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[ 本格/新本格 ]
厭魅の如き憑くもの
刀城言耶シリーズ
三津田信三 出版月: 2006年02月 平均: 7.20点 書評数: 41件

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原書房
2006年02月

講談社
2009年03月

No.41 8点 のぶゆき 2021/08/25 16:43
ネタバレあります。


最初はどこから考えれば分からなくて、その後、可能性の点から色々と考えましたが、単独犯では不可能としか思えませんでした。かなりホラー度が強いので、どこまでがミステリーで、どこからをホラーとすれば良いか分からず、ホラーの部分を多くすれば、解決できるかもと思いました。
解決を見てから読み返して、なるほど目線に気づいけば、私も解答に辿り着いたのにと思い残念でした。部屋、人物の位置関係を把握しようとして、何度やってもうまくいかず、諦めたのが失敗です。
誰とも口を聞かず、カカシの中に居て話を聞いているというのは、かなり怖いシチュエーションで、小説のすべての場面よりも、そのことが怖いと思いました。

No.40 7点 じきる 2020/09/13 00:11
世界観や雰囲気は非常に私好み。
粗さは感じるが、ミステリーとホラーを上手く融合させている。
少し伏線がわかりづらいと感じる部分はあった。

No.39 5点 葉月 2020/09/07 11:52
メインのトリックにはあまり感心できず、全体的に今ひとつといった印象を受けました。歴史的傑作と言われている「首無」や、シリーズの中でも評価の高い「山魔」などと比べると、少し苦しいのではないでしょうか。

No.38 8点 Kingscorss 2020/08/08 01:59
とても楽しく拝読しました。トリックも前例があるかもですが、今どき前例のないものは書けないと思うので、あからさまなやつ以外ならOKかと…

マイナス面はとにかく漢字の読みが難しいのと、登場人物と地形、家元とかが多くてこんがらがりやすいので、それらを覚えるまでが結構苦痛でした…

未読のシリーズ3作目がかなりの傑作らしいので今から楽しみです。

No.37 7点 人並由真 2020/07/12 05:33
(ネタバレなし)
 現状の評者は刀城言耶シリーズは、長編、短編集のそれぞれ一番新しいものをいきなりそこから一冊ずつ読んだきり。
 今回改めて、シリーズの第一作から読んでみた。いや、本そのものは大分前から入手していたが、一度、少し読み始めてみたら、イントロ部分の物々しい演出がどうも敷居が高く、なんか気後れしてしまっていたのであった~汗~。

 それでも今回は何とか、実質丸一日で読了。総体としては普通に(それ以上に)面白かったけれど、中盤がやや冗長。その理由を考えるに、連続殺人の災禍に遭う被害者連中に読み手の関心を誘うようなキャラクター性が希薄だからではないか? とも思う(ちょっとヘンな? 言い方&読み方ではあるが)。

 とはいえ後半から終盤にかけて、物語のギリギリまで事件が継続する外連味はたまらないくらいのテンションの高さ。二転三転する謎解きの緊張感も、あえて破格さに踏み込んだ事件のデティルも、それぞれとても楽しかった。

 ただし真犯人だけは、結構早めに見当がつきました。言耶シリーズはこれでまだ3冊めだけれど、ほかの三津田作品も合わせればのべ5冊は読んでいて、さすがになんとなく、この作者がやりそうな仕掛けの勘所はちょっとぐらいは見えてくる。さらにこの作品は途中の手掛かり&伏線が結構あからさまで、その辺りがフーダニットのパズラーとしては、ややイージーモードのようにも思えた。

 しかし本サイトの本作品の先行のレビューで、この大技トリック(の類似例?)を先に使っているらしいミステリの具体名を書かれていて、そっちの作品をまだ未読だった当方は、かなりショボーンでした(……)。
 いや、メイントリックに前例があるという物言いそのものは、この作品のひとつの評価(「意外なトリックのようだが、決して革新的なものではない」という指摘の公言)として、適宜にやっていいと思います。
 ただできれば、引き合いに出されるそっちの作品のネタバレにならないように、当該の前例にあたる作品については、(たとえば)1990年代半ばの国産作品とか、せいぜい作家の名前だけにするとか(それも相応の冊数を書いている作者限定)、なるべく曖昧な形の記述に留めてもらえると、とてもありがたいのですが(涙)。

