皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格 ] 薔薇の殺意 ウェクスフォード警部 |
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ルース・レンデル | 出版月: 1981年12月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 1件 |
KADOKAWA 1981年12月 |
角川書店 1981年12月 |
No.1 | 5点 | nukkam | 2009/04/22 15:13 |
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(ネタバレなしです) P・D・ジェイムズと共に英国ミステリーの女王の座に君臨する存在だったのがルース・レンデル(1930-2015)です。その作風を大雑把に分類すればウェクスフォード主任警部シリーズの本格派推理小説、ノンシリーズのサイコ・サスペンス小説、バーバラ・ヴァイン名義の文学志向の強いサスペンス小説に分かれますがいずれのジャンルも高く評価されています。もっともミステリー第1作(ウェクスフォードシリーズ第1作でもあります)である本書が発表された1964年が本格派推理小説冬の時代だったためか最初はあまり売れなかったようですが。本格派としては容疑者の数がかなり絞られているので犯人当ては比較的容易ですし、後の作品に比べると内容も軽いです。しかし深みのある人物描写は既に本書でも十分に発揮されていますし後の重厚な作品群もいいのですが本書の淡色の水彩画を思わせるような繊細なタッチもまた魅力的です。これこそがレンデルの原点だということをしっかり感じさせてくれます。 |