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[ 警察小説 ]
ハートの刺青
87分署
エド・マクベイン 出版月: 1960年01月 平均: 6.00点 書評数: 2件

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早川書房
1960年01月

早川書房
1976年01月

No.2 6点 クリスティ再読 2024/12/23 11:29
87の四作目。三作目「麻薬密売人」のラストで瀕死の重傷を負ったキャレラが、見事復帰。シリーズはめでたく継続。というわけで、真の意味でのシリーズ開始作、と言ってもいいのかもしれない。
2〜4作は原題でいうと"The Mugger","The Pusher","The Con Man" と、「強盗」「売人」「詐欺師」と犯罪者の類型が作品タイトルになっている。そういう狙いがあったんだろうね。
というわけで本作だと「ハートの刺青」をした女の死体が川から続いてみつかる話と、ケチな詐欺師の話がカットバック。女殺しも結婚詐欺の凶悪なタイプのわけで、「人生すべて詐欺の連続」という「大テーマ」によるまとまりを狙っている。まあけど、これって「気の利いた人生の教訓」というもので、説教くさいな(苦笑)2つの事件が関連が薄い、というご批判もありがちだが、ここらへん初期の試行錯誤のうちだろう。本作だとハヴィランド刑事の油断がテディのピンチにつながるわけで、「暴力刑事」として不人気なハヴィランドは次の「被害者の顔」でお役御免。ここらへんも初期の試行錯誤が露わなあたりだろう。

とはいえ、テディ大活躍の本編、テディのファンにはうれしいよね。あとクリングくんも刑事としてサマになってきて、クレアとの恋も進展。事件も結婚詐欺で冴えないオールドミスの恋が背景。そんなラブラブな話が人気の理由じゃない?
(でも、なぜかポケミスの登場人物一覧がテディ・キャレラを落としている。失礼ではw)

No.1 6点 tider-tiger 2015/10/23 06:39
ハーブ河で若い女の水死体が上がった。死体の指には『MAC』という文字入りのハートの刺青が彫られていた。被害者の身元を洗いつつ、キャレラ刑事は犯人を追う。

原題はThe con man(詐欺師)。邦題の方が目を魅くのですが、原題の方が内容を端的に示している。邦題のハートの刺青が作中で謎の一つとなっているのですが、その秘密があまりにもしょぼい。「それだけのことかよ」と脱力してしまいました。
シリアスなものとややユーモラスなもの、二つの事件が並行して進んで行きます。本筋の殺人事件はスティーヴ・キャレラ刑事、詐欺事件は本シリーズ初登場にして黒人のアーサー・ブラウン刑事が担当します。二つの事件は絡み合うことはありません。マクベインの作品では複数の事件が同時進行することが多いのですが、それらが一つに収斂していくような快感はなく、完成度が高いとは言い難い。楽しい店舗が盛り沢山の雑居ビルって感じですね。

この作品はファンの間で評価が高いようですが、実は私はあまり好きではありません。
終盤の緊迫感がどうにも作為的に感じられ、とあるキャラの無茶な行動もちょっと頂けない。
ラストも映像としては美しいのですが、文化の違いというか、日本人男性のほとんどは少し引いてしまうのでは。
まさか、スワロウテイルバタフライ(映画)ってこの作品から着想を得た?
それから、本作の主人公であるキャレラ刑事。どうにも弱みがなさ過ぎて。すごくいい奴なんですよ。でも小説の登場人物としては面白くない。私は他のキャラにスポットが当てられている作品の方が当たりだと感じることが多いのです。作者もキャレラがシリーズの主人公とみなされることに抵抗を示しており、何度かキャレラを本当に殺そうとしたとまで言っておりました。確かにキャレラはいくつかの作品で死にそうな目に遭っています。
刑事ドラマにするにはうってつけの内容かもしれませんが、個人的には87分署シリーズの鼻につく部分が凝縮されている作品でした。
それでもそこそこ楽しく読めてしまえるのがこのシリーズのすごいところなんですが。


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