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[ サスペンス ]
引き攣る肉
ルース・レンデル 出版月: 1988年04月 平均: 6.00点 書評数: 2件

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角川書店
1988年04月

No.2 6点 HORNET 2020/12/13 17:37
 連続強姦犯のヴィクター・ジェナーは、ある強姦未遂の時に、捕まることを恐れて逃げ込んだ家で、少女を人質に取るハメになってしまった。そして踏み込んだ刑事ディヴィット・フリートウッドを意図せずに撃ってしまう。服役したのちに出所したヴィクターは、フリートウッドが半身不随になりながらも、社会から英雄のように扱われ、美しい恋人クレアとともに過ごしていることを知る。「自分がこうなったのはフリートウッドのせいなのに」と昏い怒りをたぎらせるヴィクターだったが、ひょんなことからフリートウッドと和解することになり…

 病んだ犯罪青年の病的な心理を描く長編。レンデルのノンシリーズらしい作風だが、ヴィクターの一人称で延々と描かれる描写はやや退屈。フリートウッドと対面してから物語が一気に動き、目の離せない展開になった。
 精神的に病んでいるヴィクターだが、非常に内気で思索的な面があり、なんとなく共感的に読んでしまう。そういう匙加減は絶妙だな、と思った。

No.1 6点 Tetchy 2009/08/31 06:54
う~ん、冒頭の逮捕劇を読んだ瞬間は、傑作の匂いを感じたんだが、最終的には今一つ突き抜けないという気持ちで一杯だ。
登場人物各々に魅力をさほど感じなかったのも事実。それに文体も三人称と一人称とが混在し、文豪らしくない。
あと、どうもこれはミステリではないような気がする。心を病んだ1人の青年の破滅を描いた普通小説のように読めたのだが。


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ルース・レンデル
2015年08月
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