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[ 本格/新本格 ]
乱鴉の島
作家アリス&火村シリーズ
有栖川有栖 出版月: 2006年06月 平均: 5.64点 書評数: 25件

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新潮社
2006年06月

新潮社
2010年01月

No.25 6点 バード 2023/08/30 16:16
火村シリーズ長編への期待値くらいの出来。犯人特定のロジックも、島のメンバーの目的も、全体的にパンチは弱いが、それなりにまとまっている。

積極的に人に勧めるほどの作品ではないが、気軽に安定感のあるミステリを提供してくれる点が有栖川さんの強みとすると、6点にはぎりぎり到達。

No.24 4点 いいちこ 2023/03/28 18:48
まず、相応の紙幅を割いているにもかかわらず、その造形がまるで描けていない登場人物が多く、そうした人物が犯人と指摘されても、何らの感慨も呼び起こされない。
次に、登場人物たちが本島に集まっている理由は、端的に言ってリアリティに欠けるが、それをカバーするような雰囲気づくり、舞台装置の準備が不十分であり、まして、それが犯行動機とは無関係という点に至っては脱力モノと言わざるを得ない。
最後に、犯行プロセスは一貫して偶然の産物であり、真相解明プロセスにも見るべき点が乏しい。
プロット・叙述の双方において、著者の作品としては最低クラスの出来栄えであり、4点の最下層と評価

No.23 5点 ボナンザ 2020/02/08 08:26
雰囲気はいかにも本格だが、やはりこのシリーズでは緩い出来になってしまうのか。

No.22 6点 まさむね 2019/07/17 22:10
 火村シリーズ初の「孤島モノ」です。とはいえ、孤島であるべき必然性は認めつつも、個人的には「うーん、思っていたのと違うかも」と感じちゃったりして。
 導入部も謎の提示もなかなかに魅力的なのです。作者らしいロジックも楽しめたのです。一方で、ヒトコトで言えば「地味」ということになるのでしょうか、どうにも普通な印象でしたね。いや、決して悪くないし、火村とアリスのやり取りも含めて、楽しく読ませてもらったのですが。

No.21 7点 虫暮部 2017/12/05 11:13
 島の秘密の方がメインで殺人事件がオマケみたいに感じてしまった。幾つもの仮説のあとで明かされたその秘密もさほど驚きではない。殺人とのつながりも乏しいし、解明の過程で暴く必要はなかったのでは。アリスの海老原に畏まる様がおかしかった。

No.20 4点 ねここねこ男爵 2017/09/30 23:55
魅力的な導入部分に対して、解決がちょっとあっさりしすぎな感。
登場人物たちの(ある意味高尚な)秘密と、ごくごく平凡下衆な犯行動機とのコントラストを狙ったのかもしれませんが…。
島や館の雰囲気だけで長編を引っ張るのはきつい。圧縮して中編ならもうちょっとバランスがよかったかも。惜しい。

No.19 8点 HORNET 2017/09/03 21:09
 しばしの息抜きを、と下宿のばあちゃんに押され、知り合いが民宿を経営する島にアリスと行くことになった火村。ところが、目的の島の奥にある、別の島に着いてしまい、しかもしばらくは迎えが来ない。その島には著名な文学者とその取り巻きが滞在していたが、明らかに火村たちを部外者として煙たがっている。過剰なまでのその様子に、何かしらの秘密めいたものを感じる火村・アリス。するとそこにさらなる闖入者、今をときめく若き起業家が。火村たちへのもの以上に、はっきりと拒絶の意を示す滞在者たち。この島の集まりは何の集まりなのか、起業家はそこへ何をしに来たのか、不可解な雰囲気のまま過ごすうちに、第一の殺人が・・・
 ・・・というように、雰囲気たっぷりの序盤から前半。電話線が切られ、携帯も圏外で、迎えの日までは外部との連絡は不可、というお決まりのパターンもファンとしては「よしよし!」。「?」と感じる登場人物の言動のちりばめ方も上手く、興味が途切れることなくページを繰り続けることができた。

 犯人の取った行動の意味付けや、それを解き明かす火村の推理の筋道も私としては十分納得できたし、非常に面白かった。惜しむらくは、動機。完全に、物理的に犯行可能な人間を突き詰めるというロジックだったが、これだけの謎めいた人間関係を描く作品なので、動機もそこに絡んでくるものであってほしかった。完全に取って付けたあと説明だった。
 でも、やっぱり、有栖川有栖先生はいい!

No.18 6点 青い車 2016/07/10 21:34
 それまで専ら江神二郎が担当していたクローズド・サークルの事件に、火村英生が挑みます。とは言っても、この21世紀に何の捻りもない孤島連続殺人を作者が描くはずもなく、ミステリアスな雰囲気をまとった老詩人とオタクなカリスマ社長を同時に登場させるところには工夫が凝らされています。そして、まさかあの医学ネタが絡んでくるとは!と大袈裟でなくのけぞりました。
 しかし、謎解きに関しては若干の物足りなさも感じます。〇〇〇〇症を消去法に用いるなど、ロジックへのこだわりは相変わらず伝わってきましたが、この長さにしては明らかに軽量級です。いや、これだけ脇道に逸れがちな要素をたくさん含んでいては、これが精一杯かもしれませんが。

