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[ 本格/新本格 ]
○○○○○○○○殺人事件
上木らいち
早坂吝 出版月: 2014年09月 平均: 5.79点 書評数: 19件

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講談社
2014年09月

講談社
2017年04月

No.19 7点 sophia 2021/05/17 23:32
文庫版を読みました。タイトルだけは当てることが出来ました。どうしようもなく下品でアホな作品ですが、「ミステリマニアの主人公がアレを疑わない理由」という隠し問題を設定するなど、実は高度なことをやっているんですね。漫才コンビの笑い飯を初めて見たときのような衝撃を受けました。この作者の「思い付いたら書く」という精神は大いに評価したいです。

No.18 7点 Kingscorss 2020/08/22 12:36
この作品は賛否わかれるので点数は当てにならないと思います。合うか合わないか。単行本、文庫本の両方読んだ感想です。最初に書きますが文庫本の方を激しく推薦します。

自分はバカミスがかなり好きで、この本もバカミスと知って読んだのでかなり楽しめました。タイトル当てもとくに当ててやろうと思って読んでたわけでもなく、バカミスを楽しもうと思って読んでいたので最後の1行には”おおぉ!”となり、トリックも馬鹿すぎて好感が持て、叙述部分にももちろん騙され、この愛すべきメフィスト賞受賞のバカミスの傑作をかなり堪能しました。

単行本を読んだときは主人公の喋り方がかなり鼻につき嫌だったんですが、文庫本ではその部分と全体的な文脈等がかなり修正されています。前半の冗長で退屈な話もスピーディーになり、新エピソードも追加され、文庫版のほうがかなりおすすめです。単行本だけを読んであまり面白く感じていなかった方も再読で文庫本読んでみてほしいなぁと感じました。

殊能将之さんのハサミ男(無理やり映像化しないで!)等と同じく絶対に映像化不可能(トリックを隠せない+倫理的な面で不可能)な叙述作品で、とにかく叙述部分がぶっ飛んでて面白かったです。好き嫌い分かれるエロ部分もちゃんと推理の枠に組み込んであって構成が見た目によらずかなりしっかりしていて読み応えがあります。

バカミス、エロミスが嫌いな方、苦手な方だとかなり評価が低くなると思いますが、おバカを堪能できる人ならかなり楽しめるんじゃないかと。

No.17 4点 雪の日 2020/04/13 14:57
発想は面白いけど、ミステリーとしてはちょっと...

No.16 6点 ミステリ初心者 2019/07/20 00:34
ネタバレをしています。

 非常に読み易く、読み始めてから2日で読了しました。
 南国モードには笑いました(笑)。みんなに認知されているのもウケる。ただ、これも微妙に伏線だったんですね(?)。
 包茎だの剥けているだの、六とんを思い出すワードがでて、メフィスト臭がするな~と思ったら、本当にメフィストだったんですね(笑)。らいちとのチョメチョメシーンも読んでいるときには"ここいらないだろ"と思ってましたが、結局推理に絡んでおり、雰囲気はギャグ調でも案外無駄がない印象でした。登場人物がヌードだということを隠した叙述トリックのひとつだと思いますが、そのメイントリックと物語全体がマッチしててよかったです。
 "挿話 井の中の蛙"で、まるで挑発のような文章がかかれていて腹が立ちますが(笑)、仮面=入れ替わりという鉄板ネタをミステリオタクの沖が気づかないはずがないというヒントが与えられていて良いですね。まあそれでも、叙述トリックと挑戦状は相性が悪いと思います(笑)。
 ビッチ探偵は非常に新しいですね(笑)。いま作者の作品ページをのぞいてみると、シリーズ化されていますね。この作品のレベルなら他も読んでみたいです。

 以下、難癖。
 仮面入れ替わり系は、知人ではバレると思います・・・。顔以外の要素が多いですよね。体の見た目や声や体臭、雰囲気や動作とかやはり仮面つけただけでは難しいのでは(似ているという描写はありますが)。包茎問題も、剥けば同じってわけでもないだろうし・・・。
 タイトル当てであって、犯人当てでないとのことですが、純粋論理思考で犯人を当てられると書いてあります。到底そうは思えないのですが。らいちの"ナニやアレにアイスピックを入れる"説も主観が否定したわけではなく、解決編後で明かされた要素。ヌーディストでなくても話が通用するように、どっちとも取れるように書かれているのが叙述トリックであって読者には判断が付かないと思います(偉そうに書きましたが、もしかしたら読み落としているかも・・・ヒントはあったと思いますが絶対に裸でないと通用しないシーンはないかと)

