皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ サスペンス ] 緋色の囁き 囁きシリーズ |
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綾辻行人 | 出版月: 1988年10月 | 平均: 5.57点 | 書評数: 42件 |
祥伝社 1988年10月 |
祥伝社 1993年07月 |
講談社 1997年11月 |
講談社 2020年12月 |
No.42 | 7点 | 斎藤警部 | 2024/06/26 13:21 |
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「母に、お別れを・・・・・・本当のお別れを言いたいんです」
都会を離れた全寮制名門女学校へ、女性校長の姪にあたる主人公が転校して来るや、生徒の殺害事件が続発。 疑いの目が主人公に向けられるが、ある年齢以前の記憶を “ほとんど” 失っており精神が安定しない「夢遊病者」の彼女自身、自分が本当に犯人でないのか自信が無い。 自らの近過去に纏わりつく大きな謎と、いま起きている連続殺人事件の謎と、更には学園内で遠い過去に起こった忌まわしい事件の謎と。 これらの謎は一つに繋がっているのか、いつかは一気に解決されるのか。そのとき主人公の心はどうなるのか。。。 ホラー感覚欠如の私でも、謎が牽引するサスペンスで終始ハラハラどきどき。 澱みを許さぬ爆走リーダビリティで持っていかれる膂力発揮の一冊です。 意外と長い解決篇?の中に、急に道筋Y字に分かれたり更に分かれたり合流したりを繰り返す複雑系ミステリ進行がエキサイティング。 同じシーンを別視点からチョイ時間差で叙述する技法はもしかして後進への影響大? ミステリ史に疎い私にはよく分かりませんが。。 そぃやメタ・ミスディレクションぽい四字台詞「あ◯◯◯」が光ってたな。 男女の切実ラブストーリーが流れるのも佳い。(しかしあの最後の数行は。。。。) ◯◯の有無に纏わる◯学的/論理的説明はちょっと曖昧かな。 これを始めに真相吐露シーンと、その後どうやって諸々始末を付けたのか、やや見切り発車というか説明責任を果たしていないようにも見えた。刑事さんも再登場しないし。それで納得出来るわがまま小説の面白さなら構わないけど、本作の場合はもう少し現実に寄り添って欲しかった。 とは言え・・・・第4クォーターあたりからどうしようもなくゲスな結末の予感も漂ったけど・・・・ 思いのほか深層から暴露された過去事象の圧倒的プレゼンスが全てを綺麗に吹き飛ばしてくれたのは良かった! やはり綾辻サスペンスはこの味だ。 |
No.41 | 7点 | みりん | 2023/08/05 16:36 |
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綾辻先生が「今読み返すと赤面してしまう箇所がある」ってあとがきで言ってるけど、この文章が好きですよ。
【ネタバレがあります】 全寮制の厳格なお嬢様学校が舞台のキャッキャウフフな青春ミステリ…ではない!相当ホラー寄りです。 まあ十中八九二重人格オチだろうと半ば確信しながら読んでいくと、徐々に自信が揺らいでいく。いや…それでもさすがに…と思っていると反則スレスレの真相が待っています。 テーマはたぶん「血」ですよね。 ずっとこの作品に漂うカラーはタイトル通り緋色なわけですが、視覚的・物理的な血のみにとどまらず、DNAとしての血も内包しています。ラストの主人公の独白から、鮮やかな血に魅入られた母親と恐らく同じ末路を辿り、DNAには抗えないというメッセージでしょう。 |
No.40 | 5点 | バード | 2023/07/05 06:44 |
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(ネタバレあり)
綾辻さんの本はある程度読んでいるが、囁きシリーズは初。残念ながら期待よりは下だった。(本音は5.5点です。) 冴子と校長を殺人者のミスリードに使う所は、雰囲気だしに機能している。肝心の殺人者の正体も落としどころとしては最適だろう。ただし、正体の人が○○ということの伏線は足りないと思う。矛盾はなくとも、上手さを見出せなかった。 他に細かいところで、全体的にキャラメイクが雑と感じた。綾様も結局小物であり、終盤までバックボーンを引っ張る必要を特段感じず。彼女もミスリード要因なのかしら。 |
No.39 | 6点 | パメル | 2023/02/20 07:40 |
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伯母である宗像千代が校長を務める全寮制の高校「聖真女学園」に転校してきた和泉冴子。冴子は、一様にふるまうクラスメイトたちを異様に感じる。この寮で同室となった少女が、「私は魔女なの」という謎の言葉を残して、火刑に処されたかのような焼死体となって発見される。冴子は、彼女の死の真相を突き止めようとするが、殺人は続き周りからは犯人扱いをされてしまう。