No.17 7点 ボンボン 2016/06/06 18:47
前半の謎の世界への引き込み方は圧巻。絶品。そのまま最後まで爆走してくれればいいものを、後半は、驚くほど大人しくなってしまう。当然、構成も論理もしっかりしているのだけれども、期待が膨らみ過ぎてちょっと損をしているのかも。
また、強烈に印象深い人たちがいる一方で、重要な役回りの人物の輪郭が最後までイマイチはっきりしなかったり、背後にある目的はともかくとして、現時点で大の大人が孤島に集まってやろうとしていることが薄ぼんやりと甘っちょろいものだったりするところも気になった。
全体に、高尚なものと卑俗なもの、古典と最新の科学や経済をバリバリとミックスして投げつけてくるような書きぶりは良かったと思う。でも、その高尚なところを担っているはずの知の巨匠が浅はかな感じの人になっているのはどうか。こんな事態にならないと分からないのか、命の意味が。卑俗部門の人たちのほうが、悪いながらも力強い筋が通っているのが皮肉だ。
アリスの気遣いの素晴らしさ、細やかな感性は健在。勉強になります。かくありたいものだ。崖のやばい急勾配を下りるとき先頭に志願する場面が好き。

No.16 6点 風桜青紫 2016/01/17 23:11
孤島上陸からハッシー登場すでのワクワク感はなかなかのもの。このどことなく流れる館の気味の悪さがね……。とはいっても、話の決着は有栖川有栖らしいホワイダニットに落ち着く。着眼点は鋭いし、面白いアイデアだけども、館なんていかにもなお膳立てがあるにしてはなんていうかしょぼい。これが島荘綾辻麻耶あたりなら、トンでもなオチを用意してくれるところだろうけれども、有栖川作品はそういう作風じゃないからなあ……。とはいえ、島の秘密については作家アリスらしい決着がついて楽しかったです。なんとも物悲しいロマンチックぶり。やはり作家アリスには好感をもたざるを得ないな……。

No.15 5点 あい 2013/05/16 02:20
これぞ本格という作品ではあるが、島に集まっている人々の謎にはあまり驚けなかったし、犯人を追いつめるロジックは正直微妙で納得出来ずじまいだった。

No.14 5点 スパイラルライフ 2012/02/06 12:24
地味の一言。
本格ミステリとしての構成はしっかりしているのですが。

No.13 5点 いけお 2010/09/13 21:06
ややテンポが悪かったが、序盤は謎も魅力的でよかった。
後半の解決、真相がいまいちだった。

No.12 4点 seiryuu 2010/08/07 23:49
ポーの詩の色が濃すぎて、シリーズとして面白くなかったです。

No.11 6点 E 2010/06/20 23:46
アリスもので孤島だ!これは嬉しかったですね!!
ふとしたミスで孤島に迷い込んだ火村&アリス。そこで起こった殺人事件。これは教授が解くっきゃないね!
しかし、何故島の人達は集まったのか?という論点に集中し気味でモタモタしていた印象もありました。
途中でも何となく察せられる「理由」だったから早く事件に集中すればいいのに・・・・;と、思ってしまった。

No.10 4点 E-BANKER 2009/08/25 22:37
火村・アリスシリーズの作品。
タイトルから見れば「島」・・・孤島ものと言えなくもありませんが・・・
~臨床犯罪社会学者・火村は、友人の作家・有栖川と休暇に出かける。だが、彼らがたどり着いたのは目的地とは違う場所だった。鴉が群れ飛ぶ絶海の孤島・通称「烏島」。そこには世間と隔絶された生活を送る作家、謎の医師、奇妙な起業家など、不可解な目的を持った人々が集まっていた。訝る火村たちの
前でついに殺人事件が発生する。事件の背後に隠された彼らの「秘密」とは何なのか?~

ちょっと中途半端感が残る作品。
謎の提示までは実に魅力的でした。
絶海の孤島にある館に集まった人々、様々な職業や年齢、奇妙なふるまい・・・なぜなのか? そして起こる殺人事件。
ここまで書けば、期待感は高まるばかりなのですが、いかんせん尻つぼみ。
事件の背後に隠された「秘密」については、中盤になれば読者にも想像がつくようになり、あとは殺人事件そのものの仕掛けに移る。
そこが弱いんですよ。結局、フーダニットもハウダニットも今ひとつで終了。
やっぱり、このシリーズとは相性悪いんですよねぇ。
(江神・アリスシリーズとの格差は何なんでしょうか?)

No.9 6点 あるびれお 2009/06/23 06:20
論理的に犯行時間を絞り込んでいく過程は、この作者ならではのもので、やっぱり上手い。でも、同じ孤島モノだったら、「孤島パズル」(学生アリス)の方に高い点をつけたくなる。背景にある動機が、あまりにも「とって着けた」感じで、バランスが悪い。どうせ全てを謎解きに奉仕させるなら、動機はもっとチープでも構わない。法月綸太郎なんて、そのあたりはだいぶ諦観しているような気がする(短編では特に、男女の痴情のもつれってやつが多用されている)。有栖川さんは、諦めが悪いのかな?

No.8 5点 varu 2009/06/09 22:32
事件が起きるまでが長過ぎ…。集まっていた理由など興味ないので、ささっと進めて下さい。

No.7 6点 測量ボ-イ 2009/05/13 15:38
「女王国の城」の次に読んだ作品ですが、前者より数段劣り
ます。本のぶ厚さの割りに、謎解きの過程など内容が薄い
感じがしました。

No.6 6点 naname 2009/04/30 11:24
 厚さの割に、あまり事件は起きず。
 もっと次々と…となるかと思ったんですが。
 集まってた理由は、面白いと思います。
 でも、もう一つ何かあれば、良かったかと。


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