No.36 8点 雪の日 2020/04/14 16:07
東野の作品に同じトリックのものがあるが、こちらの方がおもしろかった。

No.35 8点 ボナンザ 2020/04/09 22:05
シリーズ冒頭を飾るにふさわしいムード満点、本格度満点の傑作。刀城の推理シーンが頼りないが、まあ、ああゆうエンディングにするには仕方いか。

No.34 7点 メルカトル 2020/01/07 22:19
神々櫛村。谺呀治家と神櫛家、二つの旧家が微妙な関係で並び立ち、神隠しを始めとする無数の怪異に彩られた場所である。戦争からそう遠くない昭和の年、ある怪奇幻想作家がこの地を訪れてまもなく、最初の怪死事件が起こる。本格ミステリーとホラーの魅力が圧倒的世界観で迫る「刀城言耶」シリーズ第1長編。
『BOOK』データベースより。

横溝正史と雰囲気は似ているかも知れませんが、それとは一線を画すものだと思います。ホラーとは言ってもホラー小説ではありませんので、それ程怖い恐ろしいってことはなくて、少しだけゾッとする程度です。特に冒頭の憑き物落としのシーンなどは興味深いと同時に、後々の伏線であったり本書の特徴を印象付けることに成功しています。しかし、あくまで本線は本格ミステリですので、あまりそちらにばかり目を向けると、肝心な布石を見逃すことになりますよ。因習や伝説などをそのまま殺人装置として具現化させている点もポイントが高いです。

正直『首無の如き祟るもの』程完成度は高くないと思います。しかし、シリーズ第一作としてその方向性を位置付けた点に於いて評価されるべき作品ではないかと思います。その造りは重厚で、何と言っても七章とおわりには圧巻です。多重推理と言えば聞こえがいいですが、刀城はわざとなのか読者を迷わせるようないくつもの仮説を繰り出します。結局最後は落ち着くところに落ち着くわけですが、なら最初からそう言えよとか言ったりしてはいけないんでしょうね。まあ一人推理合戦とでも解釈すれば問題ないかもしれません。

No.33 9点 mediocrity 2019/10/25 00:44
刀城言耶シリーズの第1作目。

最初数ページは取っつきにくかったですが、その後は思ったよりも読みやすく、個人的には冗長さを感じることもなく楽しめました。横溝作品と同じく、推理部分だけでなく、小説としても非常に面白い。満足です。

ミステリとしては『首無の如き祟るもの』の方が上でしょう。あちらは、読んでいる途中何度も茫然としましたから。本作はかなりの部分の謎解きは想定内でした。ただ、全体としての仕掛けは驚きでした。もう1回読まなきゃ。

ところで、以前読んで自分は2点を付けた『隻眼の少女』ですが、今思い返すと、この作品の劣化版しか思えない。

No.32 7点 斎藤警部 2019/08/27 05:25
コージーに過ぎる長い長い怪奇譚の末、まさかそんなちっぽけな真相?。。 と鼻白まずに済み助かった。何しろなかなかに大きなどんでん返しに襲われたもんだ。何処かで見たことあるアレだけど、物語の演出が違うだでに、驚きの感覚もやはり違う。真犯人暴くまでのステップに冗長感アリのため、驚きが微妙に薄れたのは少し残念。でも少し程度。

探偵役が真相を悟ったのが、そのアレの何とかを知る前だ(物語の構造上、そういう事になりますよね?)と思うと、しかも核心暴露へ至るまでの試行錯誤というか推理の執拗な積み重ねを経ているのだと考えると、そりゃあミステリとしての感動もなるほどひとしおだ。 最後に探偵役(ほとんど作者目線)が伏線を丁寧に説明してくれるとこ、まるでイニシエーションなんとかのネタバレ解説サイトのような感触で若干苦笑。でもこれあると助かる。最後のヒョッコリは、もしかして取って付けのオマージュ?おまけにしか見えない(この最終フレーズがどんでん返し最後の大締めにはとても見えない)んですけど、比率的にミステリ要素に較べると軽すぎて。 でもまあ、こういう感想が出てしまうのは私がちっともホラーマンじゃないからに過ぎないんでしょうなあ。

