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[ 法廷・リーガル ] 金髪女 ホープ弁護士 |
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エド・マクベイン | 出版月: 1980年10月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 1件 |
早川書房 1980年10月 |
No.1 | 5点 | 雪 | 2018/07/26 15:01 |
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弁護士マシュー・ホープは深夜、妻との諍いの最中に顧客パーチェイス医師からの電話を受けた。帰宅した彼は妻と二人の娘が惨殺されているのを発見したのだ。
アリバイを訴えるパーチェイスだが、やがてホープはその時刻彼が愛人宅にいた事を突き止める。だがその矢先、先妻の息子マイケルが犯行を自白した――。 マクベインのもう一つの長期シリーズ、ホープ弁護士物第1作。東海岸の犯罪都市アイソラから、フロリダ沿岸の温暖なリゾート地カルーサに舞台を移して心機一転。87分署物に比べ、風景や生活描写も優雅でカラフルです。 とはいってもあんまりパッとしませんね。主人公は弁護士らしく証言のちょっとした齟齬から真実に迫るのですが、トラブルに追われてエンジンの掛かりも遅く、しかもそれとは関係無しにバタバタっという感じで解決します(ホープが関わる意味はある程度アリ)。事件全体を主人公の私生活と二重写しにする事で一応の説得力は持たせていますが、ちょっとフェアではないかな。 ホープという人間を描き込むことに主眼が置かれた、顔見せ興行的な作品ですかね。実際、車に撥ねられた飼い猫セバスチャンの死を見取るシーンが一番印象に残ってたりします。 このシリーズはグリム童話をモチーフにしていますが、"金髪女(Goldiocks)"に該当するものは調べても見当たりません。作中の意味は「不倫相手」全般を指すようですが。 解説で「マクベインが今更こんなものを書くなんて」とありますが、次作以降巻き返すようですから、種蒔き的な作品なのでしょう。今後に期待したいと思います。 |