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[ 青春ミステリ ] マツリカ・マジョルカ マツリカシリーズ |
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相沢沙呼 | 出版月: 2012年03月 | 平均: 5.08点 | 書評数: 12件 |
角川書店(角川グループパブリッシング) 2012年03月 |
KADOKAWA/角川書店 2015年03月 |
No.12 | 4点 | ボナンザ | 2021/08/07 15:28 |
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創元の方と比べてもかなりラノベ寄りに飛ばしているのは角川だから?
最後のオチはマツリカの指摘の箇所で大方の人は気づくと思います。 |
No.11 | 5点 | 雪 | 2021/01/13 15:42 |
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学校近くの雑居ビルの窓から身を乗り出す女の子に気付いた事から、廃墟に住まう謎めいた年上の彼女――マツリカの魅力に囚われ、傅く羽目になった冴えない高校1年生・柴山祐希。「柴犬」と呼ばれいいように扱われつつも、〈人間観察〉を趣味とするマツリカに従い学園の謎に関わるうちに、クラスに居場所を見つけられぬ彼自身の心も次第に変化していく・・・。
『午前零時のサンドリヨン』で鮎川哲也賞を受賞し華々しくデビューした著者が満を持して放つ、青春ミステリシリーズ第一弾。 雑誌「小説 野生時代」二〇一〇年十一月号~二〇一一年七月号に掲載された三本の短編+書き下ろし作品を収めた、マツリカシリーズ第一集。収録作は 原始人ランナウェイ/幽鬼的テレスコープ/いたずらディスガイズ/さよならメランコリア 。三作目「~マトリョシカ」の評価が高いようなので、その下準備として読了。〈現実離れしたヒロインに依存する主人公〉というのは好きなシチュエーションではないのだが、いずれにせよサクサク読めるのは「medium ~」と同じ。最後に仕掛けはあるものの本書に限ればアッサリ系で、あれ程の吸引力は無い。 なお一話目の「原始人ランナウェイ」は秋梨惟喬「殷帝之宝剣」、鳥飼否宇「天の狗」等と共に、第64回日本推理作家協会賞・短編部門の候補作に挙げられたが、キャラクター小説でありいささか弱いとの寸評が多く、残念ながら高評価は得られなかった。ちなみにこの時の受賞短編は深水黎一郎「人間の尊厳と八〇〇メートル」、麻耶雄高「隻眼の少女」と米沢穂信「折れた竜骨」が、協会長編賞を同時受賞した年でもある。 最終話以外はマツリカの指示で、「手すり女」や「ゴキブリ男」といった存在を見張らせられる羽目になった柴犬が出食わす、〈旧校舎裏に現れ全力疾走する原始人〉〈全員がゴールしている筈なのに、一枚足りない肝試しのお札〉〈文化祭の上演直前、盗んだアリスの演劇衣装を脱ぎ捨てて消えた女の子〉といった日常の謎を解く展開。一話はどうとでも解釈出来る緩さだが、学園ものにしては結構ヤバげな二話目も、肝心の推理は〈そういう見方もある〉程度で、緩さはそれほど変わらない。多少とも整ってくるのは状況限定の三話目以降か。 引っ込み思案で自分の殻に閉じ籠もる一方、マツリカの誘惑には年齢相応のリビドーを募らせる主人公・柴犬にはあまり同情できないが、三・四話ではモラトリアム状態から自己の閉鎖性に気付き、おずおずと外界に向けて踏み出す流れになっている。が、次作「~マハリタ」でも性格の根本は変わらず、その歩みは遅々としたものである。 シリーズ最終作に向けていくつかの伏線が張られているようだが、見えてくるのは登場人物が揃い出してから。この段階で柴犬の傍にいるのはボーイッシュな写真少女の小西さんだけで、そこまで大きな進展は無い。ラストの「さよならメランコリア」で明かされる主人公の秘密も、読んでいくと薄々感じ取れてしまう。 疎外と逃避をテーマに据えたライトノベルで、それなりに纏めているがミステリとしては薄味。シリーズとしての真価を知るには、次作以降を読み進むしかないようだ。 |
No.10 | 6点 | sophia | 2020/09/18 00:21 |
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ミステリー小説としては中身が薄いです。そもそも扱う事件自体が「こんな事件があったんじゃないか」という推測に基づくものが多く、実体が見えにくいので読み応えに乏しいです。あまり事件に関係のない叙情的な描写も多いですしね。それでも最終話のサプライズで幾分取り返したかと思いましたが、伏線となった彼女との思い出部分を読み返してみると、フェアとはちょっと言い難い気がします。怪談が事件につながったのは1話目だけですね。3話目のゴキブリ男は少しは事件に絡めてほしかったです。ただ全体としてこういう緩い作品も箸休めとしてはいいのかなと思ったりもします。6点が付けづらい流れですが、まあ5点に近い6点ということで(笑) |
No.9 | 4点 | Kingscorss | 2020/08/12 13:39 |
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完全な童貞ライトノベルでミステリー要素はほぼ皆無。空飛ぶ馬、氷菓みたいな日常の謎を第三者が安楽椅子探偵で謎を解く構成。氷菓をもっとラノベっぽくした感じ。
キャラクターがSとMのやりとりであまり好きではなかった。マツリカはいわゆるツンデレのSM嬢、男は典型的なエロに夢見るシャイなキョド男のM豚って感じ。特に男のほうがいかにもラノベの主人公という感じで嫌悪感。 短編4つで最初の3つがなんとなく最後の姉の話に繋がっていきますが、ミステリー慣れしてればかなり初めの方からこの展開は予想可能。 こういうキャラクターのノリが好きな人だと6点ぐらいにはなるかも。自分はダメでした… このマツリカシリーズの3作目と同作者のMediumを勧められたので1作目から読んでる最中です。 |
