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13の判決
英国推理作家協会編
アンソロジー(海外編集者) 出版月: 1981年05月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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講談社
1981年05月

講談社
1981年05月

No.1 6点 kanamori 2015/03/15 18:10
英国推理作家協会編のアンソロジー。法廷ミステリだけを収録したようなタイトルですが、実際は事件関係者内の私的な”評決”だったり、法廷場面が全く出てこない”判定”も多く、テーマはかなりユルい縛りになっています。

そんな中では、大昔の毒殺事件の洗い直しを依頼されたダルグリッシュ警視の私的捜査を描いた、PDジェイムズ「大叔母さんの蠅取り紙」が編中の白眉といえる。60年以上前の公判記録や当時の関係者などをあたる骨太な内容に加え、炙り出された皮肉な真相と”無〇〇な犯人”という設定が非常に印象に残る傑作。
ディック・フランシス「ローパーと二十一人の仲間」は、競馬の”写真判定”結果の賭け事で連戦連勝をする男の話で、ハウダニットの仕掛けが盲点を突きオチが鮮やか。
そのほか、飼い猫が咥えてきた指を巡って隠れた事件を集団で推理するパトリシア・ハイスミス「猫の獲物」、評決直前に陪審員が突然死した事件に警視総監のアプルビイが関わるマイケル・イネス「ペリーとカリス」、キャンプ場で野鳥観測者が変死した事件を私的裁判で真相を暴くナイオ・マーシュ「ホッホウ」、渋いスパイ・スリラー風のマイケル・ギルバート「三人の評決」がまずまずの出来栄え。
天国で三人の悪女が過去の事件を掘り起こすクリスチアナ・ブランド「至上の幸福」や、架空の惑星が舞台のピーター・ディキンスン「猫殺しの下手人は?」など残りの作品はいまいち面白さがわからなかった。


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