皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 法廷・リーガル ] すばらしいペテン ペリイ・メイスン |
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| E・S・ガードナー | 出版月: 1972年01月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 3件 |
![]() 早川書房 1972年01月 |
![]() 早川書房 1982年01月 |
| No.3 | 5点 | クリスティ再読 | 2026/01/13 16:59 |
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| さてぺリイ・メイスンの作者完走では最後の作品。評者初期の作品しか読んだことないから、どんなのだろう?と興味津々。ちなみにタイトルはあまり意味がしっくりこない。仮タイトル臭い?
例によって不審な振る舞いをする依頼人登場。今回は「自分がまきこまれる可能性のある事件のために、あらかじめメイスンの弁護を予約しておく」という聞くからに怪しげな依頼。だからメイスンも話を聞いて「しまった!」感あり。しかしこの依頼人の女性は大金をハンドバックに入れているのを、事務所受付嬢に目撃されていた....名前も名乗らないこの女性、コードナンバー「三六、二四、三六」。一見スリーサイズだが、「あの人の寸法なら、三二、二四、三六といったところですわ」とさすがのデラ君鋭い。 「偽せ寸法の事件」とメイスン、デラ君はとんでもない事件でくたびれ儲けにしかならないと「高価についた依頼人の事件」とは手厳しい。そんな怪しげな事件は恐喝者との交渉、横領事件などと交錯しつつ殺人容疑が依頼人に! で予審でメイスンが証拠調べの中で真犯人を事実上指摘して...なんだけども、この推理もつまらない上に無理筋でちゃんと真犯人を特定するようなものでもない。だからがっかりな結末。でも中盤までの丁々発止など、楽しく読めるのは確か。メイスンの事務所の受付嬢、太めだが愛すべきガーティとか、敏腕女探偵ステラとか、女性キャラが目立つ作品でもあるなあ。中盤が面白いのがもったいない。 本作も予備審問で事件が終結。結構メイスンこのパターンが多いね。陪審裁判で詰めかけた傍聴人を大向こうに回し...ってイメージはやっぱりテレビかな? (とりあえず評者のガードナー読書ステージワンは本作で終わり。あとは評判のいい作品をつまみ食いしていこうか。) |
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| No.2 | 5点 | 弾十六 | 2022/09/10 10:08 |
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| ペリーファン評価★★★☆☆ ペリー メイスン第80話。1969年11月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
発表当時ガードナー80歳。作者が最後まで監修したメイスンシリーズとしては最終話です。その後、手直しが必要とか編集部がはじいたとかで発表されていなかった、ほぼ完成版のメイスンもの2作が死後出版されましたが… 冒頭はいつものデラとメイスンの会話、女性の年齢当てを試みます。この6日間ひまで豪勢な食事をするドレイク。メイスンは女探偵の胸の谷間を鑑賞し、ドアを開けた女を怒鳴りつけ、デラと握手について論じあい、ドジャースの優勝予想をします。ミランダ警告が3回登場。ドレイクがメイスンに請求する料金は「いつも通りの割引値段」(the usual trade discount) 今作では法廷シーンが2回登場、最初は陪審裁判で偶然による結審、2回目は予審でメイスンによる被告側の証人尋問で解決します。なお、メイスンが黒人の弁護をするのはシリーズ初。 ところで裁判所近くの馴染みのレストランはフレンチからイタリアンに変更したもよう。お話は軽めですが、いつものように読者を飽きさせない筋立ては流石です。でも敵役のバーガーもトラッグも(ホルコムも)登場しないのが寂しい… 銃は銃身を切り詰めたレヴォルヴァ(snubnosed revolver, 詳細不明)とスターム ルガーSturm Ruger(翻訳では「ストゥアム・ルーガー」)のシングル・アクション22口径レヴォルヴァ、シングル シックス、銃身9-3/8インチが登場。 「22口径… 特別強力なピストルから、銃弾を発射」(with a twenty-two-caliber revolver, shooting a particularly powerful brand of twenty-two cartridge)「22口径と呼ばれる種類の強力なライフル銃弾」(the bullet was of a type known as a .22-caliber, long rifle bullet)と翻訳されていますが「特別強力なピストル」とか「強力なライフル銃弾」とかは、いずれも22ロングライフル弾(ピストル用の弾丸)のことですね。 拳銃についても「銃身にルーガー=22の文字と、6=139573の番号」(On the gun was stamped Ruger twenty-two, with the words single six, the number, one-three-nine-five-seven-three )と訳されているのですが、翻訳者はSingle Six(銃の商品名)を誤解。(固有名詞なのに大文字で始めないガードナーが悪い?それとも校閲者が勝手に小文字に直した?) [試訳: 銃の刻印は、ルガー22及びシングル・シックスという文字、番号139573…] このシリアルだと1959年製です。 (2017年5月27日) |
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| No.1 | 5点 | nukkam | 2020/07/09 22:11 |
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| (ネタバレなしです) 1969年発表のペリー・メイスンシリーズ第80作の本書がE・S・ガードナー(1889-1970)が生前に発表したシリーズ最後の作品です(死後に更に2作が出版されますけど)。残念ですが出来栄えは良くないです。あの証拠が犯人特定に結びつくのが法廷場面も大詰めの17章でようやくでは、本格派推理小説のプロットとしてはいただけません。しかもこの証拠にしたっていくらでも他の人を替わりの犯人に仕立てられる程度のものなのです。中盤でメイスンが入手したメモも何の目的で書かれたのかはっきりしませんし。作者の持ち味であるテンポのよさと読みやすさは最後まで健在ですが。 | |||