 いろいろ書きましたが、良い叙述トリックのアイディアとそれを活かした良作品だと思います。

No.15 5点 いいちこ 2019/06/26 18:41
チャラけた作風であり、真相の一部には無理も感じるものの、伏線やトリックには妙味も感じられ、思った以上に本格の出来栄え。
メイントリックも趣向こそ目新しさはないものの、そのために用意された舞台設定や、底流する思想には好感。
ただ問題は、本作が持つ唯一無二のオリジナリティと言うべき「タイトル当て」の解答に全く面白みがなく、その趣向自体に意味がないのである。
「タイトル当て」が我々読者が期待するような、メタレベルのミスディレクションになっている訳ではなく、タイトルが判明したところで作品世界に何らの影響も与えないのである。
これでは話題性を狙って奇をてらったものの、消化不良な作品という誹りは免れないだろう。
以上を総合考慮して5点の上位

No.14 1点 mediocrity 2019/04/05 05:29
お笑いを見ていると、ネタがマニアックすぎて一部の人にしか理解できないので、その他大勢には笑えないという芸人が稀にいます。例えばハリウッドザコシショウのマンガネタ、ゲームネタとか。あ、わかるときは面白いですよ。
逆に話している内容は完全にわかるけど、さっぱり面白さがわからないという芸人もいます。
去年、漫才のM1グランプリを見ていて、後者のタイプのコンビがいました。審査員は高得点、会場も結構受けている、自分はテレビの前でポカーン・・・という状況です。宴会芸か何かにしか見えない。翌日周りの人間に聞くとやっぱり完全に意見が割れていて安心したのですが。
この本もそんな感じで、書いてあることは理解できるが、何が良いのかよくわからないというやつです。賞を獲ってるから審査員は評価したのでしょうけど、自分には内容も文章もプロの作家の作品には到底思えない。これがイグノーベル賞みたいな賞ならまだ理解できるんですけど。(追記、調べてみたらメフィスト賞てそういう感じの賞なんですかね?)
ついでに言うと笑えませんでした。

以下ネタバレあり
<追記>全体としては3~4点くらいの感じなんだけど1点にした理由
・本の題名は「あ」から考えはじめるといきなり正解候補にぶつかる。仮面の男が出てきた時点で、多分当たりだろうと考える。「尻」がキーワードなんだろうなと思う。むしろヒントが邪魔になる。
・入れ替わりトリックは今までにもいくつか読んだが、これは99%ばれると思った。局部がどうのこうので到底ごまかせるとは思えない。
・クーラーボックスのトリックも適当すぎると感じた。あれが偶然成功する可能性はどのくらいあるのだろう。猫は少々のものなら暴れて脱出してしまうだろうし(人間がちょっと重いなと思う網戸や窓でも奴らは普通に開けるぞ)、逆に数分で脱出できなかったら氷が解けるころには冷たくなってるんじゃないか。

精読する気にならない文章なので、かなり急いで読んだけど、これだけは覚えてる。探せば他にもまだまだあるんじゃないかな。現実的なミステリで、細かい所が色々と甘すぎると感じたので2~3点引いてこの点数。

No.13 6点 E-BANKER 2017/05/12 23:37
2014年発表の第五十回メフィスト賞受賞作。
いろんな意味で物議を醸したろう(?)作品を、今回文庫落ちに当たってようやく読了。

~アウトドアが趣味の公務員・沖健太郎らは、仮面の男・黒沼が所有する孤島での夏休み恒例のオフ会へ参加することに。赤毛の女子高生が初参加するなか、孤島に着いた翌日、メンバーのふたりが失踪、続いて殺人事件が起こる。さらには意図不明の密室が連続し・・・。果たして犯人は? そしてこの作品のタイトルとは?~

