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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
813
怪盗ルパン/2022年版は、原書の新聞連載時の原型版の邦訳
モーリス・ルブラン 出版月: 1955年01月 平均: 5.55点 書評数: 11件

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小山書店
1955年01月

三笠書房
1958年01月

新潮社
1959年05月

東京創元社
1960年01月

偕成社
1981年10月

偕成社
2005年09月

Independently published
2022年05月

No.11 6点 クリスティ再読 2023/01/23 13:14
「813」って原著が二分冊で刊行された経緯を反映してか、翻訳権独占で入手の容易な新潮文庫の堀口大学訳が「813」「続813」で正編・続編みたいな恰好だったのを、以降も踏襲して出版されている。でも一続きの小説として読んだ方がずっといいと思うんだ。「内容に飛躍がある」という評も目にするけども、新聞連載小説というのもあってか、全体的に行き当たりばったりな小説のようにも感じる。

これをポジティヴに捉えれば、手を変え品を変えで読者の興味を引きズリ回す手管はなかなかのもの。手に汗握る。前半ではアルテンハイム男爵が堂々の敵役で、ルパンのライヴァルらしさは充分。とはいえ、謎の殺人鬼L.M.も暗躍して不気味....というあたりで、バランスは前半の方がいいように感じる。
でも問題のケッセルバッハが掴んだピエール・ルドヴィックの秘密に 8.1.3の謎、APOON の謎といったあたりが全然未解明で前半が終わっちゃう。まあルパンが化けた人物の話はお約束だしねえ。

今回はどうも堀口大学訳を読む気にならなくて、偕成社文庫で読んでみた。児童向け、ということではあるけども、ちゃんとした完訳で特に子供向けは感じない。ルビはうるさいけども、活字が大きくて老眼の評者は助かる(苦笑)。
(書評自体も「続813」に続く)

No.10 6点 蟷螂の斧 2019/09/10 11:03
「新青年」(1937年)のベスト10の第6位 
1. 黄色の部屋 ルルウ
2. トレント最後の事件 ベントリー
3. 赤毛のレドメイン家 フィルポッツ
4. グリーン家殺人事件 ヴァン・ダイン
5. 樽 クロフツ
6. 813 ルブラン
7. バスカービル家の犬 ドイル
8. 僧正殺人事件 ヴァン・ダイン
9. アクロイド殺し クリスティー
10. 男の頭 シムノン
10. 月長石 コリンズ 
回答者(敬称略)は26名で( )内は第一位に選んだ作品 
江戸川乱歩(黄色)、大阪圭吉(樽)、小栗虫太郎(水晶の栓)、甲賀三郎(黄色)、角田喜久雄(男の頭)、横溝正史(813)など 

1985年版「東西ミステリーベスト100」の41位ということで拝読。ラストは現在ではOUTですね(笑)。歴史的評価を込めてこの点数で。                                                          

No.9 7点 バード 2019/06/08 10:02
訳のせいか、わかりやすい話のわりに読みにくかったっすね。

ただ件の叙述トリックは完全に意識外からのパンチでびっくりした。話の面白さ(5.5点)とビックリ(1.5点)で7点。
続編も読んでみないとなんとも言えない箇所もあるので、暫定的な書評ということで。

2020/4/22(『続813』を読んだので追記)
後半を含めても印象はあまり変わらず。ただし、ビックリ点に関しては本書のネタの方が『続813』よりも好み。
『813』(7点)、『続813』(6点)で、全体通しては6点かな。

No.8 5点 斎藤警部 2016/02/23 23:58
この本はジュブナイル版で読まず、いい大人になってから初読したはず。(と書いた後で思い出したが、小学生のころ目を通したがよく分からず斜め読みで終わったんじゃなかったか)
真犯人の目星は早々に付いた。それだけで緊張を強いられた! そいつの正体が暴かれるであろう結末ばかりが楽しみで楽しみで。。 怪盗紳士リュペァ~ンの冒険譚はサラサラっとかっ喰らい読みサ。

No.7 6点 ボナンザ 2014/04/09 15:48
結末の意外性もあり、個人的にはリュパンものでは最高傑作だと思う。
問題は813の謎が続編を読まないとわからないこと。

No.6 6点 TON2 2012/12/17 16:14
新潮文庫「ルパン傑作集(Ⅰ)」
 抜群の体力・知力・実行力を兼ね備えている誇大妄想的な自信家で、ときには自分の内面に向かって落ち込み、そしてすぐまた実行へ向け気持ちを切り替えるという、ルパンのキャラが面白いです。
 訳が古いせいか、ルパンが手下を呼ぶときに「あんたは……」ちうような言い回しになっていることにはなじめませんでした。

