皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] ハッピーエンドにさよならを |
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歌野晶午 | 出版月: 2007年09月 | 平均: 5.75点 | 書評数: 12件 |
角川書店 2007年09月 |
KADOKAWA 2010年09月 |
No.12 | 6点 | まさむね | 2024/02/28 23:32 |
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11篇からなる短編集。出来栄えは作品によってマチマチな印象。タイトルどおり、どの短編もハッピーエンドとは無縁ですが、社会問題を絡めつつ考えさせられる短編も複数ございました。
①おねえちゃん:悲しい話ですなぁ。 ②サクラチル:ストンと落とされた。 ③天国の兄に一筆啓上:凡作と言わざるを得ない掌編。 ④消された15番:正直、ピンとこなかった。 ⑤死面:過去の真相の想定はつくが、ラストの一ひねりは作者らしい。 ⑥防疫:最後の言葉が効いている。 ⑦玉川上死:ミステリ的な側面は最も強いが、序盤で想定ができる面も。 ⑧殺人休暇:ラストの1行がいい。自分も読中そう思った。 ⑨永遠の契り:バッドエンドとはいえ、思わず笑ってしまった掌編。 ⑩In the lap of the mother:この掌編も苦笑い。パチンコは怖い。 ⑪尊厳、死:人の尊厳とは。なかなか深い。 |
No.11 | 7点 | 虫暮部 | 2022/06/09 14:20 |
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「玉川上死」が傑作。後半は少々不自然だが、犯行自体がパーフェクトなので、どうやって種明かしをするか作者も困ったのではないか。加害者の捨て身っぷりに私はグッと来た。それを高く評価するのは、法月綸太郎の最高傑作を「身投げ女のブルース」だとする気持と共通のものかも。
「 In the lap of the mother 」と言う題はクイーン(エラリーじゃないよ)の曲名「 In the lap of the gods 」に由来する。旧作にも幾つか同バンドのネタを使っているし間違いない。 掌編も含め、粒は揃っていると思う。“殺人の時効成立” は過去の話になっちゃったねぇ。 |
No.10 | 6点 | パメル | 2021/06/26 08:37 |
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タイトル通りハッピーエンドには終わらない、ショートショートと短編を合わせて11編が収録されている。その中から6編を選んで感想を。
「おねえちゃん」親は私にだけ厳しい。お姉ちゃんにはすごく甘いのに。高校生の理奈が叔母である美保子に相談を持ち掛ける話。最後にどんでん返しがある救いのない話。 「サクラチル」真向いの家の常盤さんの奥さんは、いろんな仕事を掛け持ちをしていて大変そうだ。それもご主人が働かないためらしい。よくあるパターンだが上手く出来ている。 「防疫」水内真知子は、世間一般に言う教育ママだった。いつしかそれは教育ではなく、躾のレベルも大きく超えていた。このように受験に取りつかれている人は結構いるのではないか。 「玉川上死」玉川上水を人間の死体が流れていると通報があり、警官が駆けつけるが。いろいろなことが一気にひっくり返る。どんでん返しのお手本のような話。 「殺人休暇」合コンで知り合った男と関係を持ってしまった私。しかし、それは大きな間違いだった。世に言うストーカーとは少し違うのだが怖い。狂気に取りつかれた男の描写がいい。 「尊厳、死」ムラノは、いわゆるホームレスだった。仕事が無いというのではなかったが、働く気が無かった。よくあるパターンだが、良く出来ている。最後に一瞬でどんでん返しが決まる。 全体的に悪くはないが、少しあっさりした印象。 |
No.9 | 5点 | yoneppi | 2014/05/09 21:30 |
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さらさら読めて読後がちょっと暗くなる。 |
No.8 | 6点 | 測量ボ-イ | 2012/06/17 11:26 |
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氏の作品は短編でも読み応えありますね。
本篇はこういうスト-リ-だと知ってて読んだ ので、まあ許容範囲内。 でもやっぱり気の滅入る話しが多かったかな。 |
No.7 | 6点 | 3880403 | 2011/05/18 18:48 |
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短編集。よく出来ているものもあれば微妙なものもあり。