早坂吝(やぶさか)、1988年生まれかぁ・・・
若いとか、老いたとか、年齢のことをとやかく言うのはあまり好きではないけど、作家生活ウン十年という人には逆立ちしても書けないミステリーだろう。
文庫版の解説はあの麻耶雄嵩氏が書かれているのだが(後輩だしね)、氏の処女作であり問題作(?)「翼ある闇」が発表されてから、はや二十年以上が経つんだよね・・・
「翼・・・」初読時の際、作品全体に漂う“作り物感”や生意気な筆致(!)に何とも言えない妙な感覚に陥ったんだけど、今回、その麻耶氏から『世の中を舐めきった作品』と表現されてしまう本作。
本作がそれほどブッ飛んだ作品であると同時に、麻耶氏も『丸くなったもんだな・・・』という別の感慨も湧いてきてしまった。

しかし、とにもかくにも、京大推理研恐るべしだ。
綾辻氏から連綿とつながる、この新進気鋭の系譜。
どんな頭してたら、こんなプロットが思いつくのか? 興味はつきない。
因みに、文庫化に当たって、本作は大幅に改稿されていて、あろうことか○人○○までひとつ追加されている(とのこと)!!
(理由についても「作者あとがき」に触れられているのでご参照ください。)

で、本筋は?・・・って、まアいいじゃないですか。
他の方が的確な書評をすでに残されていますので、そちらをご参照ください。
まっ、敢えて書くとすれば、いくら○者とはいえ、自分で自分の○ン○の○○をするなんて、無理だろ!
あと、いくら何でも○イ○○ツ○が○○やお○の○に入るわけないだろう!(まさか、いないよね)
あと、そういう状況下だったら、男性の○ン○は常時○○してるのかな? というくらいかな。
(作者に倣って、○○多めの書評にしてみました)

No.12 6点 蟷螂の斧 2016/02/27 13:21
題名「○x8」は、なるほどと思いました(笑)。○○トリックのネタは、まだまだあるんだなあと感心しました。犯人特定など、下ネタではありますが、アイデア勝ちといったところでしょう。

No.11 6点 風桜青紫 2016/01/27 02:55
手作り感あふれる文章に、投げやりな話運び、そして予想の斜め上を行く結末。もう笑うしかないでしょう。つーか解決編の前に出てくる奴誰だよwwww。同期の京大組のうち、アイデアの充実ぶりを感じさせるのは円居とモリカワだけども、作品として面白いのはやぶたん。この学生がふざけて書いたのをそのまま書籍化してしまったようなノリがたまらない。しかしなんだかんだで、本格ミステリとしてはなかなか良くできています。ふざけた部分を物語の仕掛けに結びつけるのは好印象。肩を抜いて楽しめる作品でした。人には薦めづらいけど。

No.10 7点 505 2015/10/03 00:42
前代未聞のタイトル当てミステリという看板が『メフィスト』らしさが漂っており、その中身もそれに恥じない。
鼻で笑えるようなトリックにも関わらず、その論理は意外にも手堅い。フーダニットの部分に関しては、空前絶後と言える下品な根拠から導かれるが、その論拠の外枠を埋めているトリックとのバランスが良い。キャラクターたちの南国で活き活きとした描写も清々しさを感じる。
しかし、タイトル当てという試みは面白いものの、内容に沿ったものだということは理解できるが、それをメインにするほどの合理性を感じることはなかったという印象。
タイトル当てそのものがミスディレクションになっている訳でもなく、ただの〝タイトル当て〟であって、それ以上もそれ以下もないことに肩透かしを喰らったのは否めない。
また、挿話も読者諸君・ミステリフリークを楽しませるためのメタ的な意味合いが強いのは分かるが、それをクドイと感じさせてしまうのはどうだろうか。作者からの挑戦という意味で一種の読者サービスになると思うが、本末転倒に思えてならなかった。
さらに疑問なものとして、〝凶器〟や〝物〟の部分はかなり苦しいように思える。その辺の記述がサラリと流されていたのは不満。
結果として面白く読めたが、裏切られるほどではない。
奇を衒ったように見せかけて、ユニークな趣向以外の道具は実に〝古典的〟というギミックを考慮すると、作者の本格ミステリ愛を感じる作品でもあった。

