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[ 本格/新本格 ]
奇面館の殺人
館シリーズ
綾辻行人 出版月: 2012年01月 平均: 6.37点 書評数: 35件

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講談社
2012年01月

講談社
2015年04月

講談社
2015年04月

No.35 10点 密室とアリバイ 2023/05/03 21:49
原点回帰。びっくり館はなかったことにしよう。
なんだかんだシリーズ10作品目の「双子館の殺人」も楽しみだ。

No.34 4点 雪の日 2020/04/13 15:22
ご都合主義

No.33 7点 バード 2019/08/13 15:55
待望の館シリーズ9冊目。文庫版の後書きにあったように最近のシリーズ作品(黒猫、暗黒、びっくり)より、シリーズ初期作品(十角、水車、迷路)に近かった。特に本館にはマイベスト館である迷路館の正統続編感がある。ただし残念ながら似た雰囲気の迷路館には劣ると感じた。それでも十分楽しめたけどね。

館のしかけがふんだんに利用された事件だけに、これまでのミステリの知識だけで全てを見通すのは難しいかもしれない。(被害者の首を切った理由や犯人が内線でサロンから人払いをした理由など。)
一方、館固有の要素がない謎(客人達に面を付けた理由や被害者の指の破棄理由)はわりかし単純なので、予想できた人も多いのではと思う。犯人当てはかなりきちんと読んでないと難しいかなあ。

お家芸である叙述トリックは本作品ではかなり控えめという印象。驚きといより、「は・・・?なんじゃそりゃ!」と思った。
最後の方の鹿谷の
「たとえば地の文で、使用人以外の登場人物をどう呼び分けるとか、その辺の面倒をちょっと想像しただけで眩暈がしそうになります。ましてや、つまらない悪戯っけを起こして、たとえば”同姓同名の”という事実を読者に対して伏せてしまおうなんて考え出したら・・・・・・」
という台詞は完全に綾辻さんの代弁で笑っちまった。ロートレック壮の解説風自慢に近くて褒められたものではないけど、建前的には鹿谷の台詞なんでセーフっすかね(笑)。

No.32 3点 ねここねこ男爵 2018/01/18 21:22
ん〜〜〜これはちょっと…
館シリーズもこの辺になると綾辻信者か余程のマニアしか手に取らないでしょうからこれでいいのかなぁとも思いつつ、信者以外を結構置き去りにしてる感じがします。少なくともファンじゃない自分はそう感じました。

以下ネタバレ含みます。
館シリーズは隠し通路や隠し部屋が定番であり、その存在を前提として読むものなんですが、他作品だと早い段階で露見したり本筋にあんまり関係なかったりするのに、本作は解決編まで待つ上にソレ無しでは犯行が成立しないかつそんなん推理できるか!と言うほど事件編で証拠が示されておらず、おまけにとてもご都合的なものなので、読者が向き合うべき謎が『何故仮面に鍵をかけたか?』のみになります。たまたまバイトが道を塞いだがたまたまソコをショートカットできる抜け道があってセーフってのはちょっと…。その抜け道が元々別の意図で作られたもので、それを巧みに利用したなら別ですが、バイトが通せんぼするのを回避するためだけに存在してますから…。書評で「館は密室があったら抜け道があると思って読むもの」と言うのがありますが、それなら密室が作中人物にとってのみの謎にしかならず意味がない上に、館初読者はふざけるなと思うでしょう。だったら最初から道をつなげておけば良い。長編の長さを確保するためのページ数稼ぎにしかなっていません。それとも「コイツら抜け道に気づいてねぇww」とニヤニヤしながら読むものなのでしょうか。
本編も余談も長すぎますし、最後の決め手もご都合に過ぎるというか、幸運な偶然に頼ったもので、論理の装いをした神視点です。探偵がチグハグさに違和感を覚える描写もロジカルさはまるでなく神視点描写(あるいは作者のエクスキューズ)でしょう。
二代目三代目も、鬼丸氏ほど有能なら数回食い違えば察して説明してくるでしょう。探偵サイドが館や主人について知識不足なのは認識している描写があるわけですから。登場人物も存在意義不明な人が多く、単に容疑者を増やすためだけとしか思えないです。

