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[ 本格/新本格 ]
長い長い眠り
郷原部長刑事
結城昌治 出版月: 1974年01月 平均: 5.40点 書評数: 5件

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朝日新聞社
1974年01月

中央公論新社
1975年08月

東京創元社
2008年07月

No.5 5点 ボナンザ 2017/07/28 10:23
初期の本格ものの一つ。犯人当て自体はそれほど意外性はないが、楽しんで読める佳作。

No.4 5点 nukkam 2016/02/03 13:43
(ネタバレなしです) 1960年発表の郷原部長刑事シリーズ第2作です。ユーモア本格派推理小説として紹介されていますが直接的に笑いを誘うような場面はほとんどなく、最後になってそそっかしさが招いた皮肉がわかるというプロットでした。主人公の郷原部長刑事の出ずっぱりではなく、合間合間で容疑者たち同士のやり取り場面を挿入して単調にならないように工夫はしていますが、感情を抑制した人物描写は好き嫌いが分かれるかもしれません。国内ハードボイルド作家の先駆者の一人として評価されることになる結城らしいとは言えるでしょうけど。

No.3 5点 E-BANKER 2015/08/16 20:37
1960年発表の長編。
「ひげのある男たち」に続く“郷原部長”シリーズの第二弾。

~明治神宮外苑近くの林で発見された男の死体。黒縁の眼鏡をかけ、鼻下に細いヒゲを蓄えた男の人相は一見重役風。白いワイシャツにきちんとネクタイを締めていたが、なぜか下半身はパンツ一枚であった。郷原部長刑事をはじめとする四谷署刑事課の面々は捜査を進めるが、被害者を中心とした男女の人間関係が判明するばかり。容疑者には事欠かないのに肝心の決め手に欠けるのだ。郷原部長の迷推理の行方は?~

前作(「ひげのある男たち」)と同様、何ともトボけた味わいのある作品。
今回も郷原たちは、関係者たちの複雑で乱れた男女関係に翻弄されながら捜査を進めるハメになる。
そして、本作でも最終的に真相を暴くのは郷原たちではなく、別の事件関係者・・・
という展開。

中盤ではもう容疑者は五人程度に絞られる。
ほぼ全員にアリバイがなく動機がある、ただし誰も決め手がない・・・というもどかしい状況。
終盤に差し掛かった段階で、郷原部長の推理メモという形で、真犯人探しもいよいよ佳境か? と思いきや、意外な線から事件の構図が明らかになるのだ。

ただし、これがサプライズかと問われると、“う~ん??”という感じになってしまう。
事件の鍵と思われた「パンいち姿」の理由についても、何かうやむやのまま終わったようなもどかしさ。
そう!
全体的に「もどかしさ」で溢れた作品なのだ。
タイトルの意味もラストセンテンスでやっと分かるという「もどかしさ」・・・
やっぱり前作の方が上だな。
(それほど悪いわけではないのだが・・・)

No.2 6点 kanamori 2014/05/26 23:04
明治神宮外苑近くの林の中で発見された中年男の死体は、ズボンを脱がされ、つけ髭などで変装していた。四谷署の捜査でようやく身元が判明するも、被害者の周りには怪しい容疑者が何人もいて-------。

ひげの郷原部長刑事シリーズの2作目。
多数の容疑者たちの怪しげな行動に翻弄される郷原部長、その容疑者の中のひとりが最後に意外な役割をするという基本的なプロットは前作とよく似ている。
時代背景や出てくる小道具などは時代を感じさせるものの、書かれた時代の割にはスタイリッシュで軽妙な語りは古びていない。正面切ったユーモアやギャグではなく、真面目な顔をして冗談を言うような仄かな可笑しみが本シリーズの特徴といえるだろう。
トリックは大したことがないのに、犯人の工作に第三者による予想外の行為や勘違いが介入して謎が複雑になるといった構成や、郷原部長の立ち位置などはむしろ先駆的な感じを受ける。

No.1 6点 江守森江 2009/06/02 23:02
郷原部長刑事3部作の2作目。
ネタバレ
今回も郷原部長は道化で容疑者の中に犯人も探偵もいるパターン。
きっちりフーダニットしてるが解決編はあっさり。


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