただけなので基本は案外と底が浅いのに対して、「X」では”属性”と”プロットによるミスリード”との両面作戦できている、これはミステリー的には「X」の方が優れているんじゃないかなぁ

No.37 10点 ロマン 2015/10/20 11:43
電車の中で殺人事件が起きる。その中でドルリー・レーンは犯人を予想するもそれを明らかにしない。その後更なる事件が起きて、一人の人物が疑われる。  物語の節の一つ一つに日付と時間が書かれていて、舞台の把握と時間の流れが丁寧に読み取りやすくなっている。  レーンが最後に犯人を指名する場面は驚いた。なぜなら、物語が進んでいく中で犯人というのは舞台からは予想つかないような人物であるのに、実際には意外なところにいたからである。


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