正直信者以外は読者として想定していない作品に思えます。初期の館シリーズはそこそこ面白いので、作を重ねるほど劣化するのは残念。

No.31 7点 sophia 2017/05/24 22:58
これぞ館シリーズという、王道の舞台設定と展開。十角館や時計館には及ぶべくもないですが、平均的な出来でそれなりに楽しめます。
序盤は迷路館の、そして段々と水車館のテイストが出てきます。
登場人物表がないことにきっと何か意味があるのだろうと思っていましたが、なるほどこの設定ならそうせざるを得ないですね。その辺の苦しさを最後に作中人物の鹿谷の口から弁明させているのが良いのか悪いのか・・・
推理面での疑問点を。殺人事件に関して、鹿谷たちに動機面からのアプローチもさせておくべきだったのではないでしょうか。あと、雪に閉じこめられなかったら犯人はどうしていたのかという点も考えさせておくべきだったのでは。等々推理の定石をいくつか外しており、不自然さを感じました。本格パズラーとは言え作者の単なる予定調和にはならないよう、その辺りのリアリティには気を配ってほしいと思いました。

No.30 7点 パメル 2017/05/08 13:56
あるインタビューで作者はこの作品の着想のきっかけは楳図かずお氏のホラー漫画「笑い仮面」と答えていた
ただこの作品はホラー要素は無くどちらかと言えば初期の館シリーズに近いと思います
人の入れ替えはあったのか?そして妖しく揺らめく”もう一人の自分”の影など様々な想像を掻き立ててくれ惹きつけられる
探偵役は思いも寄らぬ仮説などあらゆる可能性を提示しそれらを一つづつ消し込んでいき真相に近づいていく推理の過程が楽しめる
ハウダニットとしては中村青司設計ならではの館の秘密を堪能できるしフーダニット・ホワイダニットにしても最後の最後まで楽しませてくれる
ただ皆さんが不満として指摘されている点は同感なところもあります

No.29 7点 MS1960 2017/03/04 19:10
さすがだなあ、というのが感想です。着想、ストーリ、雰囲気、伏線、トリックなど、高い水準の作品です。「人の入れ替えと見せかけて・・」ということなのですが、「人の入れ替え」という流れで凝った作品を作って頂きたくもあったかなあというのも感想です。

No.28 8点 邪魅 2017/02/27 02:18
所謂顔のない死体もの
ということで多くの人は最初は死体の入れ替わり、を疑うでしょう
しかもそれ以外全員仮面をしていて、尚且つたまたまとはいえみんな似た風貌をしている訳ですからね

しかし、話はそう単純ではなく
良く考えられているなあと思いましたね
中村青司の館ならではの顔のない死体、そしてみんなの顔に仮面を付けられた理由
どれも中々興味深いものでした

No.27 8点 青い車 2016/11/09 15:09
 2012年にもなってなお綾辻さんがこれだけ直球の推理小説を書いたことに驚きました。しかも叙述トリックにはほとんど頼らずに。当初の予定よりずっと枚数が増えたということもあって事件が一件のみにしては長いと言えば長いですが、捜査のパートがひたすら懐かしい本格の雰囲気に満ちています。そして、大団円に向けての怒涛のロジックには凄まじい熱量を感じました。絶対にさらなるどんでん返しがあるはず、と身構えていたのにまったくそれがなかったのはちょっと拍子抜けでしたが、本作はそれが丁度いいといえば丁度よくもあります。

No.26 8点 E-BANKER 2016/06/10 22:14
「暗黒館」(2004)以来、久々の「館シリーズ」(番外編的な「びっくり館」を除く)ということで、ファン待望の作品だったに違いない。
全十作を予定している(らしい)シリーズもついに九作目。
2012年発表の大作をようやく今回読了。
(別にもったいぶったわけでもないんですけど・・・)