ところどころ、文章構成というか文の置き方が下手ッび過ぎて、誰が何を発言してるんだか分からなくなる箇所散見。もしやこれも叙述欺瞞の一環だか核心かとちょっぴり疑っちゃいました。それと、どうにも昭和の終戦直後が匂わないというか平成感丸出しの文章で、どうしてこいつらガラケーかせめてポケベルで連絡取らないんだろう?交番にキャプテンシステムは無いの?なんてうっかり思ってしまったり。あキャプテンシステムはむしろ昭和末期か。でもこのへんはシリーズ第二作以降順次改善されて行くのかしら?そもそもそこは改善すべきポイントではさらさらない?




【以下本作のトリック核心にさわるネタバレ(特に後半)】


さて、本作の叙述トリックの、心理的ではなく物理的側面のほうの肝となる部分、もしかして一種の洒落から発想が始まったのかな。。? んでこの系統の叙述トリック(心理的側面のほう)って、もの凄く大まかに捉えればブラウン神父の郵便配達のアレの応用篇、と言えるんですかね。 つまり、小説構成のあの部分が郵便配達人に相当する、という意味ですが。

No.31 6点 okutetsu 2019/08/20 20:31
作品の設定や雰囲気はかなりよかった。
しかしミステリとしての真相は微妙な感じ。
あんだけ推理が二転三転したら探偵役の意味ないでしょ。

No.30 8点 新世紀ミステリー 2019/06/22 21:59
2006年発表。ホラー表現によって、犯人の叙述トリックを包み込む手際が、実に見事だと思いました。

No.29 6点 monica 2019/02/27 18:34
前々から気になっていたので挑戦。

登場人物の手記は単純に楽しめました。
ホラー的な雰囲気もバッチリで
恐る恐る読みました。

最後の刀城言耶の謎解きも
かなりびっくりな展開で良かったです。

ただし、文章が冗長。
面白いエッセンスが薄まる感じ。
もっとキュキュッと書いて欲しかった。

まぁ次も読んでみようという気になったので
この評価。

No.28 7点 レッドキング 2018/06/02 17:56
作中で 何回も「犯人は〇〇だ」と登場人物たちに露骨に「正解」されているのに、読者はそれを ごく自然にスルーしてしまう。ホラーと叙述トリックが機能しあって その仕掛けを構成しているところがすごい。

No.27 7点 青い車 2016/10/26 16:53
 賞やランキングを総なめにした作者のシリーズ第一作。こういう人は少ないかもしれませんが、刀城言耶のキャラクターが好きです。彼の存在が奇怪な連続殺人の殺伐さを緩和してくれる気がします。内容の方も終盤にかけてのエンジンの掛かり方が凄まじく、神の視点を利用した伏線もユニークです。ダミー推理の方にもちゃんと多少の根拠に基づいている点もまた感心させられます。総じてこれ以降の諸作の要素をいくつも含んだ秀作です。

No.26 4点 了然和尚 2015/12/08 16:01
最後の推理の場面がダメすぎ。「一体いつまで私らは、こんな茶番に付き合わないけませんのやろうねぇ」(まったくです) 撒いたもん全部出したいのはわかるが、これではダメ。カー、クリスティーなども別解答は匂わすが、ここまで平坦に並べたら台無し。
叙述トリックも、私にはどうでもいい要素なので、評価低いです。デクスターとかと比べて、多視点の書き方下手だなと思ってましたが、トリックのためだったというのは残念。
読後感はなんとなく「すべてがFになる」(森博嗣)を思い出しました。

