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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] 帰還 競馬シリーズ |
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ディック・フランシス | 出版月: 1992年11月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
早川書房 1992年11月 |
早川書房 1997年09月 |
No.1 | 6点 | 雪 | 2018/08/28 14:30 |
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数年間の東京赴任を終え、ロンドン本省への栄転が決定した外交官ピーター・ダーウィン。母国への帰途立ち寄ったマイアミで同期の領事に歓待されるも、強盗事件に巻き込まれたディナー歌手夫妻をチェルトナムまで送り届ける破目になってしまう。彼らは娘の結婚式に立ち会う為、イギリスに旅立つ途中だったのだ。そしてチェルトナム競馬場は、ピーターが幼年期を母と過ごした場所でもあった。
ピーターと老夫妻は娘ベリンダに婚約者ケン・マクルアを紹介されるが、彼の顔色は冴えなかった。獣医である彼の手術した馬が、次々に原因不明の死を遂げていたのだ。さらにその夜ケンたちが勤務する動物病院が放火され、焼け跡から黒焦げの死体が発見される。 ケンの窮地を救おうと懸命に調査を続けるピーター。だがやがて彼は、徐々に浮かび上がる自らの記憶の中に、重大な手掛かりが隠されている事に気付くのだった。 競馬シリーズ30作目。主人公ダーウィンが少年時代に接した噂、人物の印象などが事件を解くカギになります。いわゆる「回想の殺人」の変奏版。土壇場になるまで犯人は解りません。第26作「黄金」同様フーダニット系で、なおかつ医学サスペンスの趣きもあり、馬を死に至らしめる方法が列挙されてて結構エグイです。その中でも主要なネタはなんと日本関連。ピーターの日本滞在がここで生きてきます。 ディック・フランシスがジャパンカップ観戦の為来日したのが1988年。「黄金」日本語版刊行と重なります。ここに来て矯めてたネタを使ったという事ですね。その次の「横断」はややパッとしませんでしたが、「直線」「標的」そして本作と、第32作「決着」辺りまでなかなかの作品が続きます。かなり面白いけど、主人公が文系タイプなのでやや印象が薄いかな。6.5点。 |