冴子には意識が空白になる時間があり、本人がやっていないという確証が持てない。彼女は生理期間中に幻聴に苛まれ、たびたび記憶にない行動をとってしまう自分を恐れている。この不安感と恐怖が強く印象に残る。古い建物と体罰ありの厳しい学校生活、偏った価値観のクラスメイトたち。抑圧された学校生活が、どんよりとした暗い雰囲気で漂い、ホラー映画を観ているような恐怖感覚であふれている。 押さえつけるような教育指導、集団心理、誰もが持つ狂気。思春期の少女特有の不安定な危うさのきめ細やかな心理描写が秀逸。魔女や連続殺人など、一貫して倒錯的な雰囲気を醸し、サスペンスホラーとしてはもちろんだが、特に終盤の畳みかける意外な展開と、真犯人の意外性も充分で本格ミステリとしても楽しめる。 |
No.38 | 7点 | 人並由真 | 2021/08/23 05:58 |
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(ネタバレなし)
そういえば「囁き」三部作、まだ読んでなかったなあと、蔵書の山の中から、まずこれを手に取った。 ネタは先読みできるところも多いし、30年以上前の新本格黎明期の作品だから許される(2020年代にこれを書いたらキツイ)という面もあるが、終盤の一番のサプライズだけはスナオに驚いた。 ソコまでのパーツ(伏線やミスディレクション)は大方見切っていたのだから、もう一歩踏み込めば良かったんだけれど、クライマックスではお話の勢いに引っ張られてページをめくるのにかまけ、フーダニットの興味を探るのを忘れていた。そういう意味では、やはり良くできている作品ではある。 反則技寸前なところも多いような気もするが、整理してゆくと実はおおむねギリギリのラインで躱している。 動機の異常性についてはソコだけ切り離せばかなり強引だが、あれこれ補強してあるので文句には当たらず。 トータルとしては普通に面白かった、ということでいいのかな。 とはいえあとから冷静に考えると、大設定の部分で某重要キャラが、かなりリスキーでピーキーなことをやってしまっているんだよなあ。自分がもし作中のリアルで同じ立場だったら、とてもコワくてやれない。 まあ細かい物言いの余地はあるが、十分に楽しめました。 |
No.37 | 7点 | まさむね | 2019/04/21 11:05 |
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作者が27歳の頃に発表した「囁き」シリーズの第一作品。
全寮制の名門女学校が舞台で、「いかにも」的な雰囲気が漂っています。ある種の「しつこさ」を感じる面もありますし、万人向けする内容とも思えないのですが、終盤で判明する真相は印象に残りそうです(論理的に真相に辿り着ける構成ではないですけどね)。「館」シリーズとは一味違う面白味も感じて、コレはコレで、個人的には好きだな。 |
No.36 | 5点 | 風桜青紫 | 2015/12/21 07:10 |
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あや様を始めとした変な高校生たちを楽しむ学園小説……なのか? まあ、ホラーもののというより、ホラーものっぽいテイストを楽しむ作品だろう。ミステリもストーリーも薄味なんだが、アーヤの演出力がそこそこあるおかげか、退屈せずに読むことができた。まあ5点はつけてもいいかな。 |
No.35 | 6点 | 初老人 | 2014/06/14 18:29 |
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著者がまだ20代の頃書き上げた長編小説(改めて刊行されるにあたり新たな修正は最小限に留めたとの事)ということで拝読。
文章に多岐に渡って緋い、という表現が用いられるなど拙さが目立ちます。章の合間の小話でミスリードを誘う手法自体は理解出来なくもないのですが、こちらにしてみればもう一捻りして欲しかった、というのが正直な所です。 読後に想像の余地を残すラストは良かったと思います。 |
No.34 | 5点 | ボナンザ | 2014/04/24 17:23 |
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囁きシリーズ一作目だが、及第点には達していると思った。 |
No.33 | 6点 | メルカトル | 2014/03/08 23:22 |
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再読です。
相変わらず人間が描けていないなあ。と、冗談はさておき、そこはかとなく綾辻テイストが味わえるが、どうも全般的に回りくどい文章が目立つ気がする。勿体付け過ぎなんだよね。 『サスペリア』は程遠いが、やはり元祖はホラーだし、こちらはあくまでミステリだからやむを得ないのか。しかし、もう少し書き様もあったのではないかと思ってしまう、サスペンスもそれほど効いていないし、ホラー小説としてもなんだか中途半端。心理描写もなっていない、これではせっかくの構想が相当悪い方向に走ってしまっているではないか。 しかし、終盤の真相が明かされるシーンは俄かに生き返る感じで、それまでのまったりした展開は何だったのかと言いたくなってしまう。 まあ綾辻作品としては、テンポも良くないし、キレもないので、出来としてはよくない部類になるのかもしれないけれど、犯人の意外性と過去の事件と現在の事件を貫く一貫性に敬意を表してこの点数にしました。 |
