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[ 本格/新本格 ]

メルカトル鮎シリーズ
麻耶雄嵩 出版月: 1997年09月 平均: 7.46点 書評数: 59件

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幻冬舎
1997年09月

幻冬舎
1999年04月

幻冬舎
2000年10月

No.59 7点 zuso 2022/02/26 23:40
異郷という舞台を綿密に構築し、そして破壊する手腕の鋭利さが際立つ。
対比・対照の秀逸さも印象に残る。ミステリのエッセンスが詰まっている。

No.58 8点 虫暮部 2021/10/26 13:10
 魅力的な世界設定(変な宗教大好き)。“珂允”を始めとする突飛な命名が効いている。結末のぶん投げ方もまさに麻耶雄嵩。
 ただ、その“世界”の有様の描写にフーダニットが埋もれてしまった感はある。犯人の意外性とかロジックでも驚ければ最強だったのに。

No.57 6点 じきる 2020/12/20 01:28
舞台となる村の雰囲気や世界観は素晴らしいのですが、トリックがどうもね。巧さは感じられるけど、私の琴線に触れるタイプのトリックではなかったです。
読者にとって納得度が高いと思われる方の推理を捨て石にするやり方は麻耶らしい。

No.56 8点 雪の日 2020/04/15 15:02
トリックは微妙だけど、設定がおもしろいのでこの点数。

No.55 6点 ボナンザ 2019/08/25 00:32
麻耶らしい展開で楽しめたが、真相に関してはかなり不満もある。相変わらずメルカトルは神のようだ・・・。


①色盲トリックは確かにうまい。が、赤を赤と認識できないにしても、緑と赤がある場合、見え方が若干違うのでは・・・?
②兄弟トリックの方はむしろそうでないなら兄パートが不要になってしまうため、多分そうだろうなと思っていた。まあ、本人地の文で自分も田舎育ちとか言ってたし・・・。でも母が名前呼ぶ回想とか、村人が誰も気づかないこととか色々おかしい。というより松虫がそんなに長い間生きていられたのか?とか、最後あっけなく死ぬし、最後に思い浮かべるのは蝉子のセリフだし、ということでこいつの地の文は現在進行形でもあてにならないかも。そーゆー意味では全編丸ごと妄想(村に入るところから)ということもありうるかも。

第一メルカトルはどうやって数十日も一人で生活してたんだ・・・?まあこいつのことだから大鏡の所とか村人から食料盗んでたのかもしれないが・・・。

No.54 6点 レッドキング 2018/06/09 10:26
道尾秀介あたりの器用な作家が 麻耶雄嵩のパロディ(トリビュートでもいいが)として偽造したみたいな小説

(2021/4/9 追記)
3年程前に上記の愚にもつかない評を書き飛ばして以来、どうして、これに6点より上の採点をする気が起きないのか気になっていた。「翼ある闇」「夏と冬の奏鳴曲」「木製の王子」よりミステリとしての骨格プロットが劣ってるわけではない。閉ざされた半宗教的村落という舞台設定に魅力がないわけではなく、「兄弟コンプレクス」テーマが効果を奏してないわけでもない。「真相どんでん明かし」や叙述トリックが見事に決まった力作であることに間違いはない・・にも関わらず、上記三作にある「プラスα」(オマケでなく)が見当たらない。三作にある不思議な「緊張感のオーラ」の様な物が感じられない。思うに、ミステリには「閉鎖空間」「限定された人物」という設定が必要で、たとえ「四方を山々に閉ざされた場所」であっても、村落=社会にまで舞台が広がってしまうと、ミステリとしての緊張感が弛緩せざるを得なくなり、「プラスαオーラ」が生じにくくなるように思える・・そのへんなんだろう。

No.53 8点 風桜青紫 2015/12/29 06:39
作中でメルカトルを「冥府の使者」と表現するシーンがある。いつもはこういう大袈裟な表現を「アホかい」と嫌う風桜なんだが、これについては、該当のシーンの異様ぶりも相まって妙に納得してしまった。一作目の『翼ある闇』で無惨に死んでいったはずのメルカトル。この作品ではそんな予兆を見せることもなく元気に動き回ってるんだが、彼が帯びてるのは、死を予告された人間の間抜けや切なさ以上に、なんだか、どこかが矛盾しているような気味の悪さなのだ。頑張って作ったジェンガのタワーを空手チョップで粉々にされるようなラストシーンだが、それを実行しても納得できるのは、悪意をもった個人ではなく、超常現象的な「冥府の使者」という存在なのかもしれない。麻耶雄嵩の長編ではこれがベスト。