No.25 7点 名探偵ジャパン 2014/08/25 10:14
「首無~」の完成度が高かったので、シリーズ第一作から読もうと購入。
「首無~」がほぼ純粋な本格だったのに対し、こちらは随分とホラー要素が強い。刊行順からして、こちらが本来の作者の味なのか。
探偵、刀城のキャラがいまひとつ弱い。こういう人知を越えた怪異に挑むのであれば、作品の空気を和らげる金田一的三枚目か、いっそ知恵と力の象徴のような、明智、神津的超人にして、近代的探偵対前時代的怪異という対立を押し出したほうが盛り上がるのでは。
と思ったが、どうも作品のスタンスが、「怪異はないとは言い切れない」というぼかした立場のため、探偵を無個性にしたのはわざとなのかな、とも感じた。怪異のキャラより前に出るような三枚目探偵も、すべて人間の仕業と看破する科学の申し子のような探偵も邪魔なだけという考えなのかもしれない。あくまでこのシリーズの主役は、探偵でも犯人でもなく、怪異なのだ。

本作の舞台となる、因習に縛られ、それを盲目的に遵守する山村とそこに住む人々、科学捜査の発達していない警察、携帯電話・パソコンもない時代、というのは、トリックを成立させる上での、本格ミステリとして絶好の装置なんだなと改めて感じた。

No.24 6点 いいちこ 2014/06/09 20:01
力作ではあるが微妙・・・
作風からしてリーダビリティの低さはある程度やむを得ないが、このプロット・真相ならもう少しボリュームダウンできたと思う。
メイントリックは既に有名作品に前例のあるもの。
巧妙な伏線が張り巡らされており、使用方法の完成度は高いが、それだけでは評価することはできない。
最終盤では恒例のどんでん返しが連発されるが、最初に示された真相の方が却って衝撃は大きかったように思う。
6点の上位  

No.23 7点 HORNET 2013/08/30 20:08
 本シリーズの後続を読んでから、第1弾の本作を読んだ。刀城言耶初登場がこれか・・・と思って読むとそういう点でなかなか面白い。今よりさらに遠慮がち、自信なさげな感じがするのは気のせいか。どちらにせよ、頭脳がキレるのに謙虚な態度は変わらず好感がもてる。
 何かの書評で初期は土俗的・民俗学的要素が濃いと評されていたが、自分はあまりそういう感じはしなかった。神々櫛村、谺呀治家と神櫛家、神隠し、「カカシ様」などの、ムラ社会、呪術的文化は確かに「濃い」が、決して難解な感じはしなかった。むしろ(あたりまえであるが)本作の大きな魅力である。巻頭に村の見取り図があって内容理解の一助として大いに役立った。
 このシリーズは全部読みたい。

No.22 8点 simo10 2013/05/21 23:04
--ネタばれ含みます--

刀城言耶シリーズ第一弾。本サイトで評価の高い、同シリーズ第三弾「首無~」を読みたいと思い、順番通りにまずは第一弾を読んでみました。
予想はしていましたが、難しい漢字、言葉の連続、長い蘊蓄で、とにかく読み進み辛い。しかも250ページほど進んでようやく事件が発生するという展開の遅さ。
正直なところ話が9割程(550ページ程)進んでもあまり面白いとは思えませんでした(このままなら採点4点、ラストうまくまとめてもいいとこ6点だなと思っていました)。
しかし最後の最後で、心から「あ!」と言わせてくれました。
本当に読み辛かったため、最初の方を何度も読み返していたので、「視点」の件はしっかり意識していた(つもりだった)ので、より感激できました。
解決編のドンデンの連続はなんだこりゃとは思いましたが、ミスリードの仕掛けまできっちり回収していると考えれば、とても親切だと言えます(よくこれだけ罠を張ったもんだ)。
怪奇モノということで、雰囲気で勝負してくる作家だと思っていたので、意表をつかれました。
犯人はどんだけ殺しプロやねんと言いたくなるなど、荒っぽい点は多いですが、こういう大技は好きです。
文庫化される前は地図がなかったようですね。そりゃキツいですわ。九供山での描写が全然解らなかったのでこれも見取り図が欲しいところです。


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