~奇面館主人・影山逸史が主催する奇妙な集い。招待された客人たちは、全員奇面館に伝わる「鍵のかかる仮面」で顔を隠さなければならないのだ。季節はずれの大雪で館が孤立するなか、<奇面の間>で勃発する血みどろの惨劇。発見された死体からは何故か、頭部と両手の指が消えていた! 大人気「館シリーズ」待望の新作~

これはファンには堪えられない作品だろうなぁ・・・
特に前作(「暗黒館」)がああいうファンタジックというか、えらく重い作品だっただけに、今回遊び心というか、いい意味で“軽く”、「パズラー」に徹したプロットはまさに原点回帰という言葉が相応しい。
作者あとがきにもそういうニュアンスの言葉が書かれていて、齢五十歳を超え、円熟期に入ったともいえる作者でも、こんな“若々しい”作品が書けるんだなぁと改めて感心した次第。

で中味なのだが・・・
謎の中心は、探偵役の鹿谷が途中で指摘するように、①仮面に施錠がされたこと、②被害者の首&指切り、③関係者全員が睡眠薬で眠らされたこと、の三点。
③については「館」シリーズならではの解法であり、最初からニヤリ。①②は有機的に繋がっているのだが、「被害者の入れ替わり」という当然想定される仕掛けを逆手に取った解法がニクイ!(ネタバレっぽいが・・・)
恐らく②に関する仕掛けから本作のプロットが広がっていったのだろうと推察するけど、こういうことを考えていく過程こそが、ミステリー作家としての醍醐味なんだろうな。
これが作り物っぽいと言う方に本作は合わないし、ここは徹底的に作者の遊び心に付き合うべきだろう。

エピローグの蛇足感については、他の方もいろいろと触れられているけど、設定の無理矢理感を少しでも和らげるための「オチ」ということなのかな?
こんな奴が日本に○人もいるのか、という大いなる疑問はさておき、2016年の現在でこういう作品を楽しめることに敬意を表したい。
いよいよ次作がラストとなるのか? はたまた・・・?
評価はこんなもんだろう。

No.25 6点 風桜青紫 2015/12/21 04:37
フェアな伏線の提示から、そこそこ納得のいくロジカルな謎解き。初期の館シリーズらしいって意見もあるけど、館シリーズでこういうクイーンっぽい作品は初めてなような気がする。全員仮面を被るってなふざけた設定だとか、島田さんが正体を明かすところの盛り上がり(悪魔の折り紙!)だとか、読んでて飽きなかったし、バランスの取れた作品。まあ、叙述トリックは「ああ、うん……」と呆れちゃったけど。犯人当てだけでも良くできた作品と思うんだが、インパクトが薄めになると思ったのかな。現実味のなさMAXなうえに、暗黒館みたいに変な説得力のある説明もないし、正直要らんかった。アーヤについてきた(暗黒館で切らなかった)読者だからといっても、ある程度の納得は欲しいのよ。

No.24 6点 CHABI 2015/06/04 22:32
館シリーズ初期の作品を思い起こさせる作品です。
こんなぶっ飛んだ設定の本格物も綾辻氏なら納得です。
それなりに面白かったというのが率直な感想です。

No.23 6点 nukkam 2015/04/19 21:16
(ネタバレなしです) 2012年発表の館シリーズ第9作の本格派推理小説です。講談社文庫版で上下巻合わせて650ページを超す大作です。仮面の人物が登場する本格派推理小説では横溝正史の「犬神家の一族」(1950年)や綾辻行人の「水車館の殺人」(1988年)が有名ですが、本書ではそれが何人も登場して名前の代わりに<〇〇の仮面>と表記されるのです。作者によるあとがきの中で、本格派推理小説に対して「顔が見えない」という批判がよくされていたことへのちょっとした開き直りみたいなコメントがあります。それが執筆理由の全てではないでしょうけどきっとにやにやしながら書いたんだろうなあと思います。殺人が起きただけでなく吹雪の山荘状態で外部とは連絡できない、寝ている間に鍵付きの仮面をかぶせられて外すことができないという異常な状況の割には登場人物の誰一人パニックになることもなく、「妙に」落ち着いた雰囲気なのがちょっと違和感ありますが、初期作品を彷彿させる軽やかなパズラーを書いておきたいという作者の思いは実現できていると思います。怪奇幻想や狂気描写の類は排除されてます。