No.52 8点 龍樹 2015/11/26 10:32
基本点:5点
「設定」のトリックに:+2点
叙述トリックに:+1点
合計:8点

作者の最高の完成度との評価もある作品で、実際そうなのかもしれないけれども、
「翼ある闇」「夏と冬の奏鳴曲」と比べると、少し絢爛さ外連味に欠ける。

No.51 8点 蟷螂の斧 2013/03/07 20:03
(ネタばれあり)地図にない村の雰囲気が良く描かれています。閉ざされた村での、鬼子の存在(見えない物が見える)がうまく、大胆なトリックへの効果となっていると思います。また主人公の人形への愛着(やや崩れている感じ)が結末に繋がっているところも効果的でした。

No.50 8点 mozart 2013/01/07 19:05
本作でのメルカトルが、何気に普通の「名」探偵だったりするところが意外でした。
小説の舞台設定(隔絶された村?)や、2つの大きなトリックについても、見事に騙された私としては、何も言うべきことはありませんです。私がこれまで読んできた麻耶雄嵩氏の作品群の中でも上位に位置することは間違いありません。

No.49 7点 メルカトル 2012/10/29 21:33
再読です。
みなさんの書評を拝読して、自分はこの小説の表層しか読み取れていないのではないかという危惧を感じた。
淡々と物語が進行していく中、結構なペースで殺人が発生したり過去の事件が絡んでくるが、それに相応しい緊迫感が全くないのはどうにも。
しかし、忘れた頃に登場するメルカトルがやけに格好良い。
本当に久しぶりに読んだわけだが、真相を含めて全く憶えていなかった自分が情けなかったりもしたが、新作を読んだかのような感覚はなんだか得した気分にもなったりして。
トリックに関しては新味はないかもしれないが、演出が上手いので、思わず唸らされる。
とにかく、まったりとしたストーリーと裏腹に、真相が暴かれるシーンはいきなり緊迫の度合いを高め、再読して本当によかったと思わせてくれ、大きな収穫であった。

No.48 7点 ミステリ初心者 2012/07/28 11:59
ネタバレあります。


 かなりいろいろな要素を盛り込まれています。この人の作品は、全力で読者を騙してきます。完全にだまされました。メルカトルの神のような登場が面白かったです。

 鬼子のついて、その特徴は気付いたのですが、そんなことありえるかな?と疑問。ただ、普通は異常なことも、多数になればそれが正常になる、というところは面白いです。

 叙述トリックもかなりよかったです。まるで生き返ったかのように感じる演出もいいです。後で見返すと、大胆なヒントが沢山有ります。

 おおきい叙述トリックと、犯人当てがあまり関わっていないように思える点と、キャラクターの名前が良くない(ネタがばれる)点があり7点にしました。

No.47 6点 E-BANKER 2012/05/27 21:39
1997年発表、作者のシリーズ探偵・メルカトル鮎登場作品。
ファンタジーか、はたまた本格ミステリーか、得体のしれない文体&雰囲気が怪しい作品。

~弟・アベルの失踪と死の謎を追って地図にない異郷の村に潜入した兄・カイン。襲いかかる鴉の大群。4つの祭りと薪能。蔵の奥の人形。錬金術。嫉妬と憎悪と偽善。五行思想。足跡なき連続殺害現場。盲点を突く大トリック。支配者・大鏡の正体。再び襲う鴉・・・
そしてメルカトル鮎が導く逆転と驚愕の大結末とは・・・作者の神話的最高傑作!~

これは・・・評価が困難・・・。
本作の「盲点を突く大トリック」とは、①村の住民に隠されたある秘密、②主人公であるカインの正体、の2点だろう。
まず①だが、さすがにこれは終盤にさしかかる辺りで気付いた。同種の仕掛けというかガジェットは、どちらかというと古いタイプの本格ミステリーで多用されるものだが、本作ではそのスケールがでかい。(何しろ、村民のほとんどが○○なのだから・・・)
で、問題は②なのだが、さすがにメルカトルがラスト近くで放った台詞には驚かされた。
普通、誤認するよなぁ・・・。
まぁ、それが作者のうまさだと言ってしまえばそれまでだが、この書き方であれば、よっぽどヒネくれたミステリーマニアでもない限り、この真相には到達しないのではないか。
とにかく、①②とも作者ならではの大トリックという評価は当たっているだろう。

と、ここまでは一応誉めておくが、
個人的に好きなタイプのミステリーではなかった。
独特の世界観が支配する「舞台設定」というのも、当然アリだとは思うが、ここまでリアリティを無視されるとなぁ・・・
ちょっとツライ。(設定を呑みこむまでに時間を要してしまった)
ラストもこれ程読者を煙に巻いたにしては、ちょっと中途半端かなという気にはさせられた。(上記の②以外)

まぁ、でも作者にしかできない芸当かもしれないですねぇ・・・
そういう意味では、評価されて然るべきなのかもしれません。
(「鴉」はあまり関係なかったような気がするが・・・)

