皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] さよなら神様 神様シリーズ |
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麻耶雄嵩 | 出版月: 2014年08月 | 平均: 6.62点 | 書評数: 24件 |
文藝春秋 2014年08月 |
文藝春秋 2017年07月 |
No.24 | 8点 | ことは | 2022/02/27 13:37 |
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”冒頭に神様が「犯人はxxだ」という設定から、「犯人がxxとするならば、こうするのかな……」などと考えてしまい、そうすると、やっぱり想定のひとつに近いということになってしまい、意外性が感じられないなあ。(それを説得する伏線は巧みで意外だが、そういう意外性は、私の琴線にはひびかないのです……) これはいまひとつかな”
と思ったのは、前半3作まで。(前半3作は、世界設定の説明だったのですね) 中心は、後半3作。これはいい。 完全な連作短編で、必ず順番に読む必要がある。 最終作で、主人公はある状況におかれ、ここはやるせない。(麻耶雄嵩作に今までこんなのなかった) さらに最終シーンで、主人公はある認識と、ある決断をする。これがいい。 最後の数行にハート・マークまで記載されるが、これ、「主人公は幸せになりました」というハッピー・エンド? それとも、「タークサイドにおちました」というバット・エンド? どちらに受けとるかで読み手の価値観をあぶり出されるようなリドルストーリー感がある。 圧倒的な個性を強く評価します。 あと、4作目である驚きがあるが、これは後半3作の展開を事前に想像させないための予防工作だと思う。これがわかっていると、前半3作で、色々と関係を想像してしまい、後半の展開の一部も想像にあがってきてしまいそうだからだろう。 |
No.23 | 5点 | ミステリーオタク | 2021/06/23 16:32 |
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麻耶の神様シリーズ2冊目は6つの作品からなる連作短編集。
《少年探偵団と神様》 前作の既読者にとっては「よっ、神様ひさしぶり」てな感じで始まるが、ミステリとしてさほどインパクトのある話ではない。で、結末直前のアレは・・・後で分かる。 《アリバイくずし》 まあ結末が麻耶らしいと言えなくもないが、ミステリとしては普通。 《ダムからの遠い道》 前作に続いてアリバイ崩し。 最後に明かされるネタは悪くはないが、途中のガキどもの延々と続く議論は読むのが面倒だった。 そもそもアリバイは苦手。 《バレンタイン昔語り》 序盤で第1話のアレが分かる。 辛く残酷な話だが【神様ミステリ】としては、よくできていると評価せざるを得ないだろう。 《比土との対決》 これも面倒なアリバイもの。動機の意外性? あまりピンと来ない。 《さよなら、神様》 当然マトメになる話だが、分かったような分からんような・・・ 基本的に残虐な殺人ミステリは嫌いではないが、幼気な子供が不幸になる話はキツい。本書では何人もの子供が死ぬが個人的にはその子たちより、ある気持ちの優しい子の悲運が不憫でならなかった。 作者としては本作品集はсчастливый κοнецのつもりなのだろうが、自分には最悪のイヤミスだった。 さよなら神様。 そして暫しの間、さよなら麻耶。 |
No.22 | 6点 | じきる | 2021/03/25 01:03 |
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前作に負けず劣らずの、悪意に満ち溢れた連作集。
ラストの〇〇〇マークにはやられました(笑) |
No.21 | 7点 | ぷちレコード | 2021/02/19 22:50 |
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二〇〇五年刊の「神様ゲーム」の続編にあたる連作集。
小学生の「俺」こと桑町淳は、まず鈴木に犯人の名前を聞き、調査を進めてショッキングな事実に辿り着く。本作が扱うのは犯人捜しではなく、答えを知ることで生じる異常事態と状況そのものを要因とする屈折したプロット。オーソドックスなスタイルを転倒させ、仕掛けを弄して後味の悪いドラマを紡いだ野心作。 |
No.20 | 4点 | mediocrity | 2019/09/19 22:56 |
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前作『神様ゲーム』は平均点よりかなり低い点数を付けてしまいましたが、本作は2014年度本格ミステリ大賞ということで読んでみました。
