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[ 本格/新本格 ]
四元館の殺人―探偵AIのリアル・ディープラーニング
探偵AI
早坂吝 出版月: 2021年06月 平均: 6.62点 書評数: 8件

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新潮社
2021年06月

No.8 7点 パメル 2024/11/29 19:19
探偵のAI・相以と助手の合尾輔は、犯人のAI・以相が実施した「犯罪オークション」の落札者が以相の協力を得て起こそうとする復讐計画を阻止するべく、山奥に建つ洋館に向かう。それは風車・ソーラーパネル等が設置され自家発電によって動く奇妙な建造物であった。館の主は七年前に失踪し、明後日にはその娘が相続人となる状況下、四元館には思惑を抱えた親戚が集まっている。風車塔の傍らでは一年前に不審死が起こっており、相以は早速推理を巡らせるが、館の住人たちを認識した直後に銃声が聞こえ、その中の一人が命を落とす。
作中で輔のモノローグも示唆する通り、ミステリマニア垂涎のお膳立てが整った館もの。予想通りに殺人が発生するのだが、現場で相以が指摘する手掛かりは輔を困惑させるものばかり。さらに館の建造にまつわるエピソードが語られるなどが物語は重層性を帯びていく。
ここでいう重層性とは伏線が張られた様々な以相と言い換えても良い。それらが集合することで明らかになる最終局面の驚愕必至の真相は、このシリーズだからこそ書きえたネタであるだろうが、それもさることながら伏線ごとのキャラクターが濃いことを強調したい。AIの突飛な行動と推理に加え、全体を館ミステリのパロディ仕立てた趣向が楽しい。一見、奇抜さのない館が果たす役割は破壊力抜群で、驚きの後に笑いが出る愛らしいミステリである。

No.7 5点 蟷螂の斧 2024/10/18 06:50
SFミステリーとしての新感覚さはあると思いますが、犯人の設定、館の構造など、ここまでくると何でもありになってしまう。肯定派が多いのかな?。私は受け付けない派タイプ。残念。

No.6 4点 レッドキング 2024/08/29 22:53
AI探偵シリーズ第三弾。島荘 「斜め屋敷の犯罪」 以上に、「完全に正しい」タイトルであった。脱力感において、カー「震えない男」や東野「卒業」等をぶっちぎる密室トリックには眼をつぶり、「水平線効果」とかのAIロジックを評価して。

No.5 8点 みりん 2024/06/27 21:42
ふぅ、あぶないあぶない…他の方の書評を読む前に、「ミステリ史に前例がなく、斬新にして奇抜、エポックメイキング的な作品だ!」的なことを書いてしまうところだったぜ。
とはいえ私はこれが初対面。久々に会心の館ミステリとの邂逅に心が踊った。
AI探偵シリーズ第三弾。話が続きになっている前作と違って、今作はつまみ食いしても大丈夫だと思う。が、シリーズを順に読むことで、世界観というか、作品内のファンタジーボーダー(造語です)のようなものを認識していないと、ありえねえだろ!と怒る方が大半だと思う。
前例作品を読んでみないことには、今作がどれほどの奇想であるかを正確には判断できないが、早坂先生のサービス精神・チャレンジ精神と脱出劇の面白さと相以の可愛いさに8点付けちゃう。

No.4 6点 文生 2024/05/23 08:09
キャラクター小説としては安定の面白さでしたし、真相の意外性も着想自体は非常にユニークです。ただ、いくらSFミステリーだとしてもこれはありなんでしょうか?まあ、確かに伏線は張られていますが、少々やりすぎな気もします。なんでもあり一歩手前の問題作。

No.3 7点 人並由真 2022/02/22 05:37
(ネタバレなし)
 驚愕の大ネタは、それなりに以前に刊行された某作品に、先例がアリ(汗)。
 ただし(早坂センセが、その前例を知っていたかどうかは不明だが)後出しの分、料理の仕方は今回のほうがこなれていると思う。何より本シリーズの作風には合っている。

 素で驚くことができていれば、十分に8点だったが、もしかしたら作者が先駆作を知らないでドヤ顔で書いてしまった可能性を踏まえて、この評点で。それでも自分なりにデリケートな採点のつもりです(笑・汗)

 とはいえ、その大ネタ以外の部分でも、いろいろ得点はしている作品ではある。それは認める。ある意味ではくだんの大ネタよりも、物語全体の事件の流れの方が気に入った。

 で、ちょっとだけ気になったのは、特異な血痕が残った経緯。そんなにうまく(中略)ものかな。
 いや、絶対にありえないこととはいえないから、いいのか?

 余計なことを書いちゃったりするとマズイので、今回はこの辺で(笑)。

No.2 8点 メルカトル 2022/02/02 22:34
今度の舞台は雪山の館。驚天動地の犯人、爆誕⁉
「犯罪オークションへようこそ! 」 犯人のAI・以相(いあ)が電脳空間で開催した闇オークション、落札したのは、従姉を何者かに殺され、復讐のための殺人を叶えたいというひとりの少女だった!?以相による殺意の連鎖を食い止めるべく、探偵のAI・相以(あい)と助手の輔(たすく)がわずかな手がかりを元に辿り着いたのは――雪山に佇む奇怪な館「四元館(よんげんかん)」だった。そこに住まう奇妙な四元(よつもと)一族と、次々巻き起こる不可思議な変死事件……人工知能の推理が解き明かす前代未聞の「犯人」とは!? 本格ミステリの奇才が“館ミステリ"の新たなる地平を鮮烈に切り開く、傑作長編。
Amazon内容紹介より。

雪の密室、奇矯な建築家が設計した、人里離れた山中の館、そこに住まう怪し過ぎる人々、そして連続殺人。如何にもな館ミステリの王道を往くのかと思いきや・・・。
古色蒼然とした本格物でありながら、新しい要素を取り入れることにより、これまでのミステリと一線を画す作品になっていると思います。本シリーズでは勿論お得意のエロは封印されており、真面目なミステリとしての、又新たな試みに挑戦し続ける作者の矜持の様なものがひしひしと感じられます。

そして究極のフーダニットとして私は評価したいと思います。伏線はそこここに張られており、決してアンフェアとは言えないでしょう。一人でも多くの人に読んで欲しいですね。でもくれぐれも壁に叩き付けない様にね。

No.1 8点 虫暮部 2021/12/02 11:16
 意外と古式ゆかしい館モノ、と騙されかかったが、探偵AIなんて基本設定がそれで済ます筈は無い。まだあった“意外な犯人”! 竹筒を使ったトリックは改良の余地がありそう。


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早坂吝
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