皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格/新本格 ] 幽霊座 金田一耕助シリーズ |
|||
---|---|---|---|
横溝正史 | 出版月: 1973年09月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
角川書店 1973年09月 |
東京文芸社 1976年01月 |
KADOKAWA 2022年05月 |
No.1 | 6点 | 臣 | 2015/08/07 09:40 |
---|---|---|---|
『幽霊座』『鴉』『トランプ台上の首』。金田一モノ中編3編が収録されている。
表題作は歌舞伎の世界が舞台。しかもその劇場、特に舞台裏の奈落が舞台となっている。舞台設定としては抜群だろう。映像化を狙ったような内容だ。 100ページ程度の話で、17年前の失踪事件から始まり、連続殺人も起き、派手な展開なのだが、やや尻すぼみ。舞台は日本的だが、いかにも海外ミステリーを参考にしているなという感じがする。 『鴉』。これも過去の失踪事件が発端となっている。『幽霊座』もそうだが、人間関係がミソ。これら2作は、その辺りを楽しむのがいいだろう。 『トランプ台上の首』はタイトルどおり、生首を見つけるところから始まる。なぜ、首だけが残してあったのか。その他、謎だらけで、ミステリーとしてはもっとも楽しめた。しかし、「蜘蛛」の謎は、ふつうに考えればわかるはず。 3作とも中編なのでやや物足りなさはあるが、横溝らしい雰囲気のある作品群といえる。 異なる作品でだが、等々力警部と磯川警部の両警部が登場するのも本書の楽しみの1つだ。 |