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クイーン検察局
エラリイ・クイーン
エラリイ・クイーン 出版月: 1960年01月 平均: 4.80点 書評数: 5件

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早川書房
1960年01月

早川書房
1976年12月

早川書房
1976年12月

No.5 5点 HORNET 2023/01/29 20:39
 アイデア一発のショートショート集。ちょっと紙幅のある「推理クイズ集」のような趣ともいえる。純粋な「謎解き」を主眼としているのでなかなかに面白い。
 他作品を読んでいるということもあるだろうけど、内容的にも「ライツヴィルの盗賊」がよかった。

No.4 5点 レッドキング 2022/03/20 16:49
クイーン第四短編集。ほぼ全てショートショート。ミステリと小説のなんと無駄なき裸形・・ちと無さすぎるが・・
   「金は語る」 言葉使いからの恐喝者Who
   「代理人の問題」 言葉使いからの人物の真偽見破り。
   「三人の寡婦」 自殺以外不可能な毒殺事件の犯人Who
   「変り者の学部長」 音入換え語による襲撃犯Who
   「運転席」 レインコートの濡れ具合と車種からの刺殺者Who
   「角砂糖」 角砂糖ダイイングメッセージの指す犯人Who
   「匿された金」 ホテルの浴室タオルからの殺人者Who
   「九官鳥」 トランプの勝負札から刺殺者Who
   「名誉の問題」 単語綴りからの犯人Who
   「ライツヴィルの盗賊」 またも出ましたライツヴィル。強盗冤罪の青年を救うべく盗品浅埋めロジック。
   「あなたのお金を倍に」 能う限り最少材料による密室消失トリックWhyHow。この作品集の白眉。
   「守銭奴の黄金」 遺言パズル遺産捜し。
   「七月の雪つぶて」 重要証人乗せた列車消失のトリック。
   「タイムズ・スクエアの魔女」 エラリー・クイーン大ハッタリ!
   「賭博クラブ」 いろんなねずみ講詐欺があるんだねえ。
   「GI物語」 文字ダイイングメッセージの指す犯人Who
   「黒い台帳」 黒い台帳運び屋エラリーのHow
   「消えた子供」 身代金誘拐事件の顛末・・まあ自作パロディやね。

No.3 4点 nukkam 2016/05/18 13:05
(ネタバレなしです) 1955年発表のエラリー・クイーンシリーズ第4短編集ですが、収められた18作の内17作はショート・ショートです。そのためトリックや手掛かりの一発勝負的作品が多いのはやむを得ないところで、出来不出来のばらつきも大きいです。英語力や専門知識や日本人になじみのないアメリカの日常生活ネタがからむ作品は感銘しませんが、「七月の雪つぶて」(不可能犯罪トリックは感心しませんがスケールの大きいプロットが面白い)、「あなたのお金を倍に」(トリックの必要性が全く感じられませんがストーリーの切れ味は文句ありません)、「消えた子供」(短いページで誘拐と家族ドラマをうまく処理しています)などはそこそこ面白かったです。そして唯一の短編である「ライツヴィルの盗賊」、これは論理的推理がしっかりしていてよかってです。

No.2 4点 Tetchy 2011/07/03 19:35
クイーンによるミステリ小ネタ集と云っていいだろう。恐らく長編に成りえなかった事件のトリックを上手く料理して、正味10ページぐらいのミニミステリにしている。確かにそれぞれの事件は小ネタ感は拭えないものの、アイデア一つでは長編になりうるネタも揃っている。
本書における個人的ベスト作品は「変わり者の学部長」だ。とにかく物語の設定にも使われていた単語の一番上の子音と母音を入れ替えて話をするスプーナリズムという症状が非常に面白く、ためになった。
またミステリ界の巨匠とも云える有名な作品へのオマージュがそこここに見られるのも特徴的か。「匿された金」はG・K・チェスタトンのある作品の影響を感じるし、「守銭奴の黄金」はポーの盗まれた手紙の主題そのままだ。他にもどちらが卵で鶏か知らないか、クイーン自身の作品をモチーフに扱ったものもあった。例えば「名誉の問題」は「災厄の町」、「消えた子供」はある自身の作品といったように。
ただ『犯罪カレンダー』でも感じたことだが、収録された作品のアイデアに非常に似通った物が複数あり、どうも一つのアイデアをヴァリエーションを変えて使用しているように感じた。やはりクイーンは意外と手札が少ないのではと思ってしまう。本書でもその傾向があったのは否めない。
そして今回は日本人にはいささかピンと来ない、解りにくい真相が多かった。特に英国と米国の文化の違い、言葉の違いが推理のきっかけになっているものが散見され、せっかくの真相がやや腰砕け気味になったのは残念な思いがした。

No.1 6点 2009/02/16 00:04
収録18編中ほとんどが10ページ程度のショート・ショート集ですが、1つだけ長い『ライツヴィルの盗賊』が、小説としてのおもしろさではやはり一番ですし、推理も鮮やかです。
本当に単なる言葉遊びパズルでしかないようなものもありますが、一般的評価の高い『三人の寡婦』(トリックは様々な推理パズルで借用されているくらい有名)、『七月の雪つぶて』(ごく一時的に奇跡を起こして見せればよい設定と見せ方がうまい)の他、『あなたのお金を倍に』(最近も似た大事件がありました)、『賭博クラブ』(人数計算には納得)、『消えた子供』(例の名作と似た論理で、ラストはほのぼの)なども好きな作品です。


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