No.46 5点 いいちこ 2012/03/12 21:09
大きな2つのメイントリックが見所。
1つめのトリックはある有名なトリックを極めて大胆に使用している点で作者ならではの奇想。
ただここまで突拍子もない設定とするからには、合理的に説明し得る、少なくとも蓋然性を予感させる程度の背景は必要で、それが皆無である点でファンタジーの域を脱しない。
もう1つのトリックも無理を感じるレベルで正直あまり感心できるデキとは言い難い。
本来ならもっと低い評価が妥当だが、最初に示される真相の完成度が高くこの評価とした。
ネタバレしないように書評するのが難しいが、一言で言って好き嫌いが分かれるとしか言い様がない。

No.45 7点 好兵衛 2011/11/15 02:16
なんというか、ファンタジー?
ファンタジー感が漂った作品でした。

それが、悪く出ちゃうんじゃないかと
不安でしたが、
うまい具合にトリックとの雰囲気をつくっていました。

二大トリックはどちらも楽しめ騙されました。

難点は…わからない。
全部はわからないよなぁというところ。
個人的に主人公の例の設定はちょいと苦しいと思いました。

No.44 7点 モグ風 2011/08/29 06:59
設定がSFっぽいけど、一応ミステリー小説みたいな。。
これは正直批評が難しい。
(自分の中ではミステリーとSFはまったく別のジャンルと認識しているためだと思われる。)
SF小説としてみるならどれだけ現実離れしていて、どれだけその世界観に引き込まれるかで
ミステリー小説としてみるならどれだけトリックやどんでん返しのようなものに驚かされるかで自分は評価してますので

純粋なSFとしては8点、ミステリとしては6点で総合7点かな。。

No.43 6点 りゅう 2011/08/27 11:52
 読者が推理でもってこの真相にたどり着けるはずはなく、本格作品ではありませんが、アイデアとしては面白いと思います。情景描写などは文学的で、個々の文を見るとうまいと思うのですが、全体としては読みにくい、不思議な文章です。会話部分が多く、ストーリーは単調で、これだけのページ数になっているのが不思議でもあり、ミステリとしてみると冗長に感じます。謎に魅力がなく、読んでいる最中はミステリという感じがしませんでした。
 最後に、珂允とメルカトルの二人の推理が示され、メルカトルの推理が真相なのですが、珂允の推理の方に論理性を感じました。村人にとっては見えない犯人、殺人を犯しても痣が浮かび上がることを恐れない人物、鬼子の意味、血で汚れた手の跡と手が拭き取られていた理由、遠臣が殺された時に式服を着ていた理由などの推理にはなるほどと思いました。最後のメルカトルの登場は演出効果抜群ですが、どうやってあの場に居合わせることが出来たのでしょうか。

(完全にネタバレをしています。要注意!)
 叙述トリックには読後も全く気が付かず、ネタバレ解説サイトの説明を見てようやく理解しましたが、感心するほどの内容でもありませんでした。最後のメルカトルの推理が真相だとすると、庚を演じていたのは珂允ということになりますが、「庚=珂允」であることに村の人は誰も気が付かなかったのでしょうか。この作品の一番の問題点は、事件の記述者が精神に異常をきたしており、嘘の記述が随所にあることです。

No.42 8点 simo10 2011/05/21 00:19
麻耶氏の初期の作品はほとんど絶版なので、発行順を無視して、とりあえず書店に売っていた本を先に購入しましたが、全然前の作品の内容に触れることもなく安心して読めました。

またしても大胆過ぎるトリック炸裂でした。
第一作(翼ある闇)を読んだだけでも、現実に沿わない独特の世界を構築する作家だと分かっていたので、鬼子トリックに関してはそのこともうまく暗幕が張られていたと思います。(普通の作家がいきなりこんな世界観の作品を書いたら、こりゃ何かあるなと疑うと思います)
兄弟トリック自体はすぐに分かってしまったのでカタルシスは得られなかったけれども、真相までは分かっていなかったので最後の数ページでのカタストロフィ→閉幕の流れは痺れました。
不満があるとすれば、説明がやや足りないため、読解力の乏しい自分ではネタばれサイトの力を借りずに全容を知ることができなかったことです。

No.41 9点 3880403 2011/04/16 03:28
読み応えありでラストは二度衝撃だった。
伏線もうまく張られててこういう作品は個人的に好き。
ただ、登場人物の名前や世界が馴染みにくいと思う人は苦手かもしれない。

No.40 4点 ムラ 2011/01/31 21:34
(ネタバレあり)

独特の世界観で構成された雰囲気がなかなか良かった。
村の設定とか人々の関係とかと合わせてとっても幻想的な感覚。
トリックはまぁ、よくある感じだし普通。もうちょっとギリギリまで攻め込んで書けた気がする。もうひとつの方は面白かったけど、わりと読者に伏線だしまくってたので満足。


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