No.9 6点 2015/05/15 11:37
全部でページ数はどのぐらいあるのだろう、といつものクセでページをぱらぱらとめくり、最終ページをチラリ・・・
いままでずっとやってきたことだが、このクセで、犯人の名を知ってしまったことはなかった。
ところが、本書にかぎり、最終ページの最後の一行
          『××××××××殺人事件』 了
伏字なしの隠しタイトルが目に飛び込んできた。
ショックだった。

ただ、読み進めていくと、本作の謎がこれだけではないことがわかった。
読み終えてみれば、タイトル当てはオマケのようなもの。
楽しみの1つは奪われたけど、結果的には、(情けない話だが)タイトルからトリックに結びつかなかったし、特段の問題はなかった。
でもやはり、これから読む方、十分に気をつけてください。

隠しタイトルは諺だが、どうせ隠すのなら、その諺をもじって、もっとストレートにしたほうがよかったんじゃない、批判を覚悟でね。

この作品の肝は、なんといっても〇〇トリック。
ヴァリエーションの1つかもしれないが、いままでにはなかったということか。
このミステリー・テクニックにも、おびただしいほどの下ネタにも、スルスルと読めるところにも、新人らしからぬ手慣れた仕事ぶりを感じた。

No.8 6点 kanamori 2014/12/20 16:32
アウトドア派の”僕(⇒俺)”は、ブログで知り合った同じ趣味をもつ仲間たちと毎年恒例のオフ会を行うため、小笠原諸島の孤島へ赴いた。ところが翌朝、参加者のうち男女2人が行方不明に、続いて洞窟で変死体が見つかる----------。

いかにもメフィスト賞受賞作といった趣向の作品。
ネタバレになってしまうが、読者に隠された”特殊設定”が明らかになると謎がスルスルと解けるという点で、倉阪センセの一連のバカミスと同種の臭いがする。
島に着いた途端に主人公の人格が変わってしまったり、終盤の下ネタの連発には笑ってしまうが、それらがキッチリ伏線や手掛かりになっているのには感心させられた。手術直後だとその部位の皮膚の色が違って目立つだろ!といったようなツッコミは野暮に思えてしまう。ただ、タイトル当ての趣向はウリにするほどのものではなかった気がしますが。
また一人、京大推理研出身の楽しみな作家が現れた(かな?)。

No.7 6点 makomako 2014/12/20 16:26
 タイトルあての読者への挑戦状が最初に提示され、ちょっとびっくり。答えは最後まで読むとわかるが、こんなタイトルはまず当たらないでしょう。ただ当たってもどうってことはないね。
 作者はミステリーファンらしくいろんな手口をある面では公開しつつ話を進めていく。この辺りはまずまず面白い。ただミステリーマニアなら途中でまずトリック(らしきもの)は分かってしまうでしょう。下品という評もありましたが、私はさほどに思いませんでした。

以下ネタバレ気味
 ただあの--を変身させるトリックは無理でしょうね。自分でやれますが、そのあとの腫れやなにやで絶対わかっちゃうな。

No.6 5点 HORNET 2014/12/20 15:55
 これはバカミスの部類に入るのではないか。タイトルあてという試みや、トリックには確かに斬新なものを感じたが、各ランキングや書評でそこまで高評価になるのはいささか面食らう。一日であっさり読める、軽~い、ユーモアと一読に値するアイデアありの作品、といったところ。
 館、クローズドサークル、仮面、といった本格ミステリアイテムをちりばめながら、あくまでユーモアと下品を入り混ぜた姿勢で書き上げた面白さはある。上に書いたように簡単に読めるので、広い読者に受け入れられそうな作品ではある。

No.5 7点 虫暮部 2014/10/20 08:48
 色々笑っちゃったけど、叙述トリックについては評価する。
 終章で“彼等”に対する偏見が指摘されているあたり、軽い振りをして隠れ社会派である。多様な価値観は尊重し合いたいものだし、“彼等”の信条も興味深い。
 ただ、個々人の差異は多くなるわけで、顔だけ隠しての入れ替わりは難しいだろう。これはまぁ大目に見る。
 “アイスピックを持ち去らなかった理由”は苦しい。それが決め手になっただけに。海に捨てればいいじゃないか。

