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[ 本格/新本格 ]
死体を買う男
歌野晶午 出版月: 1991年05月 平均: 6.39点 書評数: 41件

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光文社
1991年05月

光文社
1995年02月

講談社
2001年11月

No.41 7点 まさむね 2019/10/31 22:22
 作中作を効果的に使った作品で、私はすこぶる楽しく読むことができました。
 まずは、作中作の乱歩調の筆致がイイ。江戸川乱歩と萩原朔太郎の探偵譚も面白い。そして、それを活かした多層的な工夫が何とも心憎い。確かに、個々のトリックや仕掛けは地味というか、ありがちな部分もありますが、その組み合わせ方、読者への見せ方については、さすが歌野センセイ!と感じましたね。

No.40 7点 バード 2019/05/07 11:15
昔予備知識なしで50ページほど読み、これは頭を乱歩作品脳にした上で読んだ方がいいなと悟り、いったん読むのを止めた。最近乱歩の傑作選を読んだので、ちょうどいいと再挑戦した。

二転三転する構成に興奮し、8点をつけたい気分だったが、少し冷静になるといくつか気になる点(個人的には作品を評価する上で重要な点と思う)も見つかったので、一点引いた7点とすることに決めた。

・良かった点
1 塚本父の自殺に見せかけた理由が上手い。
2 塚本兄弟の入れ替わりの伏線がきちんとしていて違和感がない。
3 最後に当事者が告白するため、結論の曖昧さがない。(入れ替わりネタは真実をぼかすケースも多々あるので)

・気になった点
1 作中作が乱歩節な理由が単に作者(西崎君)の好みだけだった点。
2 上手く書いてるけど実は双子の入れ替わりネタという、超古典的ネタに終始しており、そこにオリジナリティが少なかった点。

No.39 5点 ミステリ初心者 2017/09/21 17:22
ネタバレをしています。


 作中作の中の作品は、時代背景や文の感じがとても読みやく、まったくストレス無く読み終えました。
 双子トリックをミスリードに使っていて(私の勝手な感想)、双子といえば入れ替わる…厚化粧をした女性に化けた時点で入れ替わっているかと思いきや、父親と入れ替わるための女装とは! 一番気に入っている点です。そもそも、双子に化粧はいらないし、乱歩の"醜い"感想が違和感がありましたが。

 ただ、作中作にありがちな、作中犯人が現実での犯人とリンクする点はありきたりだと感じました。どちらが直、均だという話も、事前に入れ替わったあとで…というのも、特に興味がなかったです(予想してませんでしたが)。乱歩の自殺をとめた際の裏投げが、とてもよい複線になっており、その点はかなりよかったです。

No.38 5点 パメル 2017/09/04 01:15
松の木で首を吊って自殺している人物を発見するが自殺に疑問を抱いていた江戸川乱歩と萩原朔太郎が真相を追及していくという探偵小説「白骨鬼」の内容が現実の世界の事件に繋がっていくという構成
乱歩風の文体で描かれ江戸川乱歩・萩原朔太郎の推理合戦は楽しませてくれたがミステリとしての驚きは残念ながら小さい

No.37 4点 斎藤警部 2015/09/09 07:05
古(いにしえ)の文人たちが語り合う趣向は面白いですけど、ピリッとしない小説でしたね。 凝った構成も収束も、わたしの感性には空回りとまで行かずともさほど驚けず。

No.36 4点 mohicant 2013/08/05 10:40
 葉桜を読んでからのこの作品だったので、期待外れだった。特に目を見張る点もなく平凡に感じた。

No.35 6点 mozart 2013/03/16 09:24
作中作も含めて楽しめました。終盤になって、使い古された感のある双子ネタにひねりを加えていくあたりも、ややくどいような気もしましたが、まずまず納得のいくものでした。乱歩風の文体もなかなか楽しめました。

No.34 7点 bookmaker 2012/05/28 09:14
著者の初期作品群とは別人の作品かと思わせる様な文体と趣向の佳作です。
正直あまり期待せずにあらすじにつられて購入したのですが、一瞬著者を見出した某大御所の未発表の作品かと錯覚させられるような感じがしました。

No.33 6点 蟷螂の斧 2012/01/15 10:37
作中作で過去と現在が入り乱れ、複雑な展開となっています。ラストの方は、頭を整理してからでないと、題名「死体を買う男」の意味を理解するのに時間がかかります。

No.32 7点 2011/10/01 09:41
作中作の乱歩調の文体、結構好きです。
結局、西崎が納得して細見が「死体を買う男」を発表した。ということですよね?

