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[ 短編集(分類不能) ] 夢野久作全集 10 ちくま文庫 夢野久作全集 |
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夢野久作 | 出版月: 1992年10月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
筑摩書房 1992年10月 |
No.1 | 6点 | 斎藤警部 | 2020/07/02 11:38 |
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老巡査
オチだかなんだか分からんが妙に温かいラストに向かってやわらかな陽だまりの犯罪抒情。 衝突心理 交通系奇妙な味。奇妙に味わい深い、ほんと。 或る怨念醸造の旅程をバッサリ略するハードボイルド的抑制の爆発よ!! 京浜国道で子安か。。既に諸星酒店も在った街の事件なわけか。。 無系統虎列刺(コレラ) 政党要不要。。! 斎藤くん登場も嬉しからいでか!!(←文法合ってる?) 「内科医が、獣医の家へ行ってお酒を飲んではいけませぬ。生命にかかわります」 バカソーンダイクというか、バカ本格ですかね。 近眼芸者と迷宮事件 重要人物の強度近眼が鍵を握った犯罪人情物語。泣かせます。 S岬西洋婦人絞殺事件 ミステリの興味が有りそうで意外と無いが、実に味わい深い犯罪実話もどき? 二重心臓 劇場主にして怪奇探偵邪妖劇(!)の興行王が刺殺された。作中作と作中劇の並ぶ趣向が絶妙の絢爛無惨感で浸し尽くす極彩色の中篇。「シバイダ… シバイダ… 」 継子 仄暗い豪邸の雰囲気が良い。 え、●●あるの?無いの?そうか、ポイントは、そこか。。微妙にミステリになり切ってないのが良い。可愛げありつサイコパスの薫り。 人間レコード 現代に応用効きそなSFスパイ。 やはり微妙にミステリになり切ってないのが妙に良い。 だが、どこかにサイコパスがいる。。(わかるかな?) 芝居狂冒険 パラミステリとも言えない犯罪阻止冒険物語だが、面白い。 ”見るからに丸柿庄六と名乗りそうな面構え”って何 笑 冥土行進曲 余命二週間を告げられた男の復讐譚は、色鮮やかに目眩く展開の末、業の深過ぎるハッピーエンドへ?! 夢久でこれだと本格ミステリに見えて来るが、、さて。 題名が匂わすほどガチャガチャしてない、奇想展開ながらも綺麗に纏まった一篇。 風太郎的テイスト有り。 オンチ 雰囲気いいなあ。 製鉄所敷地内の通称”ツンボ・コート”(それが何かは書きません)で起きた白昼の強盗殺人事件。目撃者は三人いたが、或る特殊な事情により、犯人はみすみす見逃された。。 タイトルは一見オンナに見えるが実はオンチ。読了してみるとその意味が沁みる。。。 そして犯人は意外! 斬られたさに 問題の一篇。情緒溢れて味深いが、難しい! 不可能興味に、仇討ち、なりすまし、若い恋、思惑、⚫️⚫️、、真相?! 真相を知る者は!? 原点に返り、表題にこそ最大のヒントがあるのか!? 何なんだ!?!? 白くれない このバランス悪さは。。。わ・ざ・と・だ・な! .. 中に挟まれる文語体の手記というか半生記が(読むのに骨は折れるが)エキサイティング過ぎて、、そこへこの唐突な謎明かしはいったい何なのよと。そういや手記最後の「歌」にゃ苦笑で噴き出しちゃったな。色々言いましたが、面白いんですよ。やっぱり夢久さんは、頭がおかしいや! 名娼名月 足蹴にされた花魁への地獄の復讐を誓う若い二人と、かつての共通の恋敵だった老人。色々あって最後はしみじみ。。 巻末の解説「未完成の魔人・久作」by高橋克彦、解題by西原和海、どちらも何気に隠しきれないディスりが染み出していて大笑い。 私も、声を大にして人に薦めるのはちょっと躊躇う所が無くはないが、、 好きなんですよ、この作家の肌触りというか舌触りというか。 でも誰か、物語構成をビシと締められるデザイナ-というかプロデューサーというか、そういう人と組んで書いてたら、こりゃとてつもない傑作短篇集になってたんじゃないかな(全集の一冊ですが)。 でもそうはされたくない様な作も結構ある。やはりこれはこれで良しですな。 |