No.22 8点 公アキ 2015/01/09 16:06
 『奇面館の殺人』は複雑かつ豪華な作品です。著者・綾辻行人氏が「ゴシック趣味・怪奇幻想趣味はなるべく抑えめにして」「”遊び”に徹したパズラーを」と「あとがき」で公言しているように、王道ミステリの設定(”吹雪の山荘”、首なし死体、睡眠薬の混入etc.)を妖しくおどろおどろしい雰囲気で着飾らせることなく、むしろ独特で奇怪な設定を上乗せすることで、どこまでも精緻な、そして豪華なパズル作品としての高い価値を実現しているように思います。
 というのも、館、事件現場としての舞台設定、そして人物設定のそれぞれに無駄がなく、それらの要素が原稿用紙八〇〇枚超というボリュームの中にふんだんに詰め込まれているのです。探偵役・鹿谷門実の推理の場面では、読者ですらも全てに気がつくことは至難の業であるような細かな各疑問点について、容疑者一人一人に質問していくという程で、その論理の潔癖さには脱帽でした。

(以下、他作品のものを含むネタばらし有り)
 今回の犯人は、元々<未来の仮面>を人知れず盗むだけの犯罪計画を立てていたようですが、「予定外の事態」によって、殺人事件にーーしかも、さらに「予定外な事態」が重なって、凄惨な殺人事件に(笑)ーーなってしまった、という顛末は、なるほど怪奇幻想というよりは喜劇的ですらあるような滑稽さを感じさせます。鹿谷も「”気配”の質が違う」(講談社ノベルスp125下段)という風に、今までのおどろおどろしい館(水車館、迷路館etc.)の数々に居合わせて感じた「殺人の気配」とは違ったものを感じとっていたということが、読者へのヒントと言えばヒントだったのかもしれません。
 そして。犯人当ての段となり、作者・綾辻行人がまたしても読者に仕掛けてきた「大罠」が、「客人全員が”影山逸史”という同姓同名者」という事実を伏せていたことでした。これは、「奇面館の主はこれまでに三人いる」という事実が巧妙に隠されていることと連動して、読者が犯人を当てることを非常に難しくする装置として機能しています。
 ただし、最終的に犯人を当てる決定的な要素たり得たのは、雑誌『ミネルヴァ』のロゴマークについて「”犯人の条件”である館の二代目当主たり得る人物しか発言し得ないこと」を口走っていた人間が犯人、というただ一つの要素でした。この真犯人に辿り着くまでの、ミステリとしては単純な道のりを、上に挙げた二つの要素が非常に複雑なものに変化させており、作品のそこかしこに「その痕跡」が見られます。真相がわかってから本書を読みなおすと、「なるほど、ここの表現にもこんな気の遣い方が……」と綾辻氏のトリッキィかつ丁寧でフェアな筆致に感嘆せずにはいられず、そういった意味で本書は非常に「複雑かつ豪華」な作品だと、私は思いました。
 また、犯人の幼い頃の記憶ーー<未来の仮面>に見せられた「未来」ーーが犯人の思惑すらを外れて「殺人事件」を成立させてしまった幻惑的な重要要素である、というのは、とても綾辻作品らしい構造だなと思いました。彼の作品の多くには、少年や、登場人物の幼い頃の記憶なんかが(本格ミステリ的にではなく、物語的に)物語のキィとして機能する形で登場する、と何かの綾辻作品の解説で読んだ事があります。常識的に(?)考えて、<奇面の間>への侵入が主にバレた時点で、平謝りに謝るとか、事情を説明するとか、逆に<未来の仮面>の所有権は自分にあると開き直るとか、色々できそうなものですけれど、ここで「犯人の所属する”現実”」が「あの恐ろしい夢の輪郭と溶け合い、現実としての輪郭を崩してしま」うことで(講談社ノベルズp362下段)、<未来の仮面>に見せられた通りの「未来」を、犯人は実現してしまった。そんなところに辻褄合わせの要素がないではないかもしれないけれど、むしろ魔力に操られてしまった男、という怪奇幻想的な要素を事件の核に潜ませることとなり、作品の魅力の一つとなっていると私は思います。
 ちなみに、幻想的で論理超越的な小道具が実はずっと事件を予言していたというのは、シリーズ2作目『水車館の殺人』のオチに通じるものがあります。「なるべく抑えめに」した怪奇幻想趣味も、結局ここ一番の大事なポイントに埋め込まれていた、というところも、綾辻氏の「指紋」なのか、と考えると、複雑精緻なパズラーであり、かつ綾辻行人としての芯も通った良大作なのではないか、と思いました。
 (ちなみに、新月瞳子の「いかにも自分は犯人じゃないというような◯◯だけれど、これが実は”演技”ではない保証はないーーと、瞳子は心中ひそかに首を振る」の五連続は、和みました(笑)。)

