皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ SF/ファンタジー ] ドグラ・マグラ |
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夢野久作 | 出版月: 1956年01月 | 平均: 6.57点 | 書評数: 28件 |
早川書房 1956年01月 |
三一書房 1969年09月 |
社会思想社 1976年01月 |
東京創元社 1984年11月 |
筑摩書房 1992年04月 |
KADOKAWA / 角川書店 2000年09月 |
No.28 | 10点 | みりん | 2023/09/10 15:40 |
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書評200作品目(嬉しい!)はコレで。拙い感想ばかりですがとりあえず300作まではがんばりたいところ…
私はライトな文体の新本格が大好物、古典は読むのが超ニガテ。しかしながら、読書歴の浅い私の早合点だとしても『ドグラ・マグラ』は他の追随を許さない作品、国内で最高評価を受けて然るべき作品ではないかと思ったので満点を献上。この作品を心の底から好きかと聞かれると答えはノーですが、宇宙からミステリ星人がやってきて「この国で1番優れた作品を出せ」と言われれば、迷いなく『ドグラ・マグラ』を差し出します。 一文一文が何一つ妥協のない選び抜かれた文章。構想に10年を要するのも納得の「胎児の夢」「脳髄論」などといった凄まじいガジェット。斬新奇抜にして驚天動地、眩暈のする真相には読了後に思わず本を置いて天を仰ぎ、こんな作品を世に出した夢野久作に感謝していました。 作中のとある絵巻物の魔力は1000年持続し、人々を狂わせていった。時代と共に節々に色褪せを感じさせる作品が多い中、本作品が内包する魅力はこの絵巻物と同様に、1000年後も色褪せない不変なモノであるとそう信じたいです。夢野久作の心理を遺伝した作家は今後現れないものか 【ネタバレなしのただの感想文】 社会進出を志した女性が大正時代に生きることの理不尽さや空虚さを描いたのが同じ夢野久作の『少女地獄』なら本作はさしずめ『狂人地獄』といったところか。な〜んだ奇書だとか良いつつ分かりやすいテーマじゃねぇかと序盤は思っていた。しかし、「キチガイ地獄外道祭分」あたりから一気に奇書らしくなり、やにわに探偵小説の頂点たる「脳髄小説」が始まる。 上巻182pより引用 「探偵小説というものは要するに脳髄のスポーツだからね。犯人の脳髄と、探偵の脳髄とが、秘術を尽くして鬼ゴッコや鼬ゴッコをやる。その間に生まれるいろいろな錯覚や、幻覚、倒錯観念の魅力でもって、読者の頭を引っぱって行くのが、探偵小説の身上じゃないか。ねッ。そうだろう」 いやあこれ、大変共感ですなあ。その脳髄の本質を探究するとはまさに絶対的探偵小説… 探偵小説の頂点に相応しい。さらに、作中で提唱されるトンデモ新学説「胎児の夢」では作者の美しい言葉選びに納得せざる…いやペテンをかけられているような…なんにせよこの陶酔感はなかなか味わえるものではない。 【要注意】【ここから核心に触れるネタバレあり】 語り手が犯人なんていう作品はたくさん読んできたが、語り手が実は胎児だったなんて作品は探偵小説においてはおそらく空前絶後だろう。この胎児、心理遺伝を考慮すると呉一郎とモヨ子の子供かなあ? この作品は「心理は細胞単位で遺伝する」「胎児は10日で森羅万象の夢を見る」という2つの仮説を正木教授が倫理観を犠牲にしてでも証明する物語であり、それ以外のほとんどが作者からの目眩し(=ドグラ・マグラ)なのではないか。前者は正木自身が完遂し、後者は未遂に終わったため、この世界の創造者たる作者自らが答えを提示したんだと個人的には思っている。素人意見で全くの見当ハズレを言っているかもしれないが、こう考えると入り組んだ大迷宮に見えて本筋は実にシンプルな気がします。しかし、私が多くを理解できるほどシンプルなら三大奇書などと呼ばれるはずもなく、「斎藤教授は正木に殺害されたのか?」「絵巻物を呉一郎に見せたのは正木なのか?」「夢遊病者が執筆したドグラ・マグラは何だったのか(あくまでメタフィクションとしての役割としか持たないのか?) 。」「呉モヨ子は本当に生き延びて病棟にいるのかそれとも替え玉なのか。」「正木教授の自殺もしくは他殺の真の理由は?」などなど一読では曖昧な(ドグラマグラな)部分がその他多数存在する。初読よりむしろ2読目、3読目の方が楽しめるんではないかと思われます。 夢野久作の作品は大衆小説とは言え、私には大変重く、700ページ読むのに14時間もかかった。ので、古典文章を読み進められる熱量とこの作品を奥深くまで読みとこうという気概がある時に再読できたらいいな…いつになることやら…スカラカ…チャカポコ…スカラカ…チャカポコ |
