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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
興奮
競馬シリーズ
ディック・フランシス 出版月: 1967年01月 平均: 6.33点 書評数: 12件

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早川書房
1967年01月

早川書房
1972年01月

早川書房
1976年04月

No.12 5点 2022/10/07 16:11
ディック・フランシスは人気もあり、評判もよく、いままで勧めてくれる人もいましたがそのまま放置し、今回やっと手にとった次第です。
基本的にはスパイ・潜入捜査物なので、その字句を思い浮かべただけでわくわくしてきます。
競馬界の薬物疑惑というのも個人的には新鮮だった。しかも程よい謎解き部分があるのもよかった。

ただ、主人公がもっと変なやつでもよかったような気がします。スパイだからストイックなのはいいとしても、読者に対してはもっと奇異な面を見せてほしい。
それに、スリルについても予想していたのとはちょっと違っていた。

初めてで不慣れなだけなのでしょうか。
とにかくあと数作は読んでみます。

No.11 7点 ROM大臣 2022/01/20 15:57
イギリス障害競馬場で奇妙な事件が起きていた。人気のない馬が意外な走りで優勝する事態が頻発していたのだ。不正が疑われたが、検査しても薬物の痕跡は何ひとつ浮ばない。いったいどんな手口なのか。
理不尽な悪意、身を切るような屈辱、仲間からの侮蔑。主人公は孤立無援の状況に追い込まれる。だが目的達成のためには耐えなければならない。彼は前に進み続ける。
圧倒的な苦難にさらされる裸の魂。伝統的冒険小説からすべての装飾を殺ぎ落とした後に残る対立構造。これが生み出す強烈なサスペンスとカタルシスは、ほかではなかなか味わえないのではないか。

No.10 5点 ことは 2021/10/16 17:28
久しぶりに読むフランシス初期作品としては、最も有名な本作を選んでみた。
(再読なのだが、不正の仕掛け以外はなにもおぼえていなくて、初読のようだった。昔の記憶、どんどんなくしてるな……)
このサイトの書評を色々読んで、初期はメイン・ストーリー中心と思っていたが、それはそのとおりだった。また、私は他フランシス作の感想に「フランシスについては、メイン・ストーリーよりサブ・ストーリーのほうが好み」と書いたが、それもそのとおりだった。
楽しく読めたのだが、「面白いっ!」と感情が動かされるほどではなかった。
冷静に要因を考えてみると、主人公があまりにストイックであり、感情描写もすくなかったため、共感できなかったためだと思う。ハラハラドキドキさせる小説では、主人公の感情に寄り添えることが重要なのだとあらためて認識した。(中期フランシスでは、もっと感情描写があると思う)
構成としてもひとつ疑問があった。ラストの章がやや唐突に感じたのだが、これは「事件が主」で語られているからだと思う。「主人公を描くことが主」で、事件は主人公を描く手段とおもえるほど徹底したほうが、効果的だったのではないか。そうすれば、最後の1文など、主人公と一緒の感慨を感じられたのかもしれない。
やっぱり、フランシスは中期のほうが好きかなぁ。

No.9 6点 斎藤警部 2015/06/04 16:09
エキサイティングな展開ながら適度なリアリティがあり、面白く読みました。
主人公のタフな善人ぶりがいいですね。依頼人の娘とか、頭のおかしい貴族とか、忘れえぬ悪役(大小問わず)もいました。 潜入した厩舎の仕事仲間にも、心に残る奴がいたなあ。甥に鉄道模型を買ってやるんだって言ってた頭の弱い男とか。違ったっけ? 
事件の解決した後、最後にもう一つ又別の急展開を見せる所はなかなかの名場面。何気にハラハラします。
例のシンプルなトリックは、特に驚きはしませんが、記憶に残ります。
そういや最初は英語教材の朗読テープで聴いたんだった。この小説。

No.8 6点 ボナンザ 2014/09/22 13:19
シリーズ最高傑作と名高い作品。
謎解きとスリルがうまい具合に混じり合った良作といえるだろう。
でもラストの展開はやや唐突すぎるかな。

No.7 6点 E-BANKER 2014/08/07 21:48
1965年発表の競馬シリーズ第三長編。
シリーズ中でも屈指の出来栄えを誇る作品との評価はあるが、果たして・・・
原題“for kicks”(=刺激を求めて、という意味かな?)

