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[ 本格/新本格 ]
慟哭
貫井徳郎 出版月: 1993年10月 平均: 6.54点 書評数: 87件

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東京創元社
1993年10月

東京創元社
1999年03月

No.67 4点 mozart 2012/12/04 11:03
先入観なしで(ここでの書評には目を通さずに)読み始めましたが、最初からソレっぽい雰囲気だったので、多分そうじゃないかと怪しみながら読み進めていました。従って自分にとっては「衝撃のラスト」ではなかったのですが、それを差し引いても、結末が尻すぼみで、読後感も悪く、ちょっと残念だった、と言うのが正直な感想です。

No.66 8点 concon 2012/09/16 00:58
メイントリックがなんとなくわかってしまったのには、別段不満はない。
警察内部の確執や新興宗教のところは、興味深く読むことができ、楽しめた。
唯一、幼稚園児がひとりで2分歩くというところは、さすがにありえないと思います。

No.65 7点 Q-1 2012/05/27 23:41
メイントリックはミステリ小説に慣れている方ならば丸わかりだったのではないでしょうか。
しかし、子供を失った親の藁をも掴む思いは凄くよく描かれていると思います。

No.64 7点 蟷螂の斧 2011/12/30 23:40
騙されたいと思いながら読むので、途中でオヤッと感じても流します。従ってラストは驚きがありました。題名もラスト一行に込められており秀作だと思います。

No.63 5点 まさむね 2011/10/31 21:18
 早い段階で「最重要ポイント」に気付く読者は多いでしょうねぇ。2つのストーリーが交互に進行していきますからねぇ。個人的には,驚きはなかったですね。
 一方で,「慟哭」に至る終盤は読み応えアリですし,ラスト5行の余韻も記憶に残ります。別の視点で捉えると,作者が書きたかった「最重要ポイント」は,こちらの方だったのかもしれません。
 なお,この採点は,新興宗教モノは肌に合わないという,個人的嗜好に基づくものですので,あしからず。

No.62 7点 clast 2011/08/22 01:16
メイントリックは慣れた人ならすぐに見破れるはず。
衝撃的なのはトリックではなく、ラストになって襲いかかってくる絶望の深さです。そこにこそ本書の価値があると思います。

No.61 6点 frontsan 2011/07/02 14:00
早い段階で、オチが読めてしまいました。残念。

No.60 7点 3880403 2011/04/05 23:34
さほど衝撃ではなかったが読み易い。
個人的にはプリズムのほうが好き。

No.59 1点 ムラ 2011/01/24 19:21
早々とトリックが分かってしまったせいであまり楽しめなかった。まぁ、書きかたからして騙すつもりで書いてるわけでは無いと思うが。
トリックがわかっても単に小説として面白い場合もあるけど、今回はどうもグダグダと長くてそれも残念。
月並みな言葉だが、シリアスな割には、キャラもなんか弱くて薄っぺらに思えた。

No.58 7点 E-BANKER 2010/12/08 23:14
作者の処女長編作。
作品そのものに大きな仕掛けが施された作品。
~連続する幼女誘拐事件の捜査は行き詰まり、捜査一課長は世論と警察内部の批判を受けて懊悩する。異例の昇進をした若手キャリア課長をめぐり、警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心を寄せる。こうした緊張下で事態は新しい方向へ。幼女殺人や怪しげな宗教の生態、現代の家族を題材に、人間の内奥の痛切な叫びを描破した鮮烈デビュー作~

途中までは、「何でこのタイトル?」と思わされますが、ラストでは本当の意味を知ることに・・・
連続幼女誘拐事件についての章と、黒魔術を崇拝する新興宗教にのめり込む一人の男についての章が交互に展開され、普通のミステリー好きならば、「なんか仕掛けがあるんだろうなぁ・・・」と思わずにはいられません。
まぁ、こういう反転型ワンアイデア物は最近多いですし、そういう意味では本作も「普通レベル」なんでしょうが・・・
ただ、読者を引き込む力はデビュー作から「本物」を十二分に感じさせます。結構重厚な作品なのに、読みにくさは一切なく、素直に作品世界に浸れる筆力は賞賛してよいでしょう。
ラストはちょっと尻切れ気味ですけど、これはこれで余韻のあるいい終わり方かもと思います。
これが「貫井作品」の初読でしたが、まずは期待どおりで、今後いろいろと他にも手を出していきそうです。

