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[ 本格/新本格 ]
invert 城塚翡翠倒叙集
城塚翡翠シリーズ
相沢沙呼 出版月: 2021年07月 平均: 7.20点 書評数: 5件

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講談社
2021年07月

No.5 7点 まさむね 2021/09/26 16:52
 昨年度の話題作「medium」の続編で、引き続き「城塚翡翠」が登場。今回は倒叙形式の3つの中編で構成されています。
 うち2作品は、上質でオーソドックスな倒叙ミステリ。翡翠の古畑任三郎化?も微笑ましい。その流れでの最終話「信用ならない目撃者」が断トツにおススメ。主人公に語らせておいて、そう来たかという結末で、純粋に楽しめました。なかなか興味深いタイトルだったけれども、最も信用ならないのは作者だったりして。油断ならないなぁ。次作も楽しみに待つとしましょう。

No.4 7点 じきる 2021/08/29 21:49
オーソドックスな倒叙ものながら、証拠を丁寧に検証していく手法には好感が持てます。
最終盤のひっくり返しも綺麗に決まっており、前作と比較してもそれほど遜色はない良才でしょう。神経を逆撫でするような言動の翡翠ちゃんも、まぁ嫌いではないです(苦笑)

No.3 7点 文生 2021/08/14 11:25
全3話の中編集。
最初の2話は犯人の仕掛けたトリックを読者に隠したまま進行するという特徴はあるものの、それ以外はオーソドックスな倒叙もので出来もまずまずといったところです。ところが、最終話でその流れを逆手にとったどんでん返しが用意されており、大いに驚かせてくれました。
ただ、間近で長時間接していたのに腕利きの探偵がなぜ、×け××クに気付かなかったのか?その点だけが不自然に感じてしまいました。

No.2 8点 HORNET 2021/07/22 17:24
 2019年のミステリ界を揺るがせた名作「medium」の美少女霊媒探偵・城塚翡翠再びの登場。今度のは犯行場面が先に描かれる倒叙式の中編3編。翡翠が犯人を追い詰めていく過程で、何を手がかりにしてどんな推理をしたのか、読者は推理させられる。
 2作目にしていきなり「警部補 古畑任三郎」のオマージュになっていて笑えた。「よろしいですか、よろしいですか」といった語り口調もおそらく意識していて、読んでいるうちに頭の中で田村正和の声が重なって聞こえてきた(笑)
 犯人が遺した微細な手がかりや、綻びをとりあげ、ラストで論理的に追い詰めていく展開は見もの。とはいえ今回はオーソドックスな倒叙モノか、と思わせておいて…読者をあっと言わせる仕掛けは健在だった。

No.1 7点 2021/07/21 19:45
 綿密な犯罪計画により実行された殺人事件。アリバイは鉄壁、計画は完璧、事件は事故として処理される――はずだった。だが犯人たちのもとに、死者の声を聴く美女、城塚翡翠が現れる。大丈夫。霊能力なんかで自分が捕まるはずなんてない。ところが・・・・・・。
 ITエンジニア、小学校教師、そして人を殺すことを厭わない犯罪界のナポレオン。すべてを見通す翡翠の目から、彼らは逃れることができるのか? ミステリランキング五冠を獲得した『medium 霊媒探偵城塚翡翠』待望の続編は、犯人たちの視点で描かれる、傑作倒叙ミステリ中編集!
 「小説現代」二〇二一年一月号掲載の中篇「泡沫の審判」に書き下ろし二篇を加えて刊行された、ファン感涙の翡翠ちゃん作品集。収録作は発表順に 泡沫の審判/雲上の晴れ間/信用ならない目撃者 。『medium~』ほど粘着質の論理ではないものの、今回も相変わらず根性悪。メガネっ娘バージョンまで駆使して迫るあざとさに、思わず犯人に「後ろだよ、後ろ」と忠告してあげたくなります。
 最初の二篇は巧みなアリバイを崩すコロンボ風の正統派倒叙なんですが(ただし証拠の緻密な精査は前作仕込み)、最後の「信用ならない~」がすっげえタチ悪い。掴んだ弱みを匂わせつつの脅しで政官財に食い込む、元腕利き刑事が犯した告発者の殺害。決して証拠を残さぬ強敵に、さしもの翡翠も次第に焦燥を募らせるが――
 と見せかけての鮮やかなうっちゃり。まあ今回ちょっと焦り過ぎなんちゃう? を含めた描写とか、読んでて多少の違和感はあったのですが。というか何だよ〈びっくり小説〉とか〈本当に大事なのは創造性溢れる論理の構築〉とか熱く語っといて。もうこの作者の言葉は一切信用出来ません(褒め言葉)。
 という訳で捻りまくりなのは最後の「信用ならない~」ですが、ベストはIT技術の盲点を利用したアリバイ作り「雲上の晴れ間」。確実性では劣りますが、タイトルとリンクした決定打の「泡沫の審判」もレベルは高い。よって採点は7点から7.5点といったところ。ただし中篇集故か、恒例のふともも連呼や変態制服フェチ推理はありません。


相沢沙呼
2021年07月
invert 城塚翡翠倒叙集
平均:7.20 / 書評数:5
2020年12月
教室に並んだ背表紙
平均:7.00 / 書評数:1
2019年09月
medium 霊媒探偵城塚翡翠
平均:7.94 / 書評数:18
2017年08月
マツリカ・マトリョシカ
平均:7.23 / 書評数:13
2014年09月
スキュラ&カリュブディス 死の口吻
平均:5.00 / 書評数:3
2014年03月
雨の降る日は学校に行かない
平均:6.00 / 書評数:2
2013年11月
卯月の雪のレター・レター
平均:4.50 / 書評数:4
2013年08月
マツリカ・マハリタ
平均:5.29 / 書評数:7
2012年04月
ココロ・ファインダ
平均:5.00 / 書評数:1
2012年03月
マツリカ・マジョルカ
平均:5.15 / 書評数:13
2011年11月
ロートケプシェン、こっちにおいで
平均:5.00 / 書評数:4
2009年10月
午前零時のサンドリヨン
平均:5.75 / 書評数:8