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[ 法廷・リーガル ] 黄金を紡ぐ女 ホープ弁護士 |
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エド・マクベイン | 出版月: 1983年02月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
早川書房 1983年02月 |
No.1 | 6点 | 雪 | 2018/07/29 01:32 |
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離婚したての弁護士マシュー・ホープは元人気ロックスター・ヴィッキーとベッドを共にするが、彼女は翌朝撲殺死体で発見され、同時に彼女の娘アリスンも連れ去られていた。ホープは執拗に引き止める彼女を振り切った事に罪悪感を覚え、自ら事件の渦中に踏み込んでいく・・・。
原題は"Rumpelstiltskin(ランペルスティルツキン)"。「部屋一杯の藁束を金に変える」という願いの代償に、小人に子供を要求された娘が、「名前を言い当てれば諦めよう」という取引をし、当てられた小人は破滅するというグリムの童話です。奇妙なタイトルは問題の小人の名前。 シリーズ2作目ですが、ホープ有能ですね。第1作「金髪女」では終始パッとしませんでしたが、私生活上のゴタゴタで煮詰まってたんだな、ということがこれを読むと分かります。メグレ警視もそうですが、一人称作品だと軸となる主役に大きくウェイトが掛かってきますね。よっぽどストーリーが練られてないと、主人公がダメなのは後々まで響きます。グレードも前作に比べ二段くらい上がった感じ。 物語はヴィッキーの遺産である1200万ドルの信託財産の条項が問題となり、彼女の実父と前夫が捜査線に浮上した後で、アリスンが死体で発見されます。典型的な遺産相続もの。ミステリとしては手掛かりの出し方が上手いです。ただ翻訳の問題なのか、読み返すとある部分が明確に描写されていませんね。そこは残念。 主人公ホープが新しい恋人デイルを得、娘のジョアンナと共にニューオリンズを訪れるシーンは美しいです。私生活も充実してエンジンが掛かってきました。見せ方は舞台やキャラが確立した87分署物に一日の長がありますが、描写はホープ弁護士物の方が丁寧ですね。この作品に関して言えば、87分署の良作と同程度と見ていいでしょう。6.5点の出来。 |