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[ 本格/新本格 ]
悪魔の降誕祭
金田一耕助シリーズ
横溝正史 出版月: 1958年01月 平均: 5.43点 書評数: 7件

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東京文芸社
1958年01月

KADOKAWA
1974年08月

講談社
1975年01月

角川書店
2005年08月

No.7 5点 ボナンザ 2021/09/12 20:41
金田一が巻き込まれる形の短編集。ミステリとしてはまずまずだが、シリーズ的には印象深いのが女怪。

No.6 6点 2019/02/19 09:30
「悪魔の降誕祭」 6点
絵に描いたような本格ミステリー中編作品。ドラマでいえば、60分に収まりそうな内容です。でも、160ページだけど2つの殺人があって、それだけで楽しめる要素は十分です。しかもコンパクトなのでわかりやすい。
犯人に意外性があり、金田一の謎解きは筋が通っているのだが、なんとなく釈然としない。動機なのかなぁ?

「女怪」 7点
金田一の恋心がベースとなっている、というのが特徴の短編小説。ミステリー的にみればたいしたことはありませんが、個人的にはお気に入りのベスト短編です。

「霧の山荘」 6点
CC館モノか、いや、一族モノか?実際はどちらの要素もかなり薄めで、あっさりしている。
でも本格要素はすくなからず詰め込んであり、イイ感じに仕上がっています。
真相は中編ならではといった感じ。かる~く楽しめます。

No.5 6点 斎藤警部 2016/12/21 01:28
『表題作』。。中篇。序盤から終盤近くまで何とも探偵興味が収斂せず漫然と進行。憎めない語り口なんだけど、憎めないだけに何が「悪魔」やねんと退屈顔を決めこんでたんだが、最後一気に、いや微妙に段階を踏んで明かされる真相の悪魔度高さにオイラ仰天! 心理の隠し場所めいた趣向に拍手! だから、だからだからもっと早いうちから”この物語には何かある”とじんわり予感させ続けていてくれればもっともっと充実した読書時間提供になったと思うんだけど、惜しいね! 終結部で一気に跳ね上がって6点留まり。

『女の怪』。。短篇。(終盤手前まで)始めから犯人は見えている感じだが雰囲気勝負でまずまずかな、(終盤の前半)殺害トリックはなかなか凄まじいね。。とドキリとしながら半ば安心してたら(終盤後半)一撃ドスンと来ました。こりゃァなかなか。。ギリだが切り上げて8点。

『霧の山荘』。。短い中篇。消えた邸宅の酒肴ぃや趣向。。。の秘密はあっさり暴露。目立ち過ぎた伏線は。。早くに回収。こりゃおかしいぞ。そしたらさ、最後まで作者がとっておいたのは思いがけず複雑な事件の全体像だったんだが。。その割に「はぁそうですか」と安易に呑み込めちゃったな。5点だね。   
小説の本筋とは関係ありませんが、ジョニーのソーダ割を呑みながら読んでたらジョニーのソーダ割の一くさりにぶち当たった偶然には萌えたものですよ。

No.4 4点 蟷螂の斧 2016/08/10 08:15
表題作のみの評価。金田一への相談者が誰もいない事務所で毒殺される。うーん、これはどうでしょう?偶然であり、ご都合主義では?。なお、残された新聞の切り抜きの謎はいいと思います。続くクリスマスパーティでの殺人事件の方法は、絶対?わからないでしょう(苦笑)。ラストは有名作品を連想してしまうし、トリックもオリジナリティがあるとは言えず残念です。

No.3 5点 E-BANKER 2012/12/26 21:28
お馴染み金田一耕助シリーズの作品集。
降誕祭=クリスマスということで、時節に合った作品をセレクト。(単なる偶然なのだが・・・)

①「悪魔の降誕祭」=金田一耕助の探偵事務所で殺人事件が起きた。被害者はその日電話してきた依頼人だった。彼女はこれから殺人事件が起きるかもしれないと相談に訪れたところ、金田一が戻ってくる前に毒殺されたのだ。しかも、12月20日であるべき日めくりのカレンダーが何者かに12月25日まで毟られていた・・・

何とも横溝作品らしいケレン味のあるプロットではある。フーダニットにも意外性があり、よくまとまった作品というのがMAXの褒め言葉だろう。
ただ、こういうプロットは長編でこそ。
長編なら一族の血の背景やら過去の因縁話を効果的に使えそうなのだが、中編(短編という分量ではない)のせいか、その辺りがかなり薄く何とも味気ない。作者のファンであればあるほど物足りない読後感になるのではないか。

②「女怪」=金田一が惚れた女性が登場!という作品。短編らしいまとまりがあり、うまさは感じるが、①と同様何となく薄味な印象が残る。(「八つ墓村」事件で金田一がかなり稼いだという記述あり。ホントか?)
③「霧の山荘」=何だがCC物のミステリーを匂わせるタイトルだが、そういう話ではない。軽井沢の別荘地が舞台。当初は家屋の消失を扱ったプロットかと思わせたが、そこには特段トリックはなし。ただ、徐々に謎が深まっていく展開はなかなか読ませる。

以上3編。
よくまとまってるし、ミステリー作家としてのうまさは感じるが、いくつもの代表作を読んできた身としてはやはり何か足りないと思わせる。
そんな作品集・・・というのが正直な評価。
中では表題作の①が一番いいかな。
(金田一の台詞の語尾に「ハッハッハ・・・」が妙に多いのが鼻に付く)

No.2 6点 大泉耕作 2011/04/10 10:11
「悪魔の降誕祭」
最初はダラダラであったが解決編で全てがスッキリする。まさにこれぞ横溝ミステリ。
金田一シリーズでも頭のキレは最高峰に上るかと思われる犯人。そんなところに入れたら十点なのだが、警部補が多かったことがマイナスであった。犯人は冷酷だが、その犯人を支える人の気持ちがまた暖かい「あぁ、またやってくれましたね!」とまた、横溝作品が好きになった。
ただ、カレンダーを気分高まってちぎっていったのはよくわからんからマイナス。
そして金田一さんのヒューマニズム。犯人に自殺をさせる偶然か意図的かチャンスを与えてしまった。市川崑の映画にも共通します。
「女怪」
数ある横溝作品の短編でもマイベストです。
この物悲しい結末と、ひとりの男に翻弄される女、しかもその女に思いを寄せてしまう金田一。
被害者にしても、加害者にしても名探偵にしても悲しい。悲壮美なのです。
「霧の山荘」
どうした、一体!? まるでシャーロック・ホームズのようなオチじゃないか。
真相にはいくぶん首をかしげました。でも、この短編集の中では最も奇怪に溢れています。

No.1 6点 シュウ 2008/10/16 22:35
杉本一文のなんだかよく分からない表紙が印象的な短編集です。
『悪魔の降誕祭』表題作だけあってこの短編集で一番面白いです。犯人の怖さが印象的です。
『女怪』横溝正史が金田一の相棒役って多分この話だけなんじゃないかと思う。金田一の恋愛ものとして有名です。
『霧の山荘』長いわりにいまいち面白くない。


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