No.32 | 5点 | 蟷螂の斧 | 2013/12/20 19:34 |
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フーダニットを絡めたホラー系サスペンスですね。どっちつかずの中途半端な感じがしました。まあ読みやすいですが・・・。 |
No.31 | 4点 | TON2 | 2012/11/20 17:59 |
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祥伝社ノン・ボシェット
名門女学園を舞台に数十年前の事件と同様な事件を皮切りに連続殺人がおきる。閉じ込められた空間での鬱屈から、魔女裁判を始める女子高生。 同じシリーズの「黄昏……」よりは完成度が高いと思います。 |
No.30 | 7点 | kanamori | 2011/01/03 21:09 |
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囁きシリーズの1作目。
全寮制の女子高を舞台にしたホラー風の本格ミステリというだけで嗜好のド真ん中。 読者の恐怖を煽るような、意味深な描写の挿入などやりすぎと思わせるところもありますが、雰囲気が好きなものでしょうがない。 |
No.29 | 6点 | ムラ | 2010/12/16 00:09 |
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囁きシリーズの中では一番好きかもです
幻想的な雰囲気が散りばめられていて、ちょっとエロが混ざった感じ。 追い詰められていく生徒達の心理もよく書かれていました 犯人の動機はやっぱり共感は出来無いけど。 |
No.28 | 6点 | simo10 | 2010/09/29 22:45 |
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久々に読み返してみました。
女学園モノ、連続殺人モノ、アレに関する生々しい描写、カリスマ的美少女とその実態、といった記憶が残ってはいましたが、ミステリ要素に関してはほとんど覚えておらず、真犯人すら覚えていなかったので、懐かしさと新鮮さを味わいながら読むことができました。 ミステリ要素はやはり少なめで直感勝負のフーダニットものといったところでした。 ホラー的要素が強く、綾辻氏らしい陰鬱とした雰囲気が私的にはナイスでした。 |
No.27 | 6点 | シーマスター | 2010/04/01 00:03 |
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最近では『小公女セイラ』(昨年末テレビでやってたやつ)の舞台としても使われた「全寮制の名門女学園」という(フィクションでは大抵陰湿の宝庫にされる)シチュエーションに綾辻らしいケレン味が惜しみなく塗され、内容もサイコホラー系ミステリーとして纏まりのいい出来になっていると思うが、こういう話は生理的に、自分のような普通の女子高生には合いませんね |
No.26 | 4点 | 星屑の仔 | 2009/12/08 00:08 |
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綾辻行人の幻想性があふれた作品ではあった。
面白かったよ。確かに面白かった。 学園をテーマにした殺人事件が今回の舞台である。 しかし そうしかし、肝心のトリックやストーリーがあまり記憶に残っていない。読み返してみれば「あぁ、こんなことあったな」と思い返すことができるものの、やっぱりインパクトが薄い傾向がある。辛うじて叙述ものであったきがする、程度である。 新シリーズの一発目と言う事もあり、期待していた分、インパクトに欠けるという意味でこんなもんでどうでしょう。 |
No.25 | 7点 | マニア | 2007/12/30 13:06 |
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おどろおどろしい設定&ストーリーはかなり楽しめた。
ホラー要素、サスペンス要素、ミステリ要素がいい感じで絡み合っていて最後まで飽きずに読めた。 綾辻作品の中では最も好きな作品のひとつ。 |
No.24 | 6点 | dei | 2007/09/24 11:29 |
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ミステリというよりもサスペンス。
この雰囲気は好き。 |
No.23 | 4点 | ぷねうま | 2007/09/19 17:06 |
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トリックがどうとかストーリー展開とかより、作品全体の雰囲気を味わいながらじっくり読むのが一番楽しい読み方なのかな。
作品自体は好きではないが、行間から不穏な空気を出せる綾辻はすごいと思う。 |