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[ 本格/新本格 ]
孤島パズル
学生アリス&江神シリーズ
有栖川有栖 出版月: 1989年07月 平均: 7.32点 書評数: 92件

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東京創元社
1989年07月

東京創元社
1996年08月

No.92 10点 密室とアリバイ 2023/05/25 01:54
進化のパズル…なるほど 
しかし死ぬ順番で本当に変わるのか?

No.91 7点 みりん 2023/02/16 19:44
再読
月光ゲームより登場人物が少なく覚えやすい。そして推理すべき事柄は格段に増えるが、その分ロジックも練りに練られ、その先には必ず犯人が特定できる。一種の様式美。
奇抜なキャラもいないし派手なトリックでもなく、動機も犯行方法も地味といえば地味。その分犯人探しにしっかりページ数が割かれている正統ミステリと言える
モチさんは進化論の本を買ってどんな推理を組み立てたんだろうかと気になる

No.90 7点 雪の日 2022/03/30 18:49
トップレベルで好きなトリックです。
真相解明がとてもわかりやすくて読みやすい

No.89 8点 じきる 2020/11/03 17:16
ミステリとしてはベタな作りだし、読者目線なら犯人はわかりやすいと思うけど、タイヤ痕という手掛かりからそこに辿り着くロジックは流石の一言。
何より、青春小説として面白かった。

No.88 6点 ミステリーオタク 2020/08/02 18:09
ロジックが青春の甘酸っぱさをも容赦なく打ち砕く。

No.87 8点 虫暮部 2019/10/23 16:11
 美しくも悲しい、物語としての側面は言うことなし。“男女関係ではないけれど仲の良い男女”の描き方も好きだ。
 で、ネタバレしつつ揚げ足取り。第一の事件、相続の際には、公平性の担保の為、関係者の死んだ順番はかなり厳しく判定される、と物の本で読んだ(判定出来ない場合は、同時死亡と推定され、相続は行われない)。命がけの願いが叶うのは難しい気がする。江神が挙げた判例は実話なのだろうか。ちょっとびっくり。
 第二の事件、他の人がアリス達の見ていないところで凶器を現場にこっそり運んだ可能性が除外出来ていない。
 あと、モアイパズルの解答、線を曲げる為だけの点が幾つか存在して美しくない。架空の島なのだから、そういう余剰が発生しない形に設定出来た筈。

No.86 6点 レッドキング 2019/10/01 17:31
「密室殺人」に「宝探し」に「ロジック」と豪華3点セットで8点付けたいが、
➀「完全な密室」だがカラクリがチャチなのでマイナス1点。 ➁0次元1次元2次元と進化する「宝探しパズル」も3次元に至って尻つぼみとなりマイナス1点。 ➂犯人特定のロジックは見事・・・もちろん「あの日記に虚偽記載がないとは言い切れない」「拾った紙は最初に見過ごした紙とは別物で、誰かが自転車で踏んでたことに気付かなかった」「実はライフルは二丁あった」などのイチャモン付けは可能で犯人確定の「十分条件」とは言えない・・・見事だが、「分り安すぎる犯人」のキャラ描写が「純粋なロジック」の判断を阻害しており、ここはプラマイ0。で、計6点。

(いろいろネタバレ)
あの女が一人ボートで湾を漕いで行く場面が、「獄門島」で住職が夜の寺の石段を提灯灯りで登っていく場面や「ゼロの焦点」で女が一人で海に舟を漕ぎ出す場面に重なり、ロジック以前こいつが犯人だと直感できてしまう。

No.85 9点 mediocrity 2019/04/02 21:30
学生アリスシリーズの第2弾。まず、前作と比べると格段に読みやすい。
登場人物もメモを取らずとも覚えていられる人数で安心。派手なトリックとか、意外な犯人とか、声を上げてしまいそうなどんでん返しとかはないが、とことんロジカルで心地が良かった。

<以下ネタバレあり>

「自転車が外に2台」の時間が存在したんじゃないの?と思って読み返したら、3台目は見えてなかっただけで、ずっと3台でも問題ないんですね。納得。
電子書籍で購入して読んだから、これを確認するのにかなり時間がかかった。前のページを何回も確認する必要のありそうな本の電子書籍は今後避けよう。

No.84 7点 ボンボン 2018/09/09 23:04
こんなにキレイで甘酸っぱい青春ものだったとは、少し驚いた。そこはそれで大変良いのだが、すばらしい作品なのに、自分があまりのめり込めなかったのはなぜかと考えると、グッとくる闇や毒が足りないからかなあ。見本のような舞台に、よくある人間関係。誰もそんなに悪くない。
しかし、ミステリとしては完璧で、切れた論理展開に大満足だ。こんなにやる気の出る「読者への挑戦」はなかなか無いし、こんなに納得と感動のある「密室」も見たことがない。名探偵江神さんの思考の深さ、あたたかな姿勢には頭が下がる。

No.83 10点 ねここねこ男爵 2017/09/21 12:51
タイヤの跡を起点とするロジックが超秀逸。
不合理なはずのタイヤ痕のせいで「変なことになったりはせえへん。犯人が判ってしまうんや」…
奇妙だが必然的な犯人の行動、事象を論理一本で解明していくのは圧巻。作者のベスト作品かと。