No.27 | 6点 | HORNET | 2023/01/02 22:03 |
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これは「寄書」の名を冠するにふさわしい一作。
精神病棟から一時的に出された男と、男を研究対象としているという精神医学者の九州大教授・正木博士とのやりとりで本編のほとんどが形成された、上下巻計700ページ弱。仰々しい言動の描写などで冗長なところはあるが、決して読みづらくはない。強いて言うなら下巻の、文語体で書かれている「W氏の意見摘要」と寺に残されていた「青黛山如月寺縁起」のくだりぐらいかと思うが、一行一行を精緻に理解していこうとしなければ(大体の意味は分かるので)大丈夫かと思われる。 何が「謎」の中心なのか、読んでいるとほとんど分からなくなる(小生の読解力のなさによるのだろうが)のだが、その混迷具合もひっくるめてまぁ本作なのだろう。結末も、結局誰が、何を目的として何をしたのか、時系列も含めて正確なところに理解が及んでいるのか自信がない。 よって誰かに「どんな話だったのか」と聞かれても曖昧模糊とした印象しか語れないような読後感。 取り立てて「これはすごい」という感銘もないが、「理解できない」と断ずる気持ちもない、これが正直な感想かな。 |
No.26 | 9点 | 小原庄助 | 2022/07/14 08:57 |
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この作品には確定不能の解釈が無数にはらまれている。騙りてである記憶喪失の青年が、椅子に終始座らされ、二人の教授から事件について延々語られ、記録書を読まされ続ける。
この語り手が通常の語り手と大きく異なるのは、彼が作者とも読者とも目される甚だ奇異な位相を与えられているからだ。彼の錯乱は本書をやはり何百ページも語られ続けた読者の錯乱をも誘発する。 本書には無声映画、活動写真の影響が見て取れる。作品が読者本意で読まれる書物と異なり、映写機都合で作品を観せる映画という趣向には、夢野の好んだ見世物小屋の座長的権限が付与され、作中、木魚片手に七八七八の節回しで読まされる読者泣かせの阿保陀羅経もまさに映画的強権といえる。 |
No.25 | 8点 | 麝香福郎 | 2022/07/07 23:37 |
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主人公の「わたし」は七号室の患者として、正木博士の実験材料として、この現実の時空間をこえた、脳の宇宙の中を漂い、彷徨する。そこでは一瞬が千年の単位の時間と重なり、地理的な空間も、瞬時に飛び越えてしまう。
幻覚なのか、現実なのか、主人公自身もわからぬまま、物語は複雑に絡み合い進行する。狂気と笑い、グロテスクな冗談と奇怪な学術語が交錯し、スカラカ、チャカポカというふざけた口調によって、精神医療の現実が強烈に風刺される。 「ドグラ・マグラ」というタイトルは、「心理的迷宮遊び」といったニュアンスをあらわす、作家による造語であり、その天衣無縫な語り口と、自由自在なプロットの組み合わせによって、狂気と正気の狭間に読者をいざなう。 |
No.24 | 4点 | ʖˋ ၊၂ ਡ | 2021/12/31 11:06 |
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精神病院を舞台にしている。事件としては、解放治療を主張し、病院を解放治療の場とした正木博士の、胎児の時に体験した先祖が起こした歴史的な事件を呼び起こして、同じシチュエーションで人を殺せるというものである。
探偵小説というより、不可思議な話である。精神医学、心理学などの理論が煩わしいくらい展開する。 |
No.23 | 8点 | よん | 2021/04/26 12:38 |
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たった一瞬のうちにどれほど厖大なイメージの嵐が通り過ぎるのか。この謎にも異様な興奮をもって訪れる奇抜な構成で解いてみせた。「脳は自分の脳を考えられるのか」といった主題。 |
No.22 | 5点 | じきる | 2020/08/23 21:21 |
