皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ クライム/倒叙 ] 99%の誘拐 |
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岡嶋二人 | 出版月: 1988年10月 | 平均: 7.05点 | 書評数: 61件 |
徳間書店 1988年10月 |
徳間書店 1990年08月 |
講談社 2004年06月 |
No.61 | 7点 | ねここねこ男爵 | 2024/12/22 14:18 |
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とても面白い小説で、それだけにちょっと残念
多くの人が書かれてるように、最後にもうひと山あったら凄い名作になっていたかも 以下ネタバレ含みます 倒叙形式になっている最大の理由は、時代的にあまりにも先進かつ複雑な主人公の手法を説明するため&ちょっとトンデモ気味なので少しでも説得力をもたせようとするためだろう(あとは最後の謎の仕込みのため) 狙いは成功しているし没入度も上がっているが、引き換えに謎解き成分がかなり少なくなってしまったのが惜しい。かといって最後に一気に説明されても誰も納得しないだろうからこれしかなかったが ただせめて、探偵役?の過去の行いを伏せる&もっと手の込んだものにして、ラストで主人公に指摘させる程度はやってよかったように思う(ミエミエではあるが)。本作でも途中でやってるしシンプルかつ明瞭な推理なものの、あまりにもあっさり済ませてしまってるので 他にも手記に色々仕込みどころがあったりと、もっともっと面白くなりそうだった点で惜しい |
No.60 | 9点 | ぷちレコード | 2024/08/15 22:24 |
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犯人の男は、キーボードで身代金を要求する文章を打ち、それを女の声に電子合成する。それを他人のコードレス電話を仲介して送るので逆探知も不可能である。コンピュータに保存された証拠の記録はハッカーして隠蔽するわ、コンピュータの冒険ゲームに見せかけての被害者の少年をおびき出すわ、今や日常的になった機器を使いながらも、その組み合わせが実に鮮やかでアイデアの巧みさに感心する。
本書は、コンピュータ創世期からの歴史や、熾烈な企業間競争に触れていて、それが事件の真相に繋がる。犯罪の背後関係は、ハイテク犯罪の不気味な無表情さとは打って変わって人間臭く、読後は妙にしんみりした。 |
No.59 | 7点 | 臣 | 2023/05/16 13:57 |
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誘拐モノといえば、彼らお二人さんが超有名。
ITを駆使した誘拐ミステリーです。 30年前のITといえば、今読んで耐えられるかなと心配でしたが、そんな古さは感じられず、むしろその時代のIT技術って意外にすごいと感心しました。 ラップトップとかパソコン通信とかの用語は死語というよりは、郷愁を感じさせてくれ、心地よくもありました。 しかも、最初の手記で読者をじんわりと惹きつけておき、その後は緊迫の倒叙スタイルというミステリーとしての流れも申し分ありません。読みどころはたっぷりあります。 ただし、最後にもう一つ何かあればという感じがしないでもありません。 |
No.58 | 6点 | みりん | 2023/03/16 02:54 |
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たまには殺人事件のないミステリも良いなあと思えた1作。 |
No.57 | 8点 | Kingscorss | 2020/09/17 11:22 |
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30年以上前の作品なのに、倒叙ミステリーとしてかなりよく出来た傑作でした。エンタメ性が半端ない!
