皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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ベスト本格ミステリ2017 本格ミステリ作家クラブ編:天野暁月、青崎有吾,西澤保彦,似鳥鶏など |
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アンソロジー(出版社編) | 出版月: 2017年06月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
![]() 講談社 2017年06月 |
No.1 | 6点 | 人並由真 | 2017/10/21 20:16 |
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(ネタバレなし)
ここのところちょっと忙しく、仕事を放って長編読んでてもアレなので、短編集やアンソロジーをちょびちょび楽しんでいる。通院の際のお供にもちょうどいい。 というわけで昨年分に続いて今回もこの路線のアンソロジーを手にしましたが、なかなか総じてレベルが高くて良かったですな。 (ちなみに本書は、今年が『十角館』を一応の起点として数えて、国内新本格30周年を記念する企画の一冊でもある。) 収録短編の10本がそれぞれ水準以上に面白く、なかでも個人的なベスト編は葉間中顕のトリッキィな警察小説『交換日記』。これは連作シリーズのその形質までも××××××××に使っていて(それが作者の意図か偶然かは判然としない部分もあるが)、見事にやられた。 キャラクターに魅力のある『早朝始発の殺風景』(青崎有吾)『鼠でも天才でもなく』(似鳥鶏)、<そっち>でもうひとつ引っ繰り返すか! という仕掛けの『言の葉の子ら』(井上真偽)、正統派パスラーの『琥珀の心臓を盗ったのは』(青柳碧人)『佐賀から来た男』(伊吹亜門)なども良い。 苛烈な独自の世界を描いた『シヴィル・ライツ』(佐藤究)やこのアンソロジーのシメの位置に配置された連城風の短編『もしかあんにゃのカブトエビ』(倉狩聡)も収録作品の幅を大きく広げて味わい深い。 個人的に全部が初読だが、ここで初めて出会うシリーズキャラクターもいたりして、彼ら彼女らをメインに据えた短編集がすでに出ているものは、いずれそっちにも手を伸ばそうと思った。 21世紀の国内短編ミステリ・シーンは豊潤である。 |