No.4 7点 まさむね 2014/10/07 00:06
 第50回メフィスト賞受賞作品。
 冒頭にある「読者への挑戦状」において,メインは,犯人当てでも,トリック当てでも,動機当てでもなく,「タイトル当て」とありますが,正直,タイトル自体にとてつもない楽しみが隠されているわけではありません。そして,もの凄く品がない内容であります。下品極まりなし。毛嫌いする方も多いでしょう。
 でも,私は嫌いじゃないです。っていうか,結構好き。誤解の無いように申し述べれば,決してお下劣な表現が好きだということではなく,実は,伏線も含めてしっかりと練り込んでいるからであります。最大の大仕掛けについても,「馬鹿馬鹿しい!」と思いつつ,それは怒りには発展せず,何故か清々しさ(ちょっと誇張)すら感じさせます。
 皆様同様,前半の冗長さはもっと工夫の余地があると思いましたが,いろんな意味で次回作に注目せざるを得ない作家さんではあります。

No.3 6点 メルカトル 2014/10/05 22:12
この採点はひとえに一発勝負の大仕掛けに捧げられるものである。よって、それを除けばせいぜい4点程度の平凡な作品と思われる。それにしても、これは史上まれに見る下品というか、お下劣な作品だ。それはチープな表紙によく表現されている。人によっては、そういった低俗な作風が許せないという方もおられるかもしれない。かく言う私も、エログロは決して苦手ではないが、本作に対してはあまり好感を持ってはいない。だが、あのバカミス的大トリックがいかにもインパクトが強く、一概に貶すわけにもいかないわけである。
私もやはり、前半のごたごたが冗長に感じられて、せめて島に到着するまでのシーン全体を、半分以下にカットしていただきたく思った。それと、大袈裟にタイトル当てみたいなお遊びをさも凄いことのように喧伝しているが、大した意味はなかったと感じる。
さて、この作者、果たして私が予想するような一発屋なのか、それともさらに一皮むけた大物に化けるのか、いずれにしても次回作を楽しみにしたいと思う。

No.2 6点 名探偵ジャパン 2014/09/09 09:02
キャッチーな表紙絵、二度見せざるを得ないタイトル、帯には書店員の紹介文と、地雷臭が半端ない武装に耐えきれずレジへ。
「まあ、つまらなかったらここでコキおろせばいいし」と軽い気持ちで読み始めたが、意外にしっかりしていて楽しめた。
本編の半分以上経過してからやっと事件が起きるなど、序盤の展開はだるい。取材の成果を生かしたかったのだろうが、船や諸島に関する描写が多すぎる。
タイトル当てという要素は必要なかったのでは? とも思うが、それも込みで購買意欲が湧いたことを考えると、怒濤のごとく発刊される新刊の中で、少しでも興味を引くには致し方ないのかも。
人気が出たらいずれドラマ化、映像化されるからそれを観ればと考えている方。本作は色々な意味で映像化不可能なので、気になったらご一読を。

No.1 6点 アイス・コーヒー 2014/09/06 15:23
第五十回メフィスト賞受賞作。アウトドアという共通の趣味を持ち、あるブログのオフ会に訪れた男女。メンバーの一人が所有する島で例年行われる恒例行事だったが、今年は新顔の乱入もあって波乱の予感。そんな中、失踪事件が起きる。

タイトルの「○○○○○○○○」はあることわざを示す伏字。本作最大のテーマはその「タイトル当て」なのだ。さらに、それだけにとどまらず本編では「仮面の男」やら「針と糸の密室」やら新本格らしい道具立てが揃えられている。そこから導き出される真相もまた驚愕もの。(肝心のタイトル当てもこれはこれで面白い。)
伏線の配置やトリックの組み合わせ方は絶妙で今後が期待できる作家だろう。実にメフィストらしいユニーク(くだらない)な作品なので、深く考えすぎず気軽に読むことをお勧めする。
下ネタ要素なども含めて、「六とん」のようなバカミスの一つといえるだろう。無論、「消失!」のような作品を受け入れられない人は読まない方が良い。これからはこの調子で極北路線を極めるのか、本格を追求していくのか。どちらにせよ次回作が楽しみ。


早坂吝
2019年08月
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2019年05月
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2016年03月
誰も僕を裁けない
平均:6.22 / 書評数:9
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RPGスクール
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2015年02月
虹の歯ブラシ 上木らいち発散
平均:6.07 / 書評数:15
2014年09月
○○○○○○○○殺人事件
平均:5.79 / 書評数:19