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[ 警察小説 ] 八頭の黒馬 87分署 |
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エド・マクベイン | 出版月: 1987年04月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 1件 |
早川書房 1987年04月 |
早川書房 1993年07月 |
No.1 | 5点 | 雪 | 2019/08/02 21:19 |
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クリスマス間近のアイソラ。稲妻男の事件が解決するや否や、スティーヴ・キャレラ宛で八七分署に奇妙なメッセージが送り付けられた。男性のものらしき耳に斜めに太い棒線を引き、その上に八頭の黒馬が並んではねまわっている写真。
死んだ耳の男〈デフ・マン〉――幾度も彼らをきりきり舞いさせた天才犯罪者が、再びこの街に戻ってきたのだ。デフ・マンは刑事部屋へ、謎のメッセージを矢継ぎ早に届け続ける。五個の携帯無線機、三つの手錠、六つのバッジ、そして警官の帽子が四個――黒馬を除けば、どれも警官の持ちものの写真ばかりだ。いったいやつは何を企んでいるんだ? さらに真向かいにあるグローヴァー公園の小径のはずれでは、頭蓋の付け根に弾丸を撃ち込まれたすっぱだかの死体が発見された。目撃者の証言によると、はだかの女をかついでいたのは金髪の男だったらしい。被害者エリザベス・ターナーが優秀な銀行員だったことから、刑事部屋メンバーはそこにデフ・マンの匂いを嗅ぐが・・・ 「稲妻」に続くシリーズ第38作。1985年発表。87分署最大の敵デフ・マン四度目の挑戦ですが、テンポは早いものの作品の出来には疑問符が付きます。なぜなら本編では、彼の予告は一攫千金目当てのものではないからです。詳しい説明は省きますが、テロめいた目的とその行動は、天才犯罪者としてのデフ・マンの矜持とキャラを貶めているようにしか見えません。本来の目的のヒントを一切与えないのも、キレたというより自信を無くしたように見えてしまいます。 性格が変化したのもそのひとつ。バーでキャレラの名を騙ってCBSの受付嬢を引っ掛けるのですが、濡れ場とかSMっぽくて「あれこんなキャラだったかな?」と。急遽「電話魔」を再読したのですが(書評はこっちが先)、そっちは終始ムード派で押し通してました。準レギュラークラスの人物設定をコロコロ変えられたのでは、あまり高くは評価できませんね。 偽名がバレたデフ・マンと、それを追うキャレラのニアミスとかありますが、それはそれだけ。彼の犯罪もクリスマスという時期を活用したものですが、過去の事件に比べるとそれほど意外性も捻りもありません。 そんなこんなでシリーズとしても並以下。派手めの映像向け作品と言い切ってしまっていいでしょう。図版がいっぱい入ってて、読み易くはありましたけど。点数は、辛うじて5点といったところ。 |