それから、この作品の密室は密室史上屈指の美しさだと思うがいかがか。

『ロジックよりトリック』『どんでん返し!意外な犯人!衝撃の真実!』な人は読んではいけません。

No.82 8点 邪魅 2017/02/18 02:14
やはりこれは凄いの一言でしょう
地図に車輪の跡があった
ただそれだけで犯人が分かってしまうのですから

No.81 9点 青い車 2016/01/27 23:08
前作から大きく飛躍を見せた力作で、自転車という移動手段に関してのロジックは切れ味抜群です。一方青春小説的な要素も色濃くなり、純粋に読み物としてパワーアップしている印象。マリアがペイシェンス・サムを「女装したエラリー・クイーン」呼ばわりするところや、江神部長の「密室トリックより密室が好き」という言葉など、登場人物のミステリー談義もまた楽しいです。動機の線から辿ると犯人の見当が容易についてしまうところが惜しいですが、登場人物を魅力的に書き分けるスキルも確実に上がっており作者の本領が十二分に発揮されています。

No.80 8点 風桜青紫 2016/01/14 02:32
作家アリスの某作で「本格ミステリにおいて必要なのはその場の推理にいかに説得力を持たせられるか」というよつな話が出ていたが、そこをいけば、『孤島パズル』は国内の本格ミステリでも最高クラスだろう。モアイ像パズルに関しては月光ゲームのダイイングメッセージと同じく、おいおいといった感じだが、目を引くパーツの数々から、真相が浮き彫りにされていく有り様は笑みがこぼれるそう派手な作品ではないものの、国内作品でもっともクイーンに近い作品を選べと言われればやっぱりこれになる。マリアかわいいし、アリスと江神さんのからみもなかなかいいぞ。それにしても新本格ってクイーン好きの作家が多いくせして、カーや横溝みたいなとんでもトリック系が主流だよね……。

No.79 7点 パメル 2016/01/11 20:16
さりげない手掛かりから導き出されるロジック
「読者への挑戦」を具えた正統派パズラー
哀愁漂う幕引きも素晴らしい

No.78 9点 ロマン 2015/10/20 13:30
(ネタバレ)“地図に残されたタイヤの跡”を起点とする犯人特定のロジックが秀逸。前述の物証から、犯人が自転車で一往復した事は明白。但し地図が元々魚楽荘にあった事から、タイヤの跡がついたのは“二度目の往路”の際。よって犯人は二往復した事になるが、最初の往路と最後の復路は泳いで移動していた(ボートと自転車が使えなかった為)。防水処置を施していないライフルを持ち帰り、泳げない男に自分の罪を着せる為に自転車で一往復した――という真相には説得力がある。一方、第一の事件では被害者自身が鍵をかけて現場を密室にした動機が巧妙。

No.77 10点 Izumi 2015/07/13 01:03
有栖川有栖の学生アリスシリーズの二作目。個人的国産フーダニットの最高傑作。
バカンスにきたはずの孤島で連続殺人に巻き込まれたアリス、マリア、そして江神二郎。いわゆるクローズド・サークルであり、第一の事件は密室殺人でもある。また宝捜しパズルもあり(読者の立場でも楽しめ正解に辿り着ける)ミステリマニアとしては読んでいる最中ニヤつきっぱなしである。
しかし白眉はなんといっても解決編、第二の殺人の際に犯人がおかした些細なミス、そのミスとも言えないような出来事から純粋な論理でもって唯一の人物を導きだした江神二郎の推理である。このシーンは探偵江神とワトソン役アリスのディスカッションなのだがこれが熱い。疑問点をあげていくアリスに対して江神はひとつずつそれを潰していく、ロジックには納得したもののまだ犯人がわからないアリスに対して江神が言う「お前には止められんかったな」のセリフ。何度読んでも震えます。

No.76 7点 ∠渉 2015/06/23 23:01
パズルを解く人も凄いけど、パズルを創り上げる人はもっと凄いと思う。しかもミステリィは読者を納得させる解答がないといけないらしいから、やっぱムズい。読者はエゴばっかなのに、それに付き合ってくれる推理作家はやっぱスゴい。読者としての心構えを忘れないためにも、『孤島パズル』は大切な作品になった。そしてミステリィがミステリィであるためにこういう作品が残っていって欲しい。正直最近のどんでん返しとかインパクト重視とかにはウンザリ。ああいうのこそリアリティが無いっていうんじゃないの??
久々にミステリィでいろいろ考えさせられた。

No.75 3点 斎藤警部 2015/06/17 23:03
異色作と呼ばれる「マジックミラー」にいたく感動した余韻で数年後に「月光ゲーム」を手にしてイマイチ没入出来ず、数ヵ月後に本作でリトライ、しかしやはりどうも、私の好みでありませんでしたねえ。 文章がどうにも青臭いのと、ロジックばかり強行突破で来る感じがさっぱりねえ。 でも作者の意欲は伝わります。 この人嫌いじゃないんです。

No.74 9点 CHABI 2015/06/05 22:49
鮮やかなロジック。
一つのことから一直線に解決に向かう様が素晴らしい。
前作をはるかに凌駕しています。

No.73 6点 アイス・コーヒー 2014/07/12 18:35
学生アリスシリーズ第二作。英都大学推理小説研究会の新入部員マリアの別荘がある嘉敷島へやって来た、江神とアリス、マリアが島に秘められた謎と殺人事件の真相を追う。

メインとなるのはフーダニット。さりげない伏線から精緻なロジックによって真相を導き出すやり口は文句なし。ただし、犯人の意外性はなかった。物語の構成上仕方のない事ではあるが。
密室殺人まで発生するものの、トリック自体に新鮮さはなかった。ここの部分にはもう一工夫欲しいところ。
いい意味でも悪い意味でも若さを感じる一冊。ストーリーの瑞々しさには好感が持てる。江神探偵も相変わらず魅力的だ。
「月光ゲーム」「双頭の悪魔」もまた読みたくなった。


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