皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] 誰か Somebody 杉村三郎シリーズ 1 |
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宮部みゆき | 出版月: 2003年11月 | 平均: 5.45点 | 書評数: 11件 |
実業之日本社 2003年11月 |
光文社 2005年08月 |
文藝春秋 2007年12月 |
No.11 | 5点 | いいちこ | 2023/10/03 16:08 |
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筆力の高さは相変わらずで、よく描けている。
作品の主題も悪くはない。 ただ、いかんせん、ミステリとしてはプロットや真相があまりにも平凡であり、回収されていない設定の存在等も含め、抜群の完成度とはいえない。 ストレスを感じることなく、読書を楽しめるものの、読者の心に何かを強く残す作品ではない。 5点の中位 |
No.10 | 5点 | 猫サーカス | 2022/11/11 18:40 |
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今多コンツェルン会長の個人運転手・梶田が不慮の死を遂げた。犯人を見つけたいと願う梶田の娘たちは、父親の一代記を出版し、世間の注目を集めようとする。編集者の杉村は、義父である今多会長の依頼により、彼女たちに協力することに。しかし姉娘の聡美は、父親の過去を掘り起こすことで、忌まわしい事実が明らかになるのではとおびえていた。彼女を安心させるためにも、杉村は梶田の過去の調査を開始するのだが。本書はかなり地味な印象であり、特に前半の展開は淡々としている。杉村の立場は決して特殊なものではない。良かれと思ってやったことが、かえって非難の的となった経験は、たぶん誰にでもあるに違いない。本書のラストはそんな普遍性がある。真実を知ろうとする探索が、平穏な見せかけの裏に隠されていた醜いものを暴きたててしまう場合もある。最終的に明かされる作品のテーマ自体は、そんなに目新しくはない。しかし、古典的なテーマをいかに巧みにさばくかが作家の腕の見せ所なのだということを改めて教えてくれる。 |
No.9 | 6点 | 青い車 | 2016/11/09 14:02 |
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数々の作品が映像化され、今や日本の推理小説界を代表するひとりといっても過言ではない宮部みゆきさん。なのに特に理由もなくまったく読んでなかったことに気付き、いちばん最初に読んだ作品です。自転車事故が事の発端とは、装飾過多の本格ミステリーと比べると明らかに小粒。主人公・杉村も個性に乏しく、その先にこれといって大事件が起きる訳でもありません。しかし、驚くほどスムーズに気持ち良く読めたこと、人間の心の光と陰をしっかり読ませ、かつゴタゴタした感はまったくなく収束されていることなど、プラスのポイントは多いです。作者の確かな実力を感じました。 |
No.8 | 6点 | 鷹 | 2015/05/01 20:43 |
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ミステリー度は高くないが、さすがに文章がうまく一気に読了しました。 |
No.7 | 6点 | 白い風 | 2013/07/20 23:17 |
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一件の自転車轢き逃げ事件から、様々な人間模様が浮き出てきます。
ラストはミステリーファンなら、大体想像は付くと思うけど、楽しめました。 宮部さんの作品は好人物が多いけど、今回は主人公杉村三郎の家族と依頼者梶田姉妹の対比がいいですね。 家族・幸せの意味も感じさせられました。 |
No.6 | 6点 | makomako | 2012/07/29 10:02 |
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悪くはないが、ちょっと盛り上がりに欠ける面もある。それでもすらすら読めてしまうのは作者の力量なのでしょう。
謎や探偵さんの個性に関してはまあ普通。登場人物はみんなそれほど悪くない思っていると、さすがに女性の作家らしく男には書けないような女性の嫌なところを最後に見せてくれる。 女は意地悪で嫌なところがあるなどと男性が書いたらセクハラだと騒がれるが、女性が書く分にはそういった心配もないせいのでしょう。 逆に女性の作家さんらしく男性に対する描き方は甘いね。 異性はすべてが分かったら幻滅。永遠に分からないから好きにもなれるのでしょうね。 |
No.5 | 4点 | 蟷螂の斧 | 2012/01/25 20:12 |
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作風なのでしょうか、物語が淡々と進み、盛り上がりに欠ける感じを受けました。 |
No.4 | 4点 | ウィン | 2010/09/25 12:08 |
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「名もなき毒」を読もうと思ったが、この「誰か」の続編であるらしいので、それならこれを読んでからにしよう、ということで、これを読了。
俺は読む前から、「名もなき毒」がかなり売れていることや、宮部みゆきの作品の面白さなどから過剰な期待を抱いていた。 しかし、その過剰な期待のせいで、おだやかに進んでいくこの話に面白さを感じられなかった。 起こった事件といえば「自転車事故」くらい。とはいえ、それで人が死んでいるのだから、「くらい」などというのは不謹慎であるのだが。 俺はもっとミステリとしての面白さを求めていた。 しかしこの話にはミステリとしての面白さは、ほとんどない。おだやかに、特に何の起伏もなくトントンと進んでいく。 ラストが少し衝撃だが、でもそれほど衝撃的でもない。 過剰な期待のあまり、読了後に「うーん」と唸ってしまった。まあ、たまにはこんなものもいいかな、とは思う。 ちなみに装丁は最高です。 |
No.3 | 4点 | spam-musubi | 2009/11/04 20:12 |
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あっさり始まり、あっさり進み、あっさり終わった。
小品、佳作、といった感じ。 ミステリーとして評価する作品ではありません。 かといって、主人公を始めとしてとりたてて魅力的な 登場人物もおらず。 作者が好きなだけに肩透かしをくらった印象。 |
No.2 | 6点 | Take | 2008/02/23 10:55 |
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久しぶりに宮部みゆきの作品を読んだ。
好きな作家だけに期待度が大きかっただけに多少物足りない 気がしたが、物語としてまあ、楽しめました。 |
No.1 | 8点 | 北浦透 | 2007/12/25 20:42 |
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この題材をグイグイ読ませる描写力。
豊かな物語を、しかもミステリーとして届けてくれる。 『名もなき毒』も読んでみるつもりである。 |