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[ 短編集(分類不能) ]
人間レコード 夢野久作怪奇暗黒傑作選
夢野久作 出版月: 2023年02月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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KADOKAWA
2023年02月

No.1 5点 みりん 2024/03/24 04:30
近代日本の暗黒部分に焦点を当てた5編がセレクトされた短編集。
全て未読だったのが嬉しい


【直接的なネタバレはないが、未読の方は読まない方が良い】


笑う唖女 7点
月光が照らし出す大粒の涙にそれを見て笑う唖女。場面が容易に想像できて、恐ろしい。キキキキキキ………

人間レコード 5点
タイトル通り、記録媒体に人間を用いるというSFです。あまり話の起伏がなく、夢野久作の反共産主義思想がメイン(解説によると、ただそれだけではないらしい)。さすが右翼の大物と評されるだけあります。
「ホントの共産主義は要するに『他人のものは我が物。わが物は他人のもの』」
「ところが支那人のは違うんだ。『他人のものは我が物。我が物は我が物』と言うんだから」

これ『ドラえもん』に全く同じこと言う奴いましたね。あの台詞も実は偽共産主義への皮肉だったんでしょうか。そんなわけないか。

衝突心理 3点
これは何がテーマなのかよくわからない。ただの勘違いユーモアネタか?

巡査辞職 5点
珍しく王道探偵小説という感じで、舞台や動機は横溝風味です。

超人髭野博士 4点
珍しく100p超えの中編だが、ミステリとしてレベルは低い。
しかし、ワルである主人公(吾輩)の言動がやたら面白く、見ものである

"貴婦人と普通の女の違いは、債権に当たった奴と当たらない奴だけの違いじゃないか"


解説は朝宮運河という怪奇幻想ライターの方。
同じ作品を読んだはずなのに、読み取れる情報量にここまで差が出るものなのかと自分が不甲斐なくなるくらい良い解説。このサイトで他の方の書評を読んでも同じことを感じていますが笑


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夢野久作
2023年06月
ルルとミミ(乙女の本棚)
平均:7.00 / 書評数:1
2023年02月
人間レコード 夢野久作怪奇暗黒傑作選
平均:5.00 / 書評数:1
2022年03月
人間腸詰
平均:7.00 / 書評数:1
2021年02月
空を飛ぶパラソル
平均:6.00 / 書評数:1
2019年12月
死後の恋(乙女の本棚)
平均:6.00 / 書評数:1
2013年10月
押絵の奇蹟
平均:7.00 / 書評数:2
2001年03月
人間腸詰―夢野久作怪奇幻想傑作選
平均:7.00 / 書評数:1
1998年04月
あやかしの鼓―夢野久作怪奇幻想傑作選
平均:7.00 / 書評数:1
1992年10月
夢野久作全集10
平均:6.00 / 書評数:1
1992年09月
夢野久作全集 4
平均:6.00 / 書評数:1
1992年03月
夢野久作全集6
平均:8.00 / 書評数:1
1992年02月
夢野久作全集 7
1992年01月
夢野久作全集 8
平均:8.00 / 書評数:1
1984年11月
日本探偵小説全集(4)夢野久作集
平均:7.33 / 書評数:3
1980年02月
骸骨の黒穂
1977年03月
瓶詰の地獄
平均:6.50 / 書評数:4
1976年11月
少女地獄
平均:5.00 / 書評数:3
死後の恋
平均:6.00 / 書評数:2
1969年01月
犬神博士
平均:7.00 / 書評数:1
1956年01月
ドグラ・マグラ
平均:6.57 / 書評数:28