No.31 6点 itokin 2011/06/17 13:09
構成の仕方ですが、アイディアは面白いがややこしい感じがした。最期のひねりもそこまでしなくてもと思う。双子の登場は結果が決まっているだけに意外性を求めたのだと思うが・・・。

No.30 6点 haruka 2011/04/29 19:50
びっくりするほどのどんでん返しはないものの、続きが気になって最後まで楽しく読めた。乱歩調の作中作など、構成がうまいと思う。

No.29 5点 好兵衛 2011/04/24 03:06
作中作、この手の作品は何冊か読んでいるはず
なのにまただまされた。

結構面白かったです。謎が沢山あるのですが
この手の作品に多いように謎が分散されています。

作中作の事件ですが、個人的にはそんなに面白くなかった。
トリックも特に、といった感じでしょうか。

ですが、全体的にはなかなかのつくりになっていたと思います
驚き、楽しめました。

No.28 2点 ムラ 2010/12/26 23:55
本格的なミステリーで仕上げられていました。トリックも道筋も王道的な感じです。乱歩調の文体が見ていて面白いという感覚です。
サプライズとしてはイマイチでした。乱歩と萩原のやりとりは面白かったですが。

No.27 6点 kanamori 2010/07/13 22:18
個人的に作者の力量をちょっと見直した作品です。
作中のトリックに関しては絶賛という訳にはいきませんが、リーダビリティのあるプロットの創作という点では、デビュー作などと比べて格段の進歩を感じました。
題材が嗜好に合致していたこともあるかも知れませんが。

No.26 5点 spam-musubi 2010/04/13 10:37
みなさん仰るように、ミステリとしてはごく平凡。
乱歩や朔太郎の名前と雰囲気を楽しめるかどうかでしょう。
わたしは今ひとつでした。

No.25 6点 touko 2010/02/05 23:32
トリックは平凡なんですが、萩原朔太郎のホームズ、江戸川乱歩のワトソンという設定が、面白かったです。朔太郎が魅力的に書けているし、ラストに役割逆転して乱歩が面目を果たしたのもバランスがよさげ。

No.24 7点 simo10 2010/01/17 13:27
作中作「白骨鬼」は作家江戸川乱歩の語りと詩人萩原朔太郎の探偵役で進んでいきますが、乱歩調の語りはこれまでの歌野氏のイメージから全くかけ離れたもので、かなり意外でした。
島田氏の「漱石と~」にかなり似た感じの作品です。
「白骨鬼」自体は萩原朔太郎が面白キャラに仕立て上げられて飽きさせない作りでしたが、謎と真相は超オーソドックスなものでした。
しかし「死体を買う男」のラスト部分で、「白骨鬼」も含め、一気に全体が引き締まった感じを受けました。
懺悔録「死体を買う男」、うまい!と思わされました。

No.23 7点 E-BANKER 2010/01/07 23:16
「作中作」の中で、乱歩と萩原朔太郎を探偵役とした珍しい設定の作品。
「双子トリック」をはじめ、細かい部分については特段見るべきところはないような気はしますが、作品全体の設定というか”試み”がいいですね。
「~家の殺人」シリーズでは、まだまだ”若さ”が目に付いていましたが、氏が作家として成熟していくきっかけとなった作品なのでしょう。
しかし、新本格の作家って「アナグラム」が好きですね・・・個人的にはあまり魅力を感じないんですけど。

No.22 5点 いけお 2009/11/04 11:23
さらに一捻りあってよかった。


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