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ヘンテコ奇天烈な奇書。
作者も色々計算の上で書いたのだろうし、凄い小説だとは思うけど、私には戸惑いばかりが残る読書だった。 |
No.21 | 10点 | mediocrity | 2019/09/14 07:03 |
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三大奇書は『黒死館殺人事件』『虚無への供物』の書評は既に書いているので、これが最後の一冊。過去の2冊の書評は今読み返すと恥ずかしい文章だけど、その時の自分の感覚ということで書き直したりはしない。それぞれに9点と10点を付けたけど、点数も変えない。
似たスタイルのもっとすごい小説が出てきて、これらの価値が落ちたみたいな書評も多いが、自分は全くそうは思わない。『黒死館殺人事件』『虚無への供物』に似た作品はそれぞれ一作~数作あったが、内容も文章も全く本家に及ばない気がした。 さて、『ドグラ・マグラ』である。陳腐な表現だが、想像を絶する面白さだった。創作に10年かかったらしいが、そりゃこれだけの物を書くにはそのくらいかかるでしょう。プロット、特に置く順番が計算されつくされている。狂っているように見えるのは表面だけで、作者はひたすら冷静。こちらも意識的に鳥瞰的に読まないと意味不明になるかも。 一つだけ文句を言うなら、チャカポコの所がいくらなんでも長すぎた。 なお本書の学術的な内容(特に脳髄云々)が現在の研究では否定されているみたいな事は恐らくあるでしょうけど、その辺りは不問で。 点数はあくまで[ SF/ファンタジー ]としてです。 |
No.20 | 9点 | モンケ | 2019/06/23 06:24 |
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本当は10点付けたいんですが、「これが一番好きだ」というと「あれはミステリーとは言えないよ」「通俗的だなあ」とか貶されてきたので、少し凹んでこの点数です。 |
No.19 | 6点 | バード | 2018/11/04 21:12 |
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評価に困る、の一言。
読後の感覚の似てる作品が無い。他の人の感想をぜひ聞きたいものものである。 中身については理解できたようでさっぱりわからなかったという感じ。(本当に読んだのか?とつっこまれそう。) 個人的な感想を述べると、前半の正木博士の遺書パートが読みにくくその部分が辛い反面、後半で問題がぼんやり見えてきたところから一気にのめりこめた。ただし最後まで読んでも何を読ませられたのかが判然としない。 一応点数の付け方は、前半2点、後半8点で平均5点。それに加えてこれまで味わったことの無いオリジナリティの高さを評価して6点とした。しかし、この評価が妥当かどうか私本人にも良くわからない。 |
No.18 | 10点 | クリスティ再読 | 2018/09/10 22:20 |
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400件を記念して何をしようか、と考えていたら、マンションのゴミ捨て場になぜか「ドグラ・マグラ」が捨てられていた...これは天啓というものだ。どなたか存じませんが、読後精神状態が不安定になったのが怖くなって、捨てたものと好意的に解釈することにして、ありがたく頂戴することにする。
最初に読んだのは中学生で図書館のポケミスだったが、それ以降大学生時代、映画公開直後、30台半ば...と3回位買って読んでいるはずなんだが、そのたびごとに友人に借りパクされて、手元にないんだよ。一所不住なあたりが本作らしいが、巡り巡って還ってきたようなものかもしれないな。「丸善・ジュンク堂書店限定復刊」のポケミスである。 今回読んでね、本作で展開される科学理論が、一周りしたせいか意外なくらいに示唆的だ、ということに気がついた。まあ「キチガイ地獄外道祭文」でなされる精神医療批判は、いわゆる「反精神医学」によって現在では人権上もまっとう極まりない批判であることはいうまでもないし、監禁ではなくてノーマライゼーションを重視した「開放治療」だって昨今では違和感のあるような議論ではない。