No.5 6点 E-BANKER 2011/11/03 10:43
アルセーヌ・ルパン物の代表作の1つ。
本作はいわば「前篇」的な位置付けで、結末は「続813」へ・・・という趣向。

~「ダイヤモンド王」と呼ばれる大富豪・ケッセルバック氏は、全ヨーロッパの運命を賭けた重大秘密を握ってパリへ出た。その全貌を明らかにすべく、怪盗紳士A・ルパンが会見したその夜、氏は何者かに刺殺されてしまった。現場に残されたレッテル『813』とは?手掛かりの人物を恐るべき冷酷さで消していく謎の人物・L・Mを相手にルパンの息づまる死闘が始まる・・・~

予想よりは面白かった。
これが率直な感想。
もちろん、本作は「前篇」ですから、解答編ともいえる「続813」を読まなければ、物語全体の評価は付かないですが・・・
事件の鍵を握る人物「ルデュック氏」をめぐって、ルパンと警視庁の辣腕・ルノルマン保安課長、そしてアルテンハイム男爵が三つ巴の頭脳戦を展開するストーリーは、さすがに読み継がれている作品という風格を感じさえします。
そして、ラストの衝撃!・・・
まぁ、ルパン物の定番と言ってしまえばそれまでですが、個人的にはなかなかの衝撃でしたねぇ。
(これって、「叙述トリック」なのかな?)

今回、堀口大学訳の新潮文庫版で読了しましたが、独特の読みにくさはあるものの、気品のあるいい訳文だと思います。
ということで、ストーリーを忘れないうちに「続813」を読むことにしよう!

No.4 3点 江守森江 2010/07/23 13:26
※但し書き
作品に関する書評にはなっていません
ゴメンナサイm(_ _)m
※最初に余談
さり気なく、タイトルにちなんで813作目の書評にしたkanamoriさんに拍手(パチパチ←順番を変更しないで下さいね)
※ここから思い出話
さて昨日、高校時代からの親友から電話が来て、堀口大學を勉強させられたのは「裏窓」(←翻訳してない)ではなく「昼顔」(←よくぞエロ小説を高校生に勉強させたものだ)と「ルパン」だったと記憶違いを正された。
どうも、同時期にテレビで映画版を観た為に混乱したらしい。
そして夏休みの課題として「ルパン」では、この作品を読んだ感想文を書かされたらしい(記憶が定かでない)
堀口大學の翻訳だとルパンも強盗紳士だからピンとこない(感想文に強盗と紳士は噛み合わないと書いた気がする)
書店で購入したが読み辛かったので、図書館で児童向け(ポプラ社版だったと思う)を借りて読んで、堀口版を読んだフリで誤魔化したらしい(これも親友は記憶していた)
持つべきは親友だ!なんて事をシミジミ考えてしまった。
ピンチの時には最優先で駆けつけてくれるのが「親友」の定義らしいが、彼は駆けつけてくれるだろうか?
私が親友だと勝手に思っているだけかもしれない。
もっとも、私も彼のピンチに最優先で駆けつけるかは、その時が来なければわからない。
※採点は堀口大學の翻訳に対する読み辛さを基準にしたので3点。

No.3 6点 kanamori 2010/07/21 17:30
アルセーヌ・ルパンの長編だと、冒険小説風の「奇岩城」とか「水晶栓」が代表作かもしれませんが、個人的には本書が気に入っています。
ネタバレ気味ですが、これを比較的最近読んで、あるミステリの趣向に騙されてしまいました。ルパンものの定番のトリックなんですが、ルパン=公爵が明白だったので、作者のミスリードにまんまとはまったようです。

No.2 6点 okutetsu 2009/08/21 07:13
前半と後半を別れてないバージョンで読んだのですが
序盤の印象だとルパンが出てこないってことか
それでも冒険してるので良いです

No.1 4点 Tetchy 2009/07/03 23:35
この一冊で話が完結するものだと思っていただけに、この結末は肩透かしを食らった感がある。
結局、最初に提示された謎は何一つ解明される事なく、欲求不満が残ってしまった。
しかし、ルノルマン=ルパンの設定は食傷気味。読者の興味を繋ぎ留めておく為か、はたまた下世話なサービス精神の産物か。
ともかく『続813』に期待しよう。


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モーリス・ルブラン
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