[ 社会派 ] 悪の芽 |
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貫井徳郎 | 出版月: 2021年02月 | 平均: 7.50点 | 書評数: 2件 |
![]() KADOKAWA 2021年02月 |
No.2 | 7点 | ぷちレコード | 2022/06/13 23:48 |
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無差別大量殺人の動機をめぐる物語。銀行員の安達はニュースを見て驚く。大規模イベント「アニメコンベンション」の会場で大量殺人事件が起きた。犯人は多数の客に火炎瓶を投げ、ナイフで警備員を殺し、最後は自ら油まみれになり火をつけて死んだ。犯人の斎木は小学校の同級生だった。小さな恥と見栄がきっかけとなり、同級生のいじめが加速して不登校になった。一体斎木はどんな人生を歩み、大量殺人犯になったのか。安達は斎木の人生と動機を探ろうとする。
殺人犯斎木の動機を、かつての同級生や事件を撮影した大学生、事件の被害者の家族らが追求していき、少しずつ靄を晴らして核心へと向かう。悪の芽はどこで生じたのかを調べていくのだが、最終的には善の芽にも言及して、この生きがたい時代に生きる読者への優しく熱いエールにしている。 |
No.1 | 8点 | HORNET | 2021/04/25 19:37 |
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アニコンに殺到する人たちを標的にした無差別殺人事件が起きた。大手銀行で出世街道を歩む銀行員・安達は、そのニュースを見て戦慄を覚える。というのも、犯人は小学校時代の同級生で、自身がいじめのきっかけを作った子だったからだ。メディアは小学校時代に受けたいじめが、犯人の人生を狂わせたと報じる。自分は無差別殺人の原因なのか―。仕事も手につかなくなってしまった安達は、独自に調べ始める。
無差別殺人はなぜ、アニコンを標的に行われたのか?ホワイダニットの謎解きを核としながらも、いじめの構図、社会の格差、日本人の階級意識など、さまざまな社会的テーマに切り込みながら進められていく物語に釘付け。さすが、貫井徳郎である。 ベテランの域に入った作家だと思うが、昨年の「罪と祈り」に続いて、昨今ますます脂が乗ってきた感があるなぁ。 |
貫井徳郎
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