皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
このミステリーがすごい! 三つの迷宮 『このミス』大賞シリーズ |
|||
---|---|---|---|
アンソロジー(出版社編) | 出版月: 2015年11月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 1件 |
宝島社 2015年11月 |
No.1 | 5点 | メルカトル | 2015/12/04 20:22 |
---|---|---|---|
『リケジョ探偵の謎解きラボ』 喜多喜久
『ポセイドンの罰』 中山七里 『冬、来たる』 降田天 以上の三作品からなるアンソロジー。とは言え、別にこれと言ったテーマが与えられているわけではなく、勝手気ままに書かれたミステリ。 『リケジョ』と『ポセイドン』は本格物。『冬』は何とも言い難い不思議な作品。敢えて言えば、三姉妹の母が亡くなり葬儀の日に、突然現れた一番下の弟。幼くして失踪した彼は果たして本物なのか、というのがあらすじ。正体不明の人物が登場する辺りは、横溝を彷彿とさせるが、果たしてミステリと言って良いものかどうか判断が難しい。 喜多氏がミステリとしての出来は一番だと思われる。これまでにない密室トリックは、さすが理系の作者だけのことはある。 一方中山氏は船上での殺人を描いており、被害者以外すべて動機ありの容疑者という、いかにもありがちな設定。こちらはこの作者にしては凡作ではないだろうか。 |