①『少年探偵団と神様』 全く見所なく終わる。なにこれ?1点。 ②『アリバイ崩し』 テレビの音が消えた謎の偶然さが好きじゃない。それを除けば水準作か。6点。 ③『ダムからの遠い道』 つまらなさすぎて笑ってしまった。1点だけど笑っちゃったから1点プラスして2点。 ④『バレンタイン昔語り』 冒頭の叙述トリックの方は、前作から主人公変えてる時点でバレバレだが(その後もヒントかなりありましたし)プロット自体は面白い。今時あんなことが実際に起こりえるのかな。7点。 ⑤『比土との対決』 小学生設定でこれはいくらなんでも無理があるような。まあ、今更ですけど。6点。 ⑥『さよなら、神様』 まあオチは普通。4点。 平均4.3点を四捨五入で。なんだか出来不出来の差が激しいように思いました。この方の作品、この作品に限らず、どうも高評価の方がものすごく驚いている箇所で、自分は何とも思わないことが多いんですよねえ。理由はよくわからないのですが。ゆえに平均点より概して低い点数を付けているんですが、別に嫌いなわけじゃありません。 |
No.19 | 5点 | ボナンザ | 2019/06/16 10:13 |
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最終章の♡は流石に吹いた。
主人公の○○は一話目で想像つくけど、四話目で当然の前提みたいに話進めるのが麻耶らしいよね。 |
No.18 | 5点 | take5 | 2019/03/12 22:28 |
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犯人の動機とアリバイ崩しの短編集。
それにしても、なぜ小学生の設定なのでしょうか? 神様という奇異な存在を無条件に受け入れ、かつ葛藤する主人公は小学生が最適? 叙述トリック等面白いですが、 設定や台詞回しに違和感があります。主観です。 |
No.17 | 7点 | レッドキング | 2019/02/17 15:55 |
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鈴木太郎が本当の神様であるならば、彼の託宣する真理が「事実的に不可能」(AはBであり得ない)であっても、その不可能性を突き崩すためには「ロジック」(AはBであり得る)を紡ぎあげるだけでよい。
が、鈴木太郎がただの少年だった場合、せっかくのロジックも「真理の必要条件」(AはBであり得る)を満たすだけで、「十分条件」(A以外はBであり得ない)は満足させられない。 ミステリとして完結させるには、名探偵=神への信仰か、作者=神視点の「確固たる事実」の提示が必要となるが、ここでは曖昧さを残したまま余韻をもって終わらせている。予想もしなかった叙述トリックと自殺トリック、それから仰天「因果転倒」ネタにプラス1点のオマケ付けちゃう。 ※にしてもさあ、麻耶にこんなこと言うの野暮だけど、あんな「ロジカルな」小学生達、いるわけないじゃん。 |
No.16 | 5点 | ミステリ初心者 | 2018/03/19 23:52 |
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さよなら神様と神様ゲームのネタバレをしています。
主人公に対する、比土と神様のとりまきの反応から、割と前半から主人公は女性なんじゃないかと直感しました。オナベ→レズビアン→前作主人公の母の幼少期の物語!? と早とちり。盛大にはずしましたw 前作神様ゲームがすごくよかったので、ハードルが上がってしまったかもしれません。前作とくらべ衝撃度もおもしろさも半減した印象です。 最後の一文は、幸せな人間には神様なんていらないんだな~と思いました。 |
No.15 | 7点 | E-BANKER | 2017/08/11 22:57 |
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講談社ミステリーランドの一冊として発表された前作「神様ゲーム」
その続編的位置づけの作品が本作。ジュブナイルとしては衝撃的だった前作を受けてのシリーズ化だけに・・・ 一筋縄ではいかない臭いがプンプン・・・。2014年発表の連作短篇集。 ①「少年探偵団と神様」=“一行目から真犯人の名前をズバリ公開”というのが文庫版の帯の言葉なのだが、そのとおり初っ端から真犯人の名前が神様から告げられる。が、しかし、当然読者はまったく知らない人物なわけで・・・ ②「アリバイ崩し」=直球ズバリのタイトル。で、当然アリバイ崩しがメインテーマ。フーダニットは神様のお告げとは違う結果となっているが、これは・・・関係ないよね。アリバイは・・・あまり関係ないな。 ③「ダムからの遠い道」=これもアリバイ崩しが一応のメインテーマ(②よりもこちらの方が正統アリバイ崩し、っていう感じだ)。これも神様のお告げとの齟齬があるのだが、真実は・・・っていう展開。 ④「バレンタイン昔語り」=他の方も書かれているとおり、この④から物語の雰囲気が一変。一気に不穏な空気に包まれることになる。しかも、このラスト(=真の真実っていう表現かな)が強烈! 作者の底意地の悪さというか、ただならぬ才能が垣間見える。 ⑤「比土との対決」=これもアリバイものといえばアリバイもの。主要人物までもが殺人者の毒牙にかかてしまうのだが、そこにはある大掛かりな仕掛けのための重要な伏線が隠されていた!