個人的には叙述ものがもっとあれば良かったと思う。 |
No.6 | 6点 | E-BANKER | 2010/11/29 23:19 |
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すべてバッドエンドで終わる作品を並べた短編集。
まさにタイトルどおり、「ハッピーエンドは許さない!」強い意思を感じました。 ①「おねえちゃん」=やや唐突に暗闇に突き落とされた感じ。そこまでしなくても、理奈ちゃん・・・ ②「サクラチル」=実に歌野らしい・・・今は学歴じゃないですよ!幹久さん・・・ ③「消された15番」=狂った女性ほど怖いものはないという話。でも、こういうこと割とありますよねぇ、臨時ニュースとか・・・ ④「死面」=ブラックな話をサラリと書いている感じ。そんなに怖くはないですけど・・・ ⑤「防疫」=またもや狂った女性の話。夫がかわいそう。よく我慢してるよなぁ・・・ ⑥「玉川上死」=うーん。救われない話。そんな奴ら、殺す値打ちもないよ! 秋山君! ⑦「殺人休暇」=それだけいろんな物もらったんならそれくらい我慢しなよ! 理恵さん! ⑧「尊厳、死」=何がその人の「尊厳」なのかという話。ラストは軽いオチが・・・予想の範囲内。 以上8編+ショートショート3編あり。 全編後味の悪い作品ばかりですが、もうワンパンチ欲しいなぁというのが正直な感想でしょうか。 まぁ、でも作者らしい捻りの効いた作品集ですし、一読して決して損はないでしょう。 |
No.5 | 6点 | simo10 | 2010/11/07 22:29 |
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全てバッドエンドの11作品で構成される短編集です。
①「おねえちゃん」:作品のコンセプトを知らなかったのでいきなりまさかの衝撃でした。 ②「サクラチル」:一番怖かった作品です。叙述が冴えています。 ③「天国の兄に一筆啓上」:4ページのショートショート。特に際立つ部分もありません。 ④「消された15番」:母親のイライラと周りの邪魔する様子がコントの様。 ⑤「死面」:悪いことをしたら罰が当たるという見本的な話。もう一捻り欲しい。 ⑥「防疫」:ラストの展開にタイトルの全てが含まれていますが、教育ママの追い詰められようが見もの。 ⑦「玉川上死」:ちょっとしたフーダニット&ワイダニットもの。被害者の両親はどうしたのだろうか。 ⑧「殺人休暇」:ストーカー対策として実際ありそうですね。ラストはどうなんだろう。 ⑨「永遠の契り」:ショートショート。どうしようもないバカップルの結末に苦笑い。 ⑩「In the lap of the mother」:ショートショート。完璧なリスク管理論を提唱するパチンコママの結末に苦笑い。 ⑪「尊厳、死」:ホームレス狩りを題材にしています。最後に鮮やかに締めくくりました。見事です。 見事なまでに全てバッドエンドでした。個人的には①②⑨⑩がヒット(?)しました。 |
No.4 | 6点 | シーマスター | 2010/10/16 22:18 |
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落穂拾い的な短編集のようだが、タイトルどおり全てバッドエンドで、皆さん仰るように「正月~」に比べれば薄味だけと歌野のダークサイドが味わえる作品がズラッと並んでいる。
ただしネタやオチは首を傾げたくなるほど旧型なものが少なくないので、そちらへの期待度は控えめにして読まないと落胆も少なくないだろう。 歌野君は、最近はチャットモの殺人ゲームシリーズに気を注いでいるようだが個人的にはコッチ系の方がいいなあ |
No.3 | 5点 | kanamori | 2010/07/14 18:57 |
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ブラックな趣向を凝らした”裏・本格”の短編集としては第3弾。
各編とも毒気や狂気がにじみ出ていますが、初期の「正月十一日、鏡殺し」ほどのインパクトは感じませんでした。 「玉川上死」が個人的に気に入っています。 |
No.2 | 7点 | なの | 2008/11/22 22:55 |
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見事なまでに嫌な話ばっかりの短編集です
「正月十一日、鏡殺し」を思い出したり でも思ったほど後味は悪くないですね |
No.1 | 3点 | kenta | 2007/09/23 07:55 |
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短編集です
いずれの作品も読んでいて無理していると感じさせられてしまうプロットなので・・・ |