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[ 本格/新本格 ]
しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人
早坂吝 出版月: 2023年05月 平均: 7.00点 書評数: 9件

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光文社
2023年05月

No.9 6点 蟷螂の斧 2024/03/30 14:39
クローズド・サークルの脱出となると、どうしても「インシテミル」を想起します。あの緊迫感がなんとも言えないのですが、本作はラノベチックでしたね。最近は「どんでん返し」の上手い作家さんが多く出てきており、よほどのことでないと驚かなくなってしまった(苦笑)。           
なお、迷宮牢の殺人1にある「彼の」は「彼女の」のミスだと思うのですが・・・

No.8 7点 メルカトル 2023/12/09 22:43
  女名探偵の死宮遊歩は迷宮牢で目を覚ます。姿を見せないゲームマスターは「六つの迷宮入り凶悪事件の犯人を集めた。各人に与えられた武器で殺し合い、生き残った一人のみが解放される」と言うが、ここにいるのは七人の男女。全員が「自分は潔白だ」と言い張るなか、一人また一人と殺害されてゆく。生きてここを出られるのは誰なのか? そしてゲームマスターの目的は?
Amazon内容紹介より。

しおかぜ市一家殺害事件が7、5点。迷宮牢の殺人が5点で、均して6、25点。ですが、終盤の怒涛の急展開が見事過ぎて、評点を大きく押し上げました。とは言え、8点はちょっとと躊躇する気持ちが何となくあり、7点に抑えました。それにしても、あるサイトによると『このミス』では37位だそうじゃないですか、あり得ませんね。これだから『このミス』のランクは当てになりません。何しろいくら久しぶりだとは言っても『鵼の碑』が2位ですからねえ。私も一応7点付けましたけどシリーズ初期の五作目までと比較すると、その出来の差は歴然としていますし。いくら何でも2位は上位過ぎでしょう。

前置きが長くなりましたが、本作は鬼畜の如き所業から始まり、緻密な論理展開と地道な警察の捜査の結晶での解決で幕を閉じるという、まさに本格の名に恥じない傑作と思います。ただ、迷宮牢の件がやや緊迫感に欠け、何が目的なのか理解しづらいのが難点ですかね。女名探偵死宮遊歩と合気道の達人武智玄才の対決は読み応えがありましたけど。このシーンは好きですね、個人的に。

No.7 7点 HORNET 2023/10/29 21:26
 「六つの迷宮入り凶悪事件の犯人を集めた。各人に与えられた武器で殺し合い、生き残った一人のみが解放される」女名探偵の死宮遊歩は迷宮牢で目を覚ます。姿を見せないゲームマスターは六つの未解決事件の犯人を集めたと言うが、ここにいるのは七人の男女。全員が「自分は潔白だ」と言い張るなか、一人また一人と殺害されてゆく。生きてここを出られるのは誰なのか?そしてゲームマスターの目的は?(「BOOK」データベースより)

<ネタバレあり>
 結果「作中作」であった「迷宮牢の殺人」単体でも、まずますの出来のパズラーなのだが、それを覆う作品全体の仕掛けには確かに「してやられた」(!)
 最終盤、現在の捜査基軸に戻ってからの反転、反転(文字通り 笑)はちょっとついていけないくらい。良い意味で。ただ仕掛けが複雑なだけに、一発で「ぞわっ」とくるような類ではなかった(えっと…アレがアレで…アレだから…と反芻しなきゃいけないカンジ)。
 結局は、真犯人が本当に犯した犯罪は、冒頭にあった「一家殺害事件」だけってことでいいんだよね…???

No.6 8点 名探偵ジャパン 2023/10/09 22:47
「叙述書いたらデビューできるっていう情報商材でも売ってんのか?」(本分より 笑)
 いやあ、やられましたね。「『世界が反転』や『どんでん返し』を売りにするならここまでやりなよ」という作者の心の声が聞こえてくるようでした。
 本作は最初に舞台の平面図が挿入されているのですが、それを見て「ああ、こういうやつね」と「ははん」と思った人こそ、ぜひ読んでみていただきたい。

No.5 7点 みりん 2023/08/04 10:46
新刊の書評なのに既に4件!
こういうのはいつも騙されるので幸せな脳です。おもしろかった。

No.4 6点 虫暮部 2023/08/03 13:02
 全体の構造はなんとも大胆。すれた読者の思い込みを上手く逆手に取られた。
 ところが読後感としては “あっ、そう” と言った気分が少なからずあって、何故かな~? 伏線が妙にチマチマした印象で、特に迷宮の図は疲れた。種の明かし方がぎこちない。つい(没入しないで)俯瞰的に読んでしまうので、驚いても世界が反転しないのだ。
 でもまぁ思い起こせばこの人はずっとそういう作風である。文章に深みが無いのはもはや前提であり、この程度の当たり外れは許容範囲内とするしかない。

No.3 7点 まさむね 2023/07/30 23:05
 やられたなぁ、と思い読み返してみて、なるほどなぁ、と感じた作品。違和感の一部が想像通りだったとしても、ごくごく一部であるし、芯からほど遠い部分でありました。
 なお、作品に登場する某作家の某作品については、「こんなこともあるのだなぁ」と妙に記憶に残っていたのですが、巧く活用したものですねぇ。なるほどねぇ。

No.2 7点 sophia 2023/07/24 23:59
ネタバレあり

「迷宮牢の殺人」のグズグズっぷりに立腹しかけていたのですが、それすらも伏線でしたか。キーパーソン死宮遊歩の正体へ迫るヒントが初登場シーンに示されているのは実にフェアです(しかも助詞一文字の違和感という細かさ)。これはこれで面白かったのですが、当初期待していた通り真っ当なクローズド・サークルものとして読みたかった気もしますし、六つの未解決事件のインパクトの強さの余りスケールダウンした印象で損をしてしまったのではないでしょうか。しかしこの作品は誰もがあの新本格作家のあの作品を思い浮かべると思いますが、オマージュなのですかね。米澤穂信のあの作品っぽくもありますが。

No.1 8点 人並由真 2023/07/09 08:38
(ネタバレなし)
 2年ぶりの新刊だが、小ネタと大技の融合、さらにその練り込み具合は、作者の著作中でも上位に来るであろう。

 なんでこんな作品の構造になるか? という疑問が半ばで生じた時点で(中略)だが、そこからの奥行きの広がりが、とにかくすさまじい。
 手数の多さの上に、さらにそれぞれのギミックごとの演出が活きている。
 
 いや、あるところまで見破る人は、それなりにいそうだけれど、本作の価値はさらにソコの向こうの(以下略)。

 3時間かけずに読み終えられるリーダビリティの高さだが、中味は濃い。
 正直、ホメきったら負けな気もしないでもないし、限定ポイント的な減点法で引きずり下ろせそうな感覚もあるのだが(笑・汗)、一方で、この詰め込み感が結局はモノを言っている。

 うん、いまのところこれが、現時点での今年の国産ベストワンか? 
 久々に(?)、実にくっきりした「新本格」を読んだ。


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早坂吝
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