皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] 淋しい狩人 |
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宮部みゆき | 出版月: 1993年10月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 11件 |
新潮社 1993年10月 |
新潮社 1997年01月 |
新潮社 2008年03月 |
No.11 | 6点 | E-BANKER | 2020/11/29 18:16 |
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~東京下町、荒川土手下にある小さな共同ビルの一階に店を構える田辺書店。店主のイワさんと孫の稔で切り盛りするごくありふれた古書店だ。しかし、この本屋を舞台に様々な事件が繰り広げられる・・・~
という連作短編集。 1993年の発表。 ①「六月は名ばかりの月」=今でいうストーカーのような男に付け狙われた女性の姉が死体で発見される。生前妹に告げた言葉が「歯と爪」・・・。当然バリンジャーのあの名作が連想されるんだけど、結末は割とどんでん返し。 ②「黙って逝った」=意味深なタイトル。寡黙だった父親が遺したのは、二十数冊の全く同じ本。いったいなぜ?ということなんだけど、その真相はあまり現実的でないと思うが・・・。こんなことするかな? ③「詫びない年月」=かなり地味めな一編。でも作者らしいといえばそうかも。いかにも下町って感じだしな。 ④「うそつき喇叭」=タイトルは体を痣だらけにした少年が田辺書店から万引きしようとした児童書のこと。店主は親のDVを疑うが真相は・・・というもの。 ⑤「歪んだ鏡」=営業目的で本の中に自分の名刺を忍び込ませる・・・。そんなことしても無駄だと思うけどなぁー。ラストは因果応報。 ⑥「淋しい狩人」=本格ミステリー不遇の時代にひとり踏ん張っていた小説家が残した未完の小説が「淋しい狩人」。この未完の小説を完成させたという男が現れ・・・ひと悶着。 以上6編。 古書を巡って起こる事件を店主が解決していく・・・ アレ! まさに「ビブリア古書堂の事件手帖」の先行事例?って思った。(あっちの主人公は巨乳美女で、こっちの主人公は老人だが・・・) いかにも作者らしいというか、多少の毒はあっても最終的には柔らかでふんわりした読後感に浸れる作品だった。逆に言えば、少々食い足りないということも言えるんだけど、まぁそこは言わぬが花かな。 もう少しプロットを煮詰めた方がいいものの混じってるけど、まずは安心して手に取れる短編集でしょう。 (作者の短編集はあまりハズレがないように思う。) |
No.10 | 6点 | まさむね | 2013/03/20 21:11 |
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東京の下町にある古本屋の店主,イワさんと“たった一人の不出来の孫”の稔が主役を務める連作短編。結構シビアな事件を噛ましつつも,人間的な温かな読後感を残す力量はさすがです。
ちなみに,タイトルが地味すぎますねぇ。「古書店モノ」が売れている昨今,タイトルを変えて新装版を出せば売れるような気がしますが,新潮社さん,どうでしょう? |
No.9 | 7点 | E | 2010/06/13 23:09 |
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古本屋のイワさんとその孫を中心に色々な謎を解くミステリー。
雰囲気はイワさんの人柄と長閑な古本屋のせいか、ほんわかしたイメージになりますが実は結構殺伐とした事件が起こる。 に、しても「淋しい狩人」という題名がピンとこないなぁ・・; |
No.8 | 6点 | vivi | 2009/04/24 03:24 |
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古本屋を舞台にした連作短編とは言いながら、
事件の発生から解決まで、 同じパターンでかかれてはおらず、バラエティに富んでいます。 平凡な普通の人々の中で起こる事件だから、 華麗さや派手さとは無縁ですけど、 平凡だから幸せとは言えない、闇を含んだ作品集ですね。 |
No.7 | 5点 | シュウ | 2008/09/28 20:22 |
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古本屋のおじいさんとその本好きの孫が探偵役で毎回本が絡んだ事件が起こるというのは設定だけ見るとかなり面白そうなんだけどな。
事件そのものにあまり魅力がないのでいまいち面白いとは思わなかった。 |
No.6 | 4点 | なの | 2004/10/05 14:55 |
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私もご同業なので、爺ちゃんにちょっと感情移入。 でも、作品としての出来はイマイチ。 話自体が地味な事よりも、キャラクターがもう一つこなれていないし、使い捨て感が漂います。 もっと掘り下げれば面白くなったと思うなぁ。 |
No.5 | 6点 | 884 | 2004/06/22 00:46 |
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宮部らしい感じ。できはそこそこ。 稔の彼女は、どうしてそんな設定になったのか、作者の心理がようわからんし。 |
No.4 | 6点 | ばやし | 2004/01/12 10:32 |
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おじいちゃんと孫の話ですよねーおもしろかったですね、普通に^^ |
No.3 | 6点 | 由良小三郎 | 2002/03/18 20:26 |
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主人公が下町の古書店の主人の老人とその孫息子という設定ですが人情物もありますが、短編のなかには深刻な犯罪も登場し随分人が死んだりします。殺人事件は、この主人公たちは、さばききれてない感じがします。物足りなさを感じる作品が多いと思いました。孫息子のその後は、関心があるので続編は期待しますが・・・。 |
No.2 | 7点 | アデランコ | 2001/07/24 17:18 |
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宮部の書く少年もやっぱりいいなー。 「黙って逝った」がお気に入り。 |
No.1 | 7点 | 由良 | 2001/07/18 15:17 |
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宮部みゆきの書くおじいちゃんはやっぱいいなあ。 |