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[ 本格/新本格 ]
女王蜂
金田一耕助シリーズ
横溝正史 出版月: 1954年01月 平均: 6.12点 書評数: 24件

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東京文芸社
1954年01月

東方社
1957年01月

講談社
1960年01月

角川書店(角川グループパブリッシング)
1973年10月

講談社
1975年01月

東京文芸社
1976年06月

KADOKAWA
2001年12月

No.24 4点 虫暮部 2021/08/19 11:52
 長い。地味。アイデアがどれも中途半端。
 家庭教師の神尾秀子先生はキャラが立っていて素敵。私には彼女が主役に見えた。
 それに比して、大道寺智子の美貌は全くイメージ出来ないし、東京に出ていきなり弾けてコケティッシュな娘に変貌したのも伝わって来ない。花婿候補があからさまに噛ませ犬なのでつまらない。文彦があれで満十五歳……まぁ年齢で人を測るのは止めておこう。
 今一つな割りに読み易いところは横溝マジック?

No.23 5点 レッドキング 2019/03/31 08:38
横溝の代表的な長編群の中では、どうしても一歩か二歩劣って見えてしまう。場面設定もロマンも揃ってて「密室」さえもちゃんとあんだけどね。

No.22 8点 斎藤警部 2018/03/05 23:12
十九年前に現在を手繰り寄せる、世にも悍ましい沈降動機への予感に違わぬ、その大いなる真相の全貌にはバッサリやられたぞえ。。。 クリスティばりの真犯隠匿魂にはコロっと騙されたぜ。。 ところが現在進行の事件に焦点を絞れば妙にチマチマした感が拭えず、そこのバランス悪さで大きく減点されつ尚8.3点。ラストシーンは実に美しい。我が親友の親友にも智子という美女がいた事をふと思い出す。

No.21 6点 HORNET 2017/10/12 20:12
 謎が随所に散りばめられ、いろいろと仕組んであり、長編にも耐えうる内容だと思うのだが、本サイトの評価をはじめとした、他作品より一段劣る評価にも共感できてしまう…なんでなんだろう?
 19年前の男の謎の死をはじめ、次々に起こる殺人と、絶世の美女、琴恵・智子母子を巡る愛憎劇。通俗小説の色が濃いという評価もあるが、人物の謎の言動、密室の謎など、自分はミステリとしてもよく練られていると感じたし、退屈しない展開で読み進められるのだが…なぜか「どっぷり」できないままにサクサク進んでしまった感じ。ホントになんでなのか、自分でもよくわからない。少なくとも読み易くてよかったとは言えるのだが。強いて言えば「不気味さ」「陰惨さ」が足りないのかな…?
 そんな感覚だから、高評価をつけている人がいるのも逆にうなずける。密室の真相にはちょっと拍子抜けする感もあったが、19年前の事件の真相などはうまいぐあいに考えられていると思った。
 そんなこんなでこの得点だが、横溝ファンは少なくとも読んで損はない作品だと思う。

No.20 7点 青い車 2017/01/21 00:51
 この前後に発表された作品に比べて一歩譲るのが定説ですが、それはあくまで『獄門島』や『悪魔の手毬唄』などの名作に比べての話です。本作単体で見れば、プロットのしっかりした佳作と十分いえる水準に達していると思います。絶世の美女が物語を華やかにすることに加え、時計室での撲殺など印象的なシーンもすくなくありあません。
 それでも他と見劣りするとされる原因は、たぶん「推理」小説としての内容の薄さにあるんだろうと思われます。『本陣~』の二重のトリック、『犬神家~』のすり替わりをめぐる推理などに当たる点があれば、傑作の評価を得てもおかしくなかったのではないでしょうか。

No.19 7点 2016/04/12 22:03
久々の再読ですが、なかなかよかったという印象は残っていたものの、実際に覚えていたのは中心人物が絶世の美女(女王蜂)であることと、本作最大の謎である「蝙蝠」の意味だけでした。
チェスタトンの某短編のヴァリエーション・トリックはあるものの、他の2つのアイディア、時計の問題と19年前の密室については、犯人が特に意図したところではなかったにもかかわらず、特異な状況が起こってしまったというものです。こういう偶然を利用したタイプの解決を嫌う人もいるかと思いますが、個人的には犯人がややこしい計画をひねくりまわすのよりも好みです。ただ時計の方は途中であっさり明かしてしまっています。
月琴島、伊豆半島、東京と広範囲を舞台とした読みごたえのある作品に仕上がっていますが、途中で気づいたいくつかの伏線が、金田一耕助の推理の中に出てこないのは不満でした。