No.8 | 5点 | レッドキング | 2020/07/05 19:40 |
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廃墟ビルに一人で暮らす謎の美少女安楽椅子探偵と、ワトスン役のシスコンうじうじ少年。不思議事象解釈の4連作短編が、最後に少年の姉を巡る長編ミステリに収束する。女高生マジシャンシリーズよりも、ヒロインの非現実性=メルヘン性が高いのが魅力的なのと、よりメンヘラ重度のワトスン役男子高校生が、最後に主役へと転身するミステリ展開が鮮やかなので、点数オマケ加算。 |
No.7 | 5点 | makomako | 2020/05/09 19:59 |
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かなりへんてこりんなお話でした。
主人公のマツリカさんは極めて傲慢、それに従う柴犬君は何とも優柔不断。読んでいてイライラさせられます。 一応推理小説となっていますが、マジョリカさんの推理がうまく述べられていないのか、私にはわかりにくいお話もありました。 もともとあり得ない設定なのですからこんなもんでよいのかもしれません。一番良かったのはマツリカさんのセクシーシーン |
No.6 | 5点 | VOLKS | 2018/08/10 09:32 |
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キャラクターも、内容もそんなに悪くはなかったのだけれど、文体がどうもしっくりこなかった。
短編集だったのも手伝ってか、最後までのめり込むことが出来なかったことが残念。 柴犬が、好き(笑) |
No.5 | 6点 | 名探偵ジャパン | 2018/06/18 23:01 |
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シリーズ最新作の「マツリカ・マトリョシカ」が評判がいいと聞き、読んでみようと思ったのですが、シリーズもののため第一作のこちらから手を付けていくことにしました。
これは完全にキャラクター小説ですね。ミステリ3に対してキャラクター7くらいの配合。ですがこれはいい意味での評価で、優れたキャラクター小説にミステリ的なスパイスがかかっていると思えばいいのです。 本作は一応、一般書籍として出ているのですね。こういうものこそ若い読者に読んでほしいので、ライトノベルレーベルで出して若いミステリファンを増やしてほしいものです。 |
No.4 | 6点 | メルカトル | 2018/01/20 22:23 |
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これは好悪が分かれるでしょうね。
魔女というより女王様のような女子高生マツリカと、彼女に下僕のようにお前呼ばわりされ、パシリや雑役にいいように使われながらも、決して逆らえない「柴犬」こと柴山。僕柴山はマツリカの魅力に頭が上がらないのに、隙を見ては太ももの奥を覗こうとしたり、性的興味津々で普通の感覚からするとかなり格好悪いです、というか気持ち悪かったりします。 ですが、私にはその情なさも含めて、文章から立ち昇る青春の後ろめたい生々しさや、屈折した彼の心情になぜか惹かれます。フィーリングが合うと言ったらいいんでしょうか、心の襞に触れる何かを感じます。 ミステリとしては日常の謎が主なテーマとなっています。マツリカの謎解きは確かに理に適ってはいるものの、真相自体はいたって単純と言えます。少し考えれば、まあそうなんだろうなと納得できます。ですが、それは絶対的な真実とは言い難く、他にも考え方はありそうとも思えます。つまりは、想像の域を超えていないってことでしょうか。 しかしながら、疾走して消え去る「原始人」の謎など怪談話の使い方はなかなか面白いと思います。 最終話は柴山君自身に関わる謎でマツリカに挑戦しますが、あっさり見破られます。これは印象深いストーリーですよ。ちょっぴり切ないですし、なかなかいい話だと思いました。 |
No.3 | 6点 | 虫暮部 | 2013/09/11 15:32 |
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良くも悪くも CLAMP の絵柄をイメージしてしまった。
姉に関する事柄は伏線が判り易く張ってあり、すぐ気が付いた。伏線というより文章のニュアンスで読み取れたというべきか。 語り手の独白が少しくどいし、ミステリ色は薄いが、青春モノとして楽しめた。 |
No.2 | 4点 | まさむね | 2012/10/24 22:40 |
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正直,私にはフィットしなかったです。謎の高校生(?)女王様マツリカにも,気弱な高校生柴山クン(通称:柴犬)にも,結構イラッとしましたねぇ。写真部の小西さんは好印象だっただけに,残念。ミステリ部分も,あまり印象に残らないと言いますか…。
マツリカの正体などが放置されっぱなしですし,ラストからも何となく続編を意識しているように感じます。仮に,続編が出されるのであれば,盛り返しに期待しましょう。(手に取るかどうかは別として…。) ちなみに,この作者の描く高校生は,マジシャン探偵シリーズを含めて,太ももに弱すぎ。分からなくはないけれども,単に作者の嗜好性だけが理由だったりして(笑)。 |
No.1 | 5点 | ayulifeman | 2012/06/12 23:41 |
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学園ミステリ。安楽椅子探偵もの。太もも女王様。
毎回出てくる写真部の子とか好もしい。 それにしても柴犬め、もどかしい。 |