~障害レースで思いがけない大穴が続いていた。番狂わせを演じた馬は、その時の状況から推して明らかに興奮剤を与えられていた。ところが、いくら検査をしても興奮剤を投与した証拠が出てこない。どんなからくりで不正が行われているのか? 事件の解明を急ぐ障害レースの理事は、オーストラリアに飛び、種馬牧場を経営するロークに黒い霧の真相究明を依頼したのだが・・・~

まさに「興奮」という邦題がピタリ当て嵌る作品。
明らかに興奮剤を与えたとしか思えないサラブレッドなのだが、検査をしても全く薬剤は発見されない。
その謎を解くために、悪徳厩舎に潜入を図る主人公ローク。
そして、本シリーズではお馴染みの終盤のピンチシーンを経て、事件は無事解決されるのだ。
こう書くと、「二番煎じ」とか「マンネリ」と思われそうなのだが、決してそういうことではない!

他の方も書かれているが、本シリーズのテーマは「男たちの不屈の心や矜持」ということなのだろうし、本作でもその醍醐味は十二分に味わえる。
ロークがトリックに気付くのが単なる偶然というのが気になりはするが、サスペンス性は過去二作を上回る出来栄えだろう。
ただし、個人的には一作目の「本命」の方が上に思えた。

昨今はサラブレッドだけでなく、人間でもドーピング問題がスポーツ会では問題になっているけど、人間がもしこのトリックを使えるのなら楽だろうねぇ・・・
(特定の人物だけ、というのは無理だろうが・・・)

No.6 8点 あい 2013/04/05 04:17
とてもスリリングな物語でまったく飽きなかった。ミステリの謎としてはすごいとは思わなかったが、アイディアが面白いと思った。

No.5 3点 TON2 2012/11/04 02:58
評価の高い作品ですが、競馬に興味がないためか、さほどの名作とは感じませんでした。

No.4 8点 isurrender 2011/09/03 11:57
競馬ミステリであるが、その内容はスパイものと言っても過言でなく、スリリングさを存分に味わえました

No.3 7点 kanamori 2010/07/18 17:26
「東西ミステリーベスト100」海外編の19位は、英国スリラーで競馬シリーズの代表作。
ミステリ趣向として、ある小道具を使った不正レースのトリックは推理クイズ本などで有名になってしまいましたが、テーマはいつもどおりで、男の不屈の精神。
今回の主人公は純粋な巻き込まれ型でないのが不満点ですが、一旦屈服した男の再生の物語はやはり読ませます。

No.2 8点 2010/02/18 21:07
2月14日に死去した競馬ミステリの巨匠、実は競馬に興味がないこともあって、本作を20年以上前に読んだっきりでした。今回久々の再読です。
冒頭オーストラリアで牧場を営む主人公が、突然イギリス競馬界の潜入捜査を依頼されます。それで一晩考えた末に引き受ける決意を固めるところを、「常識が負けた。」という1文で表現するなど、上手いものだと思いました。アメリカ産ハードボイルドからの影響も感じられます。一応イギリス冒険小説の伝統につながるとされてはいるようですが。
レース途中で馬をタイトルどおり異常に「興奮」させながら、薬物使用の痕跡が全くないというのがメインの謎で、知的サスペンスもあります。終盤で主人公が危機に陥る原因も、意外なところが伏線になっていたりして、構成が本当にしっかりできている作品です。

No.1 7点 あびびび 2010/02/07 13:35
英国競馬の障害レースで不正レースがありそうだ…ということで氏素性の分からないオーストラリアの競馬関係者が見込まれ潜入捜査をする。

元ジョッキーという肩書きの作者だけにリアル感は当然だが、オーナーや厩務員の生活が浮き彫りにされておもしろい。ただ、事件解決後の主人公の行方が意外。そんな簡単に生活を変えられるのかどうか?


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ディック・フランシス
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