No.18 6点 風桜青紫 2016/02/11 16:56
このあたりになると、もはやミステリ要素はほとんど薄味になってくる。どれもこれも実に古典的……。しかし僕の場合、横溝作品は、好兵衛さんのおっしゃる通り、古臭いミステリ風ドラマとして読んでいるので、こういうのも結構楽しめるのです。九十九龍馬や文彦クンのような変てこな登場人物たちや、ころころ死んでいく登場人物たち、無能な耕介、趣味の悪い真相、といったようないかにもな雰囲気のお膳立てを楽しむわけなのです。しかし智子が「絶世の美女!」などと持て囃されてるわりに、ところどころ普通な女の子っぽくて笑える。お風呂でおよぐwww。

No.17 7点 谷山 2014/09/01 22:09
神尾先生や九十九龍馬など濃い登場人物が多く登場し、19年前の密室殺人という魅力的な事件もあるのですが、何故か地味な作品となってしまってます。
ちなみに本の帯には「金田一VS絶世の美女。これほどわくわくする設定があるだろうか。-鈴木光司」とあります。確かにその設定ならもっと盛り上がったのでしょうが、ヒロインである絶世の美女の大道寺智子にそこまでの魅力がないのが問題のような気がします。
まあでも地味なだけで話としては面白いですし、エピローグの美しさは横溝作品でもトップクラスです。横溝作品に興味があるけど怖いのやグロいのは苦手という人に勧めるといい作品かな。

No.16 5点 ボナンザ 2014/04/08 15:42
タイトルから期待がふくらむがそれほどの印象が残らないというのが素直な感想。

No.15 6点 TON2 2012/12/09 19:20
角川文庫「金田一耕介ファイル9」
 昭和20年代後半の、伊豆半島下田沖の小島(通称月琴島)の親子2代にわたる絶世の美女をとりまく事件です。
 いつもどおり金田一は殺人を防ぐことはできません。
 大がかりで不可能なトリックはないですが、人の心の動きや思いによって謎が作られていきます。この点、奇矯さがなく、物語に没頭できます。

No.14 4点 好兵衛 2012/09/30 20:23
推理小説の楽しみどころが。
よく分からなかった作品。

金田一シリーズには強い傾向ですが、

ただ、ただ雰囲気と
時代風景、登場人物を楽しむ。
ミステリ風小説。

なのではないでしょうか?

それでも、犬神家、本陣、獄門島
などは考えさせられる「推理しどころ」
がまだありますし。
そこが、雰囲気と相まって面白いのですが…

ここらへんになると、事件なんて
どーでもよくて、ドラマドラマ。
といった感じが否めないです。

ドラマチックですが、推理小説?
ではないなぁ。
謎もすくないし、
最後には考えさせる間もなく
犯人は特定されてしまいます。

No.13 7点 bookmaker 2012/05/28 02:39
智子さんという名前の女性に勧めると例外なく好評でした。(おもいきり感情移入できますからね。)
推理小説としてはもう一つでも、冒険活劇としてはとても面白い、横溝作品の中でも大好きな一冊です。

No.12 7点 makomako 2012/02/26 09:08
 30年前に読んだときも古い感じがしたが、再読したらさらに「あー古臭い」。ピンポンバットやハンケチなどは死語でしょう。それも古きよき時代(良くはないのだが)の話、と思えばむしろこのおどろおどろしい話にふさわしくも思える。
 サービス精神にあふれた物語で、トリックは色々出てくるし、怪しい人物が出てくるし、神秘的な美しい女性が出てくるし、で読んでいて楽しめることは間違いない。でも獄門島や本陣よりちょっと落ちるかな。

No.11 6点 りゅう 2011/09/10 17:18
 再読です。智子という「絶世の美女」のヒロインは覚えていましたが、犯人やトリックは覚えていませんでした。写真の謎の真相や19年前の密室の真相はまずまずですが、特筆するほどの箇所がなく、謎解きとしてはあまり印象に残らない作品です。手掛かりが不足気味で、金田一耕助も推理に確信を持っていたとは思えず、それでこのような結末になったのでしょう。
 ストーリーにもちょっと無理矢理感があります。智子の迎えに九十九龍馬のような人物を普通選ばないでしょうし、多門連太郎の登場も取って付けたような感じがしました。19年前の事件に関しても、犯人がわざわざあのようなことを危険を犯してまでやる必要はない(もっと単純な方法で殺せたのではないか)と思います。