「脳髄は物を考える処に非ず」も、たとえばベンジャミン・リベットの実験(ググってみな)から「意識とは、ニューロンの機能の副作用であり、脳状態の付帯徴候・随伴現象に過ぎない」という結論が示唆されるわけで、「自意識」というものが「原因」というよりも「結果」だ、つまり「意識」が考えるのではなくて、脳全体が「考えて」いるのだ、というようなことも言えるようなのだ....で、一番奇怪な「胎児の夢」ですら、「細胞の記憶力」をDNAによる継承、と見て、ドーキンス流に「生物は遺伝子の乗り物にすぎない」と捉えるなら、比喩として当たってなくもないと思うのだ。20世紀前半の科学理論では異端奇説の部類だったのだが、一回り回って「異端奇説」が現代科学の結論を示唆するように見えるのが、本作の先駆性かもれないよ。評者のコジツケだったらごめんね。 で、このような理屈の道具立て・スタイルのコラージュ・意図的なメタな混乱の上に、実のところウェットな物語が仕込んである..と感じられるのは、おそらく本作の混沌を整理して、ウェットな部分をきっちりと表現した松本俊夫監督の映画があるせいかもしれない。実は最終盤、結構泣けるのだ。絵巻物に仕掛けられた両博士の意図を挫く罠、正木博士が「キチガイ地獄外道祭文」と自嘲するその真意など、隠し味として情味があってこれがなかなかいい。映画のオリジナルで、原作の混沌をうまく交通整理して端折るために、「ボクのお母さんです」というセリフ(このときの松田洋治の表情が実にイイ)を追加したことで、映画の方向性がうまく定まった印象があるのだが、これ、さすがは松本先生である....この作品が持つ「情け」の部分をさり気なく強調していたのである。映画も原作のテイストを活かした傑作なので、ぜひぜひおすすめしたい。 今回ポケミスの復刊で読んだのだが、年寄りのワガママで申し訳ないが、「ドグラ・マグラ」なら「活版」の印字感のある版で読みたいな... このポケミス、本書の特色でもある、フォントを変えた見出しや約物の多い版組の特徴を、なるべく活かすように頑張ってはいるのだけども、もう一つ迫力が出ていないように感じる。活字でないオフセットの限界かもしれないが、「佶屈聱牙」な雰囲気が出るといいと思う。 本作の比喩を借りて結論を言えば、本作は「近代文学の神経中枢とも見るべき探偵小説」である。小説読むなら、本作を読まずに済ますなんて、そもそもありえない。異端の奇作、というよりも、本作は今ではニッポン暗黒文学が誇りとすべき「王道のポストモダン小説」だと思う。それこそフーコーとかバタイユに本作を読ませて、感想を聞きたいと思うくらいだよ。 |
No.17 | 9点 | 青い車 | 2017/01/06 20:01 |
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所謂「三大奇書」のひとつとして名高い『ドグラ・マグラ』は、その名に恥じない特異なパワーを秘めています。
後半の方は殆ど休みを入れることなく読ませる勢いがあり、読了した直後、頭にクラクラが襲ってきました。 とにかく筋立ての破天荒さが凄まじく、通常の物差しでは測れない大作にして怪作です。優劣はわかりませんが、こんな小説は他に知りませんし、歴史に名を刻むのも納得なので、そこを汲んでの9点です。 でも、人に堂々とおすすめできるような作品ではけしてなく、読んでて楽しいというより読み終わっての達成感の方が強く、相当な覚悟のいる本でもあります。 |
No.16 | 6点 | いいちこ | 2015/11/10 18:50 |
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脳髄と細胞の本質、後天的な感情の遺伝、胎児の夢など、作品を彩る衒学の数々は、奇妙奇天烈ではあるものの、論旨は平易で読み応えがある。
作中作、ループ構造、複数解釈を成立させる柔軟構造など、後世に残るテクニカルなプロットを採用した先進性も評価。 一方、ミステリとしての骨格は脆弱で、(私の推測が正しいとの保証はどこにもないものの)真相のサプライズも弱い。 扇情的なカバーや、あまりにも有名な世評が読者を遠ざけているが、理解・読破不能というレベルの作品ではなく、世評ほどの奇書だとは思わない |
No.15 | 5点 | makomako | 2013/01/23 21:45 |
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ちょっと異端的な精神障害についての内容が多いので友人の精神科医や心理師などが読んだら喜ぶのかもしれないが、普通の人が読めばへんてこりんな内容に戸惑うことでしょう。