No.57 5点 seiryuu 2010/07/16 18:31
ミステリーを読みなれている人にはあまりインパクトがない作品。

No.56 7点 メルカトル 2010/06/21 23:42
新興宗教とミステリは何故こんなに相性が良いのだろう。
そんな絶妙なブレンドを、デビュー作にも拘らず、老練ともいえる文体で見事に描き切った快作。
最後で作者の仕掛けにまんまと嵌められたわけだが、そこにはカタルシスの欠片もない。
読後はこれでもかというくらい、どんよりとしている。
しかしそれこそが作者の狙いであり、貫井氏の持ち味とも言えるのだろう。

No.55 8点 solo1e 2010/05/18 13:33
作者のデビュー作ですが、完成度の高さに驚きました。
斜に構え、叙述ミステリー作品であることを前提に読むと、確かにトリックは決して難解ではないけど、それでは少し勿体無い。
ただしトリックが途中で分かったとしても、主人公の背負う傷、その後の人生について考えさせられる内容は、実に重厚でした。

No.54 7点 spam-musubi 2010/04/15 11:50
こういった、「2つの物語が同時進行的に進む」形式の場合、
かなりの確率でこのトリックが使われるので、きっと何かあるんだろうな、と
思いつつ、あえて深く考えないようにして読んだ。

軽くなく、かつ読みやすい文章構成は素晴らしいと思う。
ミステリを読みなれてしまうと、このトリック自体の衝撃は
さほどでもなく、それよりは主人公が破滅へと向かうストーリー自体に
引き込むものを感じた。

ただ、自分に娘がいるのでこうした事件を扱う小説はどうしても
抵抗を感じてしまうことと、バッドエンドが好きでないことという
ごく個人的な理由で-1点。

No.53 7点 テレキャス 2009/11/21 10:18
どんでん返しものとして勧められることが多いがこのトリックは存外気づき易い。
そんなことよりもラストの一行を読む度に、主人公の「慟哭」が聞こえてくる喪失の物語として評価をしたくなる作品。

No.52 5点 れお 2009/08/08 01:54
序盤は宗教や警察内部の仕組み等々、興味深くそれぞれの話を読み進めることができました。
ただ、終盤であまり驚きというか、ラストのドキドキ感がなかったような・・・。

No.51 5点 okutetsu 2009/07/01 04:41
なんとなくネタがわかってしまいました。
あんまり好きじゃない要素があるのでこの点数に。
ネタさえ気づかなかったらもっとおもしろかっただろうなと思います。

No.50 6点 nukkam 2009/06/08 15:23
(ネタバレなしです) 貫井徳郎(ぬくいとくろう)(1968年生まれ)の1993年発表のデビュー作ですが文章力、構成力とも驚異的な完成度です。本格派推理小説に分類できるのですが謎解きよりも物語性重視で、警察小説や犯罪小説的な要素も織り込んだジャンルミックス型のミステリーです。ドライな文章で悲劇性を重厚に描いているところはハードボイルドに通じるところもあります。もっともこのドライさが「慟哭」という純文学作品的なタイトルと合っているかは賛否両論あるでしょう。もし本書がもっとウエットに情感豊かに描かれていたらまた違う一面を見せていたかもしれません。とはいえデビュー作でここまでの高みに達していいのだろうかと、余計な心配するほどの作品には違いありません。

No.49 8点 結奈 2009/05/19 16:13
初めの方に気づいてしまった。
という部分だけを考えると、うっかり5~6点をつけてしまいそうになるが、
トリックには気づいてしまっても、堕ちてしまった主人公を最後まで見届けたいという気持ちが沸き、ひとつの小説としても読了する事できた。

No.48 5点 星屑の仔 2009/04/07 07:42
2つのストーリーが交互に話を進めて行く作品。
1つは難事件の解決を進める刑事を主人公とした話。
もう1つは新興宗教に入団する人間視点の話。

どちらかと言うと、本格ミステリかと言うとどうかと思う。
社会派ミステリの毛色も強い作品だと思った。
先の見えないミステリとしてはとても面白かった。

最初はこの2つのストーリーが全く無関係に進んでいくと思いきや、最後の最後には見事に1つに合体する、

と言う手法を取りたかったのだろうが、「こう言った類」の半紙を読みなれている人は、途中で多かれ少あと思った。

まずは何も他のミステリを読まない人が読むべき作品だと思う。


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