(でも普通は気付かんよ!) ⑥「さよなら、神様」=タイトルどおり、神様が転校(=さよなら)してしまう最終章。そんなことより、ラストでは⑤で触れた作者の大いなる仕掛けが明らかになる。ホント、底意地悪いよなぁー 以上6編。 いやいや・・・さすがに麻耶雄嵩だわ! 前作も「悪意がたっぷり詰まった」ミステリーだったけど、今回も同様。 とにかく底意地の悪さ(クドいな)と悪意に満ちた作品に仕上がっている。 巻末解説で「探偵」という存在に対する作者のアプローチの方法が述べられているけど、ミステリという実に縛られた作品形態をここまで自由自在に操れる作者には敬意を表するしかない。 いわゆるミステリー的なサプライズ感は今ひとつのようにも感じたけど、ここまでの「企み」を見せ付けられたら、低い評価はできない。 とにかくスゴイ作家に成長したもんです。 (続編はあるのかな? ありそうだね) |
No.14 | 9点 | sophia | 2017/05/11 19:07 |
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神様ゲームよりこちらの方が楽しめました。
この設定は短編向きですね。 第4章、第5章が衝撃的でした。 ただ、最終章が死ぬほど胸糞悪い。 |
No.13 | 10点 | 邪魅 | 2017/03/14 19:56 |
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今まで読んだ短編集の中でも過去最高クラスに好きな作品でした
少年探偵団と神様は、少々無理があるかなと思います 事実完成度という点ではこの作品が一歩劣るでしょう しかし丁寧に張り巡らせた伏線は悪くないです アリバイ崩しは、これは凄いと言わざるを得ません 被害者の行動の一つ一つを丁寧に説明し、鉄壁とも思えるアリバイを崩す 被害者の習慣をも利用した素晴らしい作品です ダムからの遠い道は個人的にはベストかなと思います 恐らく美旗先生は、死んだままの被害者を車に乗せていたことに大した意味なんかなかったのでしょう アリバイ工作の為とかではなく、恋人との最後のドライブ、そんなものを感じさせます しかしそこに偶然に偶然が重なって、鉄壁なアリバイが作られていった バレンタイン昔語りでは主人公が女性であることが初めて明かされます まあ、最初の作品から伏線は張ってありましたが気付きませんでした 一応叙述トリックでしょうが、作者はこのトリックはさほど重要視していなかったでしょう それにしてもこの作品のオチは凄まじいです 神様ならでは、これは脱帽せざるを得ません 比土との対決は、成程 無差別だとすれば、アリバイは無くなるわけです そして最終章、さよなら神様 これも強烈なオチでしたね 大好きです、今更多くは語りません |
No.12 | 6点 | パメル | 2016/06/05 11:15 |
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六編からなる連作集
各編でいきなり犯人が明かされるという異色作 神様の言葉が正しいならば犯人はどうやって殺人を行ったのかを 小学生の探偵団が捜査していくというのが基本線 どれもこれも趣向を凝らされた仕掛けが待っている 作者らしい後味の悪さが本領発揮されるのは「バレンタイン昔語り」以降で 衝撃的な真相が待っている ラストは何とも言えない脱力感がある |
No.11 | 9点 | 青い車 | 2016/02/10 19:38 |
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図書館で借りて読了しました。例によってぶっとんだ設定をただ思いつきで終わらせない作者の力量はさすが。麻耶さんの手にかかると小さな町で殺人事件起こりすぎだろ、であるとか、子供たちが大人びすぎだろ、というような突っ込みは野暮とおもわせられ、そこも凄いところです。
エピソードの構成もいいです。第一話はミステリーとしては小粒なものの神様の託宣→それに合わせた推理をひねり出す、というこの連作のフォーマットを示しています。続く第二話第三話では、推理の意外性が増したことに加え居心地の悪い奇妙な読後感が味わえます。そして第四話第五話でこの世界だからこそ成立する異形のミステリーに変貌。極めつけは最終話のハッピーエンドなようで悪意の塊のような締めです。 色々書きましたが、インパクト絶大な作品集であり、本ミス2015のベスト1になったのも素直に頷けます。それにしても、はじめは拒絶していたのに何冊か読むうちに麻耶作品がクセになっている自分がいます。恐ろしい…。 |
No.10 | 6点 | 風桜青紫 | 2015/12/29 12:48 |
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神様鈴木の言葉は不可謬だから、「犯行を行ったこと」を立証するのではなく、「犯行を行えたこと」を立証する。という形式はいいんだが、それゆえ強引な推理が目立って首をかしげることも多かった。『少年探偵団と神様』はなんかは神様の存在がなきゃとても成立しない阿呆な話ではあるが、それでカタルシスが生まれるかといえばそうでもない。最初の三作品はそのような面もあってあまり楽しめなかった。