とにかく、読んでて引き込まれます。手に汗握るとはこのことでしょうか。最初から最後まで息つく暇もなくグイグイ読破できます。岡島二人さんは本当に読みやすく、それでいて味のあるうまい文章を書かれるのであっという間に読めました。 倒叙ミステリーなので犯人やトリックは読者にはほぼ全てわかっていますが、警察を煙に巻くその手段や行動力がとにかくクールでカッコイイ。もう某国スパイ並です。 ただ、当時はハイテク機器でも今では30年前のもの(音響カプラーとかパソコン通信とか)なので、それらを知らないと少し混乱する時があるかもです。わからない機器はググりましょう。自分もカプラーとかわからなかったので調べました。より楽しめます。しかし、この時代に既にボーカロイドみたいなのを登場させてたあたり、とにかく岡島二人さんは小説(クラインの壺とかもだが)の中では発表当時の時代より何10年も先に行ってた方だったんだなぁと実感しました。 あえて残念だった所をいえば、倒叙なのでどんでん返しみたいな驚愕のラスト(一応プチサプライズみたいなのはあるが)は用意しておらず、映画のワンシーンみたいなクールな終わり方なので、ちょっと物足りなく感じる読後感になることでしょうか… 完全に個人的見解ですが、最後もう少し派手な帰結があるとなお良かったと思いました。これはこれでカッコいい終わり方だとは思うのですが… |
No.56 | 6点 | ミステリ初心者 | 2018/11/16 00:16 |
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ネタバレをしています。
今読んでもまったく古さを感じず、一気に読み終えました。 今日では、キーボードで打った文字などを合成音声でしゃべらすことは、ゲーム実況動画などでよく目にします。"アスカ"の音声が、私の頭の中では、例の声で再生されました。これを80年代後半?で書いていたとは・・・。(私はパソコンについてド素人のため、もしかしたら全くの別物かもしれませんが) 生駒慎吾の、ダイヤを回収する手段は天才的で、ハッとさせられました。 慎吾誘拐事件の動機や意外さにかけていたことは、やや不満でした。あとは、どんでん返し的要素に乏しく、その意味では地味でした。 |
No.55 | 8点 | メルカトル | 2017/07/14 20:34 |
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さすが「人さらいの岡嶋」と呼ばれるだけある、彼らの代表作の一つと言ってもよいだろう一作。誘拐の後にまた誘拐という、豪華なのかやりすぎなのかよく分からない作品ですね。構成的にはややくどい感じもしますが、それだけ力が入っていると捉えるのが正解でしょうかね。
当時の最新ハイテクを用いた倒叙物の誘拐は大変小気味よく、スピード感に溢れたサスペンスを生み出すことに成功していると思います。小物をうまく活用したりしてエンターテインメント小説として、見事な出来栄えに仕上がっています。 ただなぜ99%なのか、との疑問が最後まで理解できませんでした。やはりある人物に見破られてしまったから完全犯罪と言えないという解釈でいいんでしょうか。 いずれにしても誘拐物としては一級品と言えると思います。 |
No.54 | 6点 | 測量ボ-イ | 2017/02/24 19:47 |
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サスペンスものとして評価すれば、評価できる作品。
さすがは「誘拐の岡嶋」といったところです。 ただ他の方の指摘にあるように、何か物足りなさがあるんですよね。 採点は 基礎点7点-1点(このもの足りなさ) やや辛いかな? |
No.53 | 10点 | パメル | 2016/01/11 22:24 |
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パソコン通信・コードレス電話・ラップトップパソコンといった当時の
最新鋭機器を駆使して捜査陣を煙に巻くさまが心地良い ハイテクによって制御された完全犯罪をこの時代に書かれたという事が 何よりも驚きである スピード感もあり時代を超越するエンターテインメント小説 |
No.52 | 9点 | ロマン | 2015/10/24 23:10 |
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時効となった誘拐事件、逃げ切った犯人と解決できなかった警察への意趣返し。無謀だし無意味にも思えるが、そうせざるを得なかった犯人の心境を思うと哀しい。 事件の根底にあるのは、家族のために苦渋の決断をした男の悔しさで、彼に対して1人は罪の意識を抱いて生き続け、もう1人はその無念を晴らすために孤独な戦いを挑んだ。 2つの犯罪の犯人に寄り添っているが、逃げ切ったことへの喜びよりも過去への苦い思いの方が強いようにみえる。 時代背景やITの描写にはさすがに時の流れを感じるけれど、事件そのものは今読んでも面白い。 |
No.51 | 8点 | 斎藤警部 | 2015/10/04 17:52 |