帯に書いてあるように、読めばは精神に異常をきたすということはないと思いますが、こういったものを読んで面白ければ精神病に親和性が高くかなりやばいのかも。 わたしは内容を完全に理解したとは思えませんが、少なくても読んで面白くはなかった。もっとすっきりした内容にできそうなのにわざと弄り回してごちゃごちゃにしたものを読まされた印象です。 変な人が書いた、変な人向けのお話といったところかな。 |
No.14 | 5点 | TON2 | 2012/11/23 00:43 |
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三一書房「夢野久作全集4」
30年ほど前の学生時代に一度挑戦しましたが、「キチガイ外道祭文」のチャカポコチャカポコといったあたりで挫折しました。 ようやく読み終えました。「脳髄はものを考えるところに非ず」「祖先が受けた精神的恐怖・狂気は遺伝する」といった学説による狂人治療を通して犯罪が描かれます。 現代では、精神病理学や遺伝子工学、分子生物学などの発展により、これはトンデモ学説ですが、発表当時の読者たちはこの奇怪な理論で煙にまけたのでしょうか? あまりに奇怪で話を広げすぎているせいか、十分に理解することができませんでした。でも、最後は夢オチの一種ではないでしょうか? しかし、その奇怪さに敬意を表します。 |
No.13 | 9点 | 蟷螂の斧 | 2012/02/14 16:30 |
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(再読なしの書評)再読となればかなりの労力が必要。東西ミステリーベスト100(1986)<1315人のベスト10を集計>の国内第6位にランクされており、一般読者が本作を上位に選んでいることにびっくり。私など理解不能な小説でした。読後、映画化され(桂枝雀主演1988~DVDあり)観ましたが同様でした。理解はできませんけれど、印象深いという点では、SF映画「2001年宇宙の旅」と同じような位置づけとなるのでしょう。記憶喪失、幻想、夢、近親相姦、作中作、終章から始章へ等々、現在、他の作者が取り上げている構成や、題材をこの時代に書き上げたことには、ただただ感心します。 |
No.12 | 6点 | 好兵衛 | 2011/04/24 01:22 |
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三大奇書の中では1番好きです。
これは奇書ですね まさに。 ただし、これは得点がつけづらいな・・・ なので平均点に。 一回チャレンジ上巻を読むが下巻でダウン。 期間をおいて、もう一度上巻から読み直す。 文体はそれほど読みにくくないです。 後半などはすんなりミステリに戻ります。 結末でないけどね。 でも、中盤がとてもとても読みにくい。 脳髄論・胎児の夢・チャカボコチャコボコあたり おかしくなるどころか日本語がまず読めない。 でも、あそこをなくしてしまうと 奇書っぽさがなくなってしまうし。 結末は、十人十色好きな結末を見つけるしかな ブウウウーーーーーンンンーーーンンン・・・・・・ |
No.11 | 7点 | ムラ | 2011/04/08 04:08 |
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人間の脳はだたの交換機であり、細胞の一つ一つこそが重要とかキチガイ理論とかの説明部分は面白く読めた。
ジャンルとしてはフーダユニットにあたるのだろうか。 論文を合わせて犯人の意図と事件のあらましを解き解きながら流れてく話となってるが、作者の真の意図(?)とやらをちゃんと読めたのかは不明。 もし自分の存在までもが胎児の夢だとしたら、それはそれは恐ろしいことです。ということなのだろうか。 |
No.10 | 4点 | メルカトル | 2010/08/26 23:52 |
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確かに理解不能ではある。
だから評価の仕様がない、これを正当に評価できる人はある意味凄いと思う。 だが私の超低い読解力では持て余す他はなく・・・。 だから申し訳ないがこの点数で。 |
No.9 | 4点 | kanamori | 2010/07/28 20:34 |
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「黒死館」と並んでミステリ界の奇書と称される本書ですが、文体は平易で、読みにくいとは思わないが、内容の理解不能度は「黒死館」を遥かに凌いでいます。
解説を読むまで、作者の意図したものが全く解らなかった。 |