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[ 警察小説 ] レディ・キラー 87分署 |
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エド・マクベイン | 出版月: 1960年01月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
早川書房 1960年01月 |
早川書房 1976年01月 |
早川書房 1976年01月 |
No.1 | 6点 | 雪 | 2019/07/03 04:58 |
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「今夜八時、レディを殺す。どうにかできるかい?」
うだるような暑さの七月の朝七時四十五分、八七分署の受付デスクに陣取るデイヴ・マーチスン警部補に、その封筒は手渡された。彼がそれを受けとると、メッセンジャーの男の子は入口から表の歩道に出て、そのまま大都会の人ごみのなかにきえてしまった。 雲を掴むような犯行予告。これはクランク(いたずら)か? だがクランクでないならば、十二時間以内にたったこの手紙一つの手がかりで、アイソラ八百万のなかから、被害者と人殺しをさがしださなければならない。捜査を管轄するバーンズ警部は、コットン・ホース、スティーヴ・キャレラ、マイヤー・マイヤーら刑事部屋の総力を挙げ、凶行を未然に食い止めようとするが・・・ 1958年発表の87分署シリーズ7作目。概要だけ聞くとあんまりな難題に思えますがそこはそれ。実は子供を使いに出した犯人の方も、向かいのグローヴァー公園から警察の反応を窺っており、チラッチラッと太陽光に反射するレンズに気付いたホース刑事がコッソリ廻り込んで取り押さえようとするもニアミス。その後も隠れ家に踏み込んでの銃撃戦および逃走劇と、タイムリミットの合間に派手な接触が二度起こります。今回は終止ホースが大活躍。 あと作中でもキャレラが指摘してますが、「犯人が捕まりたがっている」というのもミソ。本気なら黙って実行すればいいだけなので。もちろん罪を逃れる手は打っていますが、唯一の手掛かりである手紙でも、犯行のヒントは与えています。そのあたりの微妙なアヤが本書の読み所でしょう。 ただ実際には、警察に指紋採られた段階で終わりですね。発砲事件までならまだ言い訳も効きますし。ヤバい目に何度も遭ってるのに、あえて強行しちゃうのはどうかと思います。話の都合上仕方ないのかもしれませんが。タイムリミットよりもアスファルトも溶けるクソ暑さの方が印象に残る作品。イマイチ緊迫感が無いのはそのせいかも。ただ合間合間にアクションや小技を入れてるので、つまらなくは感じません。平均か、それよりちょっと上くらい。本当にちょっとですけど。 |