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「奥歯をかみしめる」にはそんな場合もあるんだなあ。。
世代に渡る陰謀と誘拐の話にしては重圧感をスポーツ的快感で押し切った感のある娯楽大作。テクノロジー使いの見せ方も気持ちがいい。 意外な結末(真相隠匿)へのこだわりと、もう一歩踏み込んで残酷な人間ドラマがあったら。。とは思うがそれでも高得点を付けるしかない。 |
No.50 | 6点 | ボナンザ | 2014/04/07 22:43 |
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落ちはだいたい読める。それでも引き込まれてしまうのはすごいことだと思う。 |
No.49 | 7点 | アイス・コーヒー | 2013/12/12 11:20 |
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身代金であるダイヤモンドをめぐって、最先端のテクノロジーを駆使した犯人と警察や被害者を描いた倒叙型誘拐サスペンス。吉川英治文学賞受賞作。
当時最先端だった科学技術を中心に物語が展開する一方で今なお色あせない名作だ。西澤保彦氏の解説を引用するならば「疾走する孤独」。倒叙であることによって犯人の計画の綿密さとスリルが読者に強く伝わってくる一方で、その人物の犯行動機に悲しみを感じる。だから謎解き要素はないが、作品世界に魅せられた方は私以外にも大勢いるだろう。(個人的には例の作中作に複雑な仕掛けがあると睨んでしまったのだが…) やはり印象的なのは誘拐された少年とアスカの会話。「決して許してはいけません」というセリフが心に残る。 |
No.48 | 4点 | mozart | 2013/02/16 14:30 |
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最後のダイヤモンドの行方以外、謎解き要素はほとんどなく、ミステリーというより、ハラハラ感の少ないサスペンスドラマを観ているような感じでした。これはこれとして面白いのですが、復讐のためとはいえ、自分と同じ誘拐犯罪の被害者を新たに出すことを厭わない、という犯人の心理には感情移入できないどころか、嫌悪感を抱かざるを得ず、読後感はイマイチでした。 |
No.47 | 6点 | misty2 | 2012/03/31 09:18 |
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犯行者が判った上で、楽しむストーリー。
こういったミステリもあるんですね。 大どんでん返しが欲しい小生としては、最後の一文まで期待するも… ある一人には見破られ、99%の誘拐。 |
No.46 | 6点 | いいちこ | 2012/02/29 20:02 |
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ミステリというよりサスペンスと呼ぶべき作品だが、相変わらずプロットは抜群。
起伏の少ない一本道のストーリーだが、平易かつ簡明な語り口で一気に読ませる魅力がある。 ただ事件の全体像があまりにも早い段階で明らかになってしまう点、盛り上がりに欠けるラストでやや減点 |
No.45 | 8点 | モグ風 | 2011/12/12 20:12 |
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過去の誘拐から新たな誘拐までのつなぎまではかなりよかったが、
第二の誘拐事件が犯人の思い通りにうまく行き過ぎてる感じがある。 自分としては同一作者の『どんなに上手に隠れても』のほうがおすすめ |
No.44 | 5点 | 蟷螂の斧 | 2011/11/24 11:17 |
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物語の展開や、運搬役に自分を選ぶというアイデアは良いと思った。スキー場での場面は、現実味が感じられず、少し無理があるのではないか?また、登場人物もサラッとした人間ばかりで物足りなさを感じた。 |
No.43 | 3点 | ムラ | 2011/07/06 15:40 |
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展開がスラスラと流れて行って面白かった。ただ、謎が薄いので話の先にそこまで引きつられなかったのが残念。
しかし20年前にこういう話を書けるのは凄い。 |
No.42 | 9点 | ナナ | 2011/05/19 17:14 |
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いまだにパソコンが苦手ですが、それでもこの作品のすごさは実感します。岡嶋さんの作品はみんな好きですが、これが最高だと思います。これだけ大掛かりなトリックなのに誰も傷つかない点に、岡嶋さんの優しさを感じます。安心してお勧めできる作品です。 |