No.21 6点 初老人 2014/04/26 16:17
(ネタバレあります) 首と指が切断された理由、全員に仮面を被らせた理由など至極 納得のいくものだった。普通仮面を被った登場人物が出てくると仮面の下には別の顔が、と想像してしまいがちだが、 もっと身近なところにミステリ的な仕掛けがしてあった事に素直に驚かされた。ただ他の方も言っておられるように、犯人を特定するロジックが脆弱に過ぎるように思う。

No.20 6点 yoneppi 2014/04/17 21:56
かつての館シリーズのような衝撃はなかったけれど、それはミステリにすれた自分にも責任があるのだろう。ラストの館が楽しみだ。

No.19 5点 ボナンザ 2014/04/07 01:53
問題はタイトルから展開がある程度読めるところですが・・・。
結末にご都合主義は感じますが、及第点ではあると思います。

No.18 6点 まさむね 2013/08/12 22:09
 首なし・指なし死体,仮面を被せられた招待客,10年に1度の大雪で閉ざされた“山荘”,その建物の設計は中村青司…という,何とも贅沢な(?)大盛りの設定です。
 読後の感想としては,ある意味この設定があってこその真相ですし,突っ込みたくなる点についても作者から一通りの説明(フォロー?)がなされているので,不満を抱くことは無かったですね。様々練られていますし,流石にそつが無い。
 ただ,ファンとしての我が侭を許していただけるのであれば,「驚き」という面では,シリーズ平均に届かなかったような…。まぁ,それだけ皆の期待度が高まるシリーズだということで,それはそれで凄いことですけどね。

No.17 5点 蟷螂の斧 2013/06/06 11:10
舞台設定(全員仮面での登場、クローズド・サークル、首なし・指なし死体)の割には、緊迫感が感じられなかったですね。理由は、登場人物間に、次ぎに事件が起こるのでは?という疑心暗鬼がなかったこととや、著者の狙いがホワイダニットに重点が置かれていた?ということでしょうか。人物隠匿方法としての、仮面・首なしに新しいトリックを期待してしまったので、辛めの評価となってしまいました。館ものは8冊目、暗黒館は長いので途中でお休み中です(笑)。ラストの館ものに期待したいです。

No.16 5点 星屑の仔 2013/01/15 23:30
綾辻行人さんの最新作。状況としては、主人公がある先輩作家の代わりとして、とある富豪の別荘に赴く。そこで一件の殺人事件が起こる。それと同時に山荘への客全員に奇妙な仮面が被せられていた。犯人は誰か、また何のためにみんなに仮面をかぶせたのか。

そんなまさに本格派のミステリの王道とも言える作品です。
ただなんと言いますか、「懐かしい」という表現はできても「これぞ綾辻」という作品ではなかったかなとは思います。普通の生真面目な本格派ミステリとしては上出来なのでしょうが、綾辻さんのような読者の裏をかくトリックがあまり見られなかったのが、少々残念といえば残念でした。よって今回は少々辛めの5点


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