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[ 短編集(分類不能) ]
光と影の誘惑
貫井徳郎 出版月: 1998年08月 平均: 6.20点 書評数: 5件

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集英社
1998年08月

東京創元社
2010年11月

No.5 8点 ミステリーオタク 2020/05/04 19:19
作者の『崩れる』に続く第2非長編作品集。

・長く孤独な誘拐
 序盤を読みながら「普通ゼッテー警察に連絡するだろう」とソリャネー感満載になるが、もし当事者になったら常識的な思考などブっ飛んでしまうのかもしれない。
デビュー間もない頃の作品だと思うが読後感も『慟哭』に酷似・・・辛すぎる。

・二十四羽の目撃者
 なかなか魅力的な設定だがトリックは割りと、いやガチガチの正統派。だが実際にやったら成功率は極めて低いと思う。
事件の終わらせ方は(批判派も多そうだが)個人的には好き。

・光と影の誘惑
 最初の一行、いや一句で「これは性別誤認トリックに違いない」と確信したが、もちろん全くの的はずれ。
タイトルからはオシャレなミステリも期待したが貫井さんにそんなものを求めるバカさ加減を痛感させられる。
メイントリック自体は、後半に入ってから作者がバラまくクルー(及び作者がヌックであるということ)によって大体分かったが、なんか矛盾してるところがなくない?(読み返すのはメンドい)

・我が母の教えたまいし歌
 「陰鬱で読み止まらないストーリー」の中に仕掛けられたチェスタトン張りの企み・・・正にヌックの真骨頂。


四編とも貫井色がよく出ているハイレベルな中編集だと思う。
つーか、本音は「ヌックも飽きずによーやるよ」

No.4 6点 まさむね 2019/09/28 22:22
 4篇から成る、ノンシリーズの短編集。
1 長く孤独な誘拐
 子供を誘拐された両親に対する犯人の要求は、身代金ではなく、犯人が指定する別の子供を誘拐すること。設定の妙が光るのですが、ラストは何とも切ない。
2 二十四羽の目撃者
 サンフランシスコを舞台にしたハードボイルド調の作品。実験的な面もあったのでしょうか、作者としては非常に珍しいタイプ。トリック自体は、王道とも言えるけれども、拍子抜け感の方が強かったかな。
3 光と影の誘惑
 してやられました。なるほど、巧く構成されています。
4 我が母の教えたまいし歌
 この真相には、相当前の段階で多くの読者が気付くのではないでしょうか。 伏線が判りやす過ぎたかも。

No.3 6点 E-BANKER 2012/10/27 21:06
1998年発表。ノンシリーズの作品集。
集英社文庫版もあるようだが、今回は創元文庫版で読了。

①「長く孤独な誘拐」=愛する我が子を誘拐された夫婦が犯人に指示されたのは「違う子供を誘拐せよ」。警察にも告げず、犯人の指示どおりに身代金誘拐に手を染める夫婦に待っていた「暗い」現実・・・。ラストはドンデン返し的カラクリも明らかになる。
②「二十四羽の目撃者」=舞台はなぜか米・サンフランシスコの動物園。ペンギン舎の前で発生した殺人事件は、犯人の逃げ場のない密室だった、というのが粗筋。これは「密室」の解法としては最もシンプルなトリックではないか? それだけ無理のないプロットとも言える。作者らしからぬハードボイルド風タッチが新鮮。
③「光と影の誘惑」=これはもう、最終章でどれだけ「驚けるか」にかかっている。成る程、このオチがあるからこその「書きぶり」だったわけだな。そこに至るまでの展開がやや冗長で退屈なだけに、「エッ!」という気にはさせられた。
④「我が母の教えたまいし歌」=この真相・オチは途中でさすがに気付いた。短編らしい一発勝負のプロットではあるが、もう少しうまく書けたのではないか? 

以上4編。
正統派の短編集といった趣きの作品。
トリックのメインは、初期作品だけにデビュー長編「慟哭」と同ベクトルのものが多い。

うまいといえばうまいが、全体的にはもうひと捻り欲しいかなぁという読後感。
評価としては水準級+αというのが落とし所ではないか。
(①~③はほぼ同レベル。④はやや落ちるかな。好みにもよりますが・・・)

No.2 5点 いけお 2007/12/31 19:22
普通の佳作短編という印象。
個人的にはアベレージの高い作者なので特筆するほど良くも悪くもない。

No.1 6点 VOLKS 2007/07/08 23:30
短編を4作品収納。貫井徳郎独特のどろどろ感がなく読みやすかった。


貫井徳郎
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