まあ、しかし、本領は『バレンタイン昔語り』だろう。『こうもり』からさらにメタを進めた結果は、「作中の人物が作中世界におけるメタ視点を持つ」というもの。語り手の他に神様という絶対的な存在があるということは、「神の視点>一人称」ではなく、「一人称>神様の視点」という世にも不気味な構造を生み出しているといえる。それをうまく利用したトリックはかなりの切れ味。 それにしても、この作品は「後味が良い」って意見がけっこう多くて驚かされる。いや、確かに主人公は神様を克服したのだろうけど、それは一種の諦めによるものだからねえ……。まあ、神様は絶対的なんだから、自分の意識を変えるしか解決策はないんだろうけど。だって、(はぁと)じゃないですか。 |
No.9 | 7点 | mozart | 2015/12/09 13:41 |
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「犯人は○×だよ」から始まるパターンにようやく慣れてきたと思ったら「バレンタイン昔語り」の仕掛けで度肝を抜かれました。しかも真犯人が・・・。前作の「神様ゲーム」は未読なのでこちらも読んでみたいと思います。 |
No.8 | 7点 | いいちこ | 2015/09/02 13:36 |
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無謬の神様が冒頭に真犯人を明らかにするため、探偵たちは「当該人物がどのように犯行をなし得たか」を究明する、一風変わったハウダニットが並ぶ連作短編集。
各短編を思い切って荒唐無稽な真相とすることにより、神様が真実を保証していることを前提としなければ到底真相に到達できず、警察が特定した犯人が誤っているとしても、神様の存在を前提とできない故に、真犯人を告発できない。 神様の設定を存分に活かしきった挑戦的かつブラックな作品集であり、とりわけ「バレンタイン昔語り」の衝撃的な真相は本作の白眉。 例によってこの作者にしか書き得ない強烈な作品 |
No.7 | 6点 | 名探偵ジャパン | 2015/03/30 14:39 |
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問題作「神様ゲーム」の続編登場。
今作は、別段「子供向け」と謳ったりはしていないらしいが、例によってやりたい放題。 体は子供頭脳は大人探偵も裸足で逃げ出す、殺人事件に見舞われまくる小学校。異常に大人びた小学生など、この辺りは作者、わざとやってる。突っ込み待ち状態。 作家として自分が何を求められているか、よく理解している。 謎は解けるが事件は解決しない。周りがみな不幸になり誰も得しない。これが麻耶ワールドなのだ。 |
No.6 | 6点 | メルカトル | 2015/03/14 21:46 |
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麻耶雄嵩としては大人しめな感じがする。正直期待通りかと問われれば、否と答えざるを得ない。
主人公の周辺で次々と起こる殺人事件、とても小学生とは思えない大人びた会話、相変わらず現実味をシャットアウトしたプロットは、本領発揮と言えよう。アリバイ崩しも、動機なども一筋縄ではいかない辺りはらしさが出ている。 一方、途中で明かされるある仕掛けは、予想通りであった。実は1ページ目から怪しいと思っていたが、まさか的中しているとはね。ちょっとみえみえな気もするが。 ラストはやや意外な展開ではあったが、麻耶氏くらいになれば当然とも言えるだろう。 それにしても最近、連作短編ばかり読んでいる気がする。これも時代ゆえなのか。 |
No.5 | 7点 | HORNET | 2015/01/18 16:51 |
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「全知全能の神様」という設定や,同じ小学校でこんなに立て続けに人が死ぬなんて、というあたりは漫画のような非現実的さだが、割り切って楽しんでしまえるのが麻耶作品のよさ。こんな大人の会話をする小学5年生なんてありえない(笑)。
「貴族探偵対女探偵」のように、短編集ではあるが一冊を通したシリーズ的ストーリーになっており、こういう仕掛けは相変わらずうまいなぁと感じる。その流れの中での第4話「バレンタインと昔語り」は秀逸。ここから神様・鈴木の託宣が、真相にも深く深く関わってくる段階性は絶妙。毎回、主人公・桑町たちだけが真相らしきものにたどり着き、現実では未解決や別解決で終わっているダークさは麻耶作品らしさだが、すっきりしたい人には消化不良の思いが残るかも。私もどちらかといえばそうかな。でもこれが氏らしさでもあるので…気にしないことにしている。 ラストは予想通りだった。これもある意味ダークだが、そのままぽん、と投げて終わってしまうあたりは「さすがだな」と思った。 |