No.10 7点 spam-musubi 2010/08/05 12:21
琴絵・智子親子の美しさ・魅力、いや魔力に尽きるのでしょうね。
周囲の人間は、あの人もあの人もあの人も、この魔力に呑まれて
身を持ち崩してしまった。

ミステリーとしては、whoもwhyもhowも正直驚きはありませんが、
智子萌え小説として十分に楽しめました。
生まれながらに女王としての貫禄があり、かつコケティッシュで
周囲の男が虜にならざるを得ないような・・・
今の若い女優さんだと誰がいいですかね~~、難しいw

次々と人が死んでいく陰惨な物語にも関わらず、
最後がハッピーエンドなのもいいですね
(金田一シリーズでは八つ墓村に次ぐハッピーさ)。

ただ、金田一、お前はな、目の前で人を殺されすぎだろ。
せめて最後の2人は殺さずに済んだんじゃ・・・

No.9 5点 江守森江 2010/04/11 22:40
テレビガイドを見たら明後日にTBSでドラマの再放送(主演・墨田ユキ)があり、その前に再読してみた。
何度も観たり、読んだりしてミステリとして全く新鮮味がなくなっていた。
私的に「絶世の美女」を誰が演じるか・・・・・に尽きる作品になっている。
元々、横溝作品への接し方が古谷一行の金田一シリーズからなのだから致し方あるまい。
※余談
一番のお気に入りが(嫁に内緒で)ヌード写真集を秘蔵している栗山千明なのは言うまでもない。
それでも、金田一シリーズでのヒロイン女優No.1は「三つ首塔」の真野響子が不動で、次点は「犬神家~」の島田陽子。

No.8 4点 文生 2010/01/23 14:28
密室殺人をはじめとして色々本格要素を詰め込んだ作品だけど、当時としても使い古されたアイデアばかりで、使いか方にもさして工夫がないのでいまひとつ面白さを感じない。

No.7 6点 E-BANKER 2009/12/17 18:20
一連の金田一耕助ものとしては、何度もドラマ化されていて比較的有名な作品の1つでしょう。
ドロドロ&オドロオドロシイ展開がつきものの横溝作品の中では、割合スッキリというか薄味な印象は残ります。
特別凝ったトリックやギミックはなくて、真犯人も「まぁそうだろうな・・・」という気がしました。
ただ、決してつまらないというレベルではなくて、過去の密室殺人や謎の人物など本格物の要素は十分詰まっていますし、「さすが」という感じです。
いつの時代も男って「絶世の美女」には弱いんですね・・・

No.6 6点 だい様 2009/10/13 16:20
金田一耕助シリーズ

犯人の動機は意外であったが、他の有名作品と比べるとどこか物足りなさを感じた。
よく出来てはいると思うのだが・・・

No.5 5点 ミステリー三昧 2009/09/30 17:41
<角川文庫改版>金田一耕助シリーズの代表作です。
「絶世の美女」の登場はシリーズの定番であり、物語の中心に置かれることが多い。今回もその類に漏れず、全身の血が騒ぐような惨劇が繰り広げられる、といったお決まりのパターンで物語が進む。しかも『犬神家の一族』とダブリ過ぎ。
ただ、ヒロイン役の「智子」に関しては官能的な描写が過剰に続くこともあり、一際美しい女性を想像してしまった。きっと今までで一番の美人だと予想される。なんせ「女王蜂」ですからね。まぁ、そんな話題は「映像を観た人」向きだろうから無意味でしょう。
事件は推測だけで場当たり的に解決するため、説得力に欠ける。当然、読者に向けられた伏線はなく「本当に解決したのか?」と思わずにいられない。金田一さんに苦言したい。「せめて犯人だけは守りましょう」と・・・
余談ですが、コナン君の名ゼリフ「犯人を推理で追い詰めて自殺させる探偵は殺人者と変わらないぜ、バーロォー」は金田一耕助に向